シュタイナーは、1925年3月30日に亡くなった。従って、今年2025年は、シュタイナー没後100年という節目の年である。 没後100年ということには、秘教において特別な意味があるようである。薔薇十字運動の秘教の指導者は、生前その素性を明らか…
レンブラントの「鎧の男」(クリスチャン・ローゼンクロイツを描いているとされる) パレスティナに和平の動きが生まれているが、相変わらずイスラエルは、合意を守る気がないようである。世界の目がこれだけ向けられている中で、なぜこのような暴虐を行なう…
最近、熊が山から人里に出没した、熊による人的被害が発生したというニュースが相次いでいる。理由としては、山のブナやミズナラの実の不作、小熊が多く生まれたことにより熊の餌が不足しているということがあるらしい。また一度人里で餌を得た熊が人間への…
宮沢賢治は国籍を問わず多くの人に愛されている作家である。日本の東北(岩手県)に生まれ、その作品は、故郷の風土に根ざしていながら、どこかコスモポリタンで、つまり普遍性をもっている。 賢治が、熱心な法華経の信奉者であったことも良く知られている。…
思考によって、目に見えない力を捉えることができる 事情により他のことに時間を取られ、長らく更新できなかったので、久しぶりの記事となるが、「復帰」第1号は、医学関係の論考の紹介である。著者は、以前紹介したことのある人智学系の医学者である ダフネ…
イランとイスラエルが「戦争状態」となっている。双方に、ロシアとアメリカがついており、ウクライナに続いて、世界大戦が危惧される状況である。いよいそ、世界の混乱は拡大と深まりを見せているようだ。その極限の中で、彼は登場するのだろうか? 前回に続…
久しぶりの更新である。諸事情により手がまわらなかったためだが、読者の皆さんにはお詫びしたい。 さて、今回のテーマは、シュタイナーの予言したアーリマンの地上への受肉である。 ルチファーは、紀元前3000年期に東方(中国)で一度受肉した。そして…
ロ米の交渉で、ウクライナの戦火を止めようという動きが始まっている。一方で、欧州では、ロシアのウクライナ侵攻の真相が知られるようになってきており、ウクライナ支援への反対の運動も盛んになっているようだ。これ以上の継続は、欧州を疲弊させるだけだ…
第一ゲーテアヌム(放火によって焼け落ちた建物) 一時重体であったローマ教皇が退院したが、以前、健康は優れないようだ。前回のように生前退位も議論されているのかもしれない。 ローマ・カトリックは、信者数ではイスラム教も多いが、既成宗教としては最…
ヨルダンにおけるイエスの洗礼(写本:Vyšehradensis所収 ローマ教皇の危篤が伝えられている。現教皇には様々な「陰謀論的」言説が語られているが、特に、教皇により教義内容が「現代風に」変質してきているのではないかと批判されているようだ。宗教団体と…
昨年は、世界中を混乱・混沌が覆っていたが、今年になりガザは停戦となり、ウクライナもトランプ大統領の就任により収束に向かう気配がでてきている。しかし、一部の予想では、今年は混乱が一層強まるという見方もされている。まだまだ世界は揺れ動いていく…
2025年が開けた。 昨年は、動乱の世界を象徴するように、カザフスタンと韓国での2つの大きな飛行機事故により終わったが、今年はどのような年になるだろうか? 9.11は二機の飛行機により引き起こされ(実際にはペンタゴンのものもあるが)、その後、テ…
シュタイナーには、『血液は非常に特別なジュースである』という講演・本がある。これは、ゲーテの「ファウスト」の中での悪魔メフィストフェレスのセリフなのだが、それは、悪魔が人間を支配するときに血が重要であることを意味している。 神秘学的にみると…
以前「聖骸布」に関連する記事を載せたことがある。 https://k-lazaro.hatenablog.com/entry/2024/02/15/091610 聖骸布とは磔刑後にイエスの遺体を包んだ布であり、福音書にもその記述がある。そのイエスの遺骸は、洞窟のお墓の中に置かれたが、やがて「消滅…
【お知らせ】これまで毎週木曜に更新してきましたが、今後は、都合により不定期更新となります。申し訳ありませんが、読者の皆さんにはご理解をお願いします。 前編に続く後編である。前編では、およそ中世時代までが語られた。後編では、主に自我を取り巻く…
「自我」の問題については以前何度か取りあげたことがある。例えば次の記事。 https://k-lazaro.hatenablog.com/entry/2024/03/14/085745 シュタイナーは、人間を構成する要素を、肉体・エーテル体・アストラル体そして自我としており、自我は、一つの独立し…
エマーソン アメリカの大統領選挙は、大方のマスコミの事前の予想とは異なり、トランプの圧勝に終わった。日本のマスコミは、アメリカに倣って両者は接戦と報道していたが、ネットの一部の情報ではずっとトランプが優勢とされていたので、こちらの方が正しか…
エマーソン 以前、「ドッペルゲンガーと電気 - k-lazaro’s note」でカール・シュテッグマン Carl Stegmann氏の本『もうひとつのアメリカ』を紹介したが、今回はそこから、アメリカの19世紀の思想家、ラルフ・ウォルドー・エマーソンに記事を紹介する。 ※エ…
カスパー・ハウザーの墓 「ヨーロッパの子」カスパー・ハウザーは、「ヨーロッパの父」ナポレオンと同様に、大きな運命を持って地上に生まれた。しかし、カスパー・ハウザーは、歴史の表舞台で活躍することなく死んだ。暗殺されたのである。そして、カスパー…
カスパー・ハウザー 今回紹介するのは、カスパー・ハウザーをテーマとするテリー・ボードマン氏の講演録である。カスパー・ハウザーの名前は、掲載済のいくつかの記事に既に出てきている。 https://k-lazaro.hatenablog.com/entry/2023/12/28/092645 カスパ…
カルーツ『観音ー東洋のマリア』 前編に続く後編である。 前編ではヘルマン・ベック氏のブックレビューを見たが、今回は、カルーツ氏の著作に進むことにしよう。以下に、本文の要約と解説を述べていく。 以下の文章では、便宜上、特にカルーツ氏の文章と自分…
観音菩薩像 これまでキリスト教と仏教の隠れた関係をテーマとする論考を何度か取りあげてきたが、今回は、東洋の仏教で崇敬されている観音菩薩とキリスト教の聖母マリアの霊的関係の問題を中心的テーマに据えながら、人智学的視点で、人類の霊的発展、東西の…
ローエン『霊的キリスト学の概要』 キリストは死後、復活したとされる。シュタイナーは、その時にキリストがまとった復活した体は、物質的体ではなく、ファントム体であるとする。それは人間の肉体の原型ともいうべき霊的体であるが、キリストにおいては実際…
人智学は、宗教を人間生活の重要な分野だと考えているが、特定の宗派を特に推奨するという事はない。ただ、シュタイナーの教えの中でキリストが特に重要視されているので、キリスト教に近いと思われているという状況はあるだろう。 実際、シュタイナーが、「…
プーチンが寄贈した聖ニコラス像 日本のマスコミは、相変わらずウクライナの実態を伝えない。ロシアのクルスクでウクライナがロシアを押して攻め込んでいるというようなことを未だに主張している。しかし実際は、ウクライナ軍と言われるものの実態はNATO…
以前、パリ・オリンピックの開会式の醜悪さの隠された意味に関して、人智学派の論考を再度掲載したが、最新の「ヨーロッパ人」誌に同趣旨の記事が載っていたので紹介したい。 https://k-lazaro.hatenablog.com/entry/2024/08/01/083757 プラトンを持ち出すまで…
ベルゴニョーネ「神殿のイエス」 ガザでのジェノサイドが未だに続いている。欧米(日本も残念ながらここにつながっている)は、ロシアの「侵略」を批判しながら、ガザでのイスラエルの行為はテロに対する自衛の行為だとして容認している。ドイツは、かつての…
※前回は、前々回の「クムラン写本における二重のメシア待望」の後編の予定であったが、別の本を読んでいる内に、8月15日の意味について気づき、急遽「マリア問題」をとりあげることとした。「二重のメシア待望」の後編は、次回掲載の予定である。 前編では、…
ファティマのことを伝える当時の新聞 8月15日は聖母被昇天の日である。「聖母の被昇天」とは、聖母マリアがその人生の終わりに、肉体と霊魂を伴って天国にあげられたというカトリック教会の信仰である、 キリストは、磔刑、埋葬の後に復活し、その後、天…
クムラン文書 久しぶりに、「二人の子どもイエス」のテーマに関する論考を取りあげたい。 これまでこのテーマについては、主に、ヘラ・クラウゼ=ツィンマー氏とデイビッド・オーヴァソン氏の二人の著作を紹介する形をとってきた。 前者は人智学者で、その論…