k-lazaro’s note

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「二人の子どもイエス」とは ④

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"The Two Children"表紙

 ③で触れた「二人の子どもイエス」のテーマを扱っている本の一つが上の写真の本である。発行されたのは初版が2001年で、副題には「A Study of the Two Jesus Children in Literature and Art」(文献と芸術における二人のイエス子どもの研究)とある。著者は、David Ovason デイヴィッド・オーヴァソンである。
 彼は、日本では『ノストラダムス大全―誤解と誤訳の400年を検証する』や『風水都市ワシントンDC』などの本もだしている。彼の経歴に関する情報は乏しいのだが、しかし、この2書をよむと、著者がオカルト関連の知識、しかも本格的なそれを豊富に持っていることがわかる。長年にわたり西洋に伝わってきた秘教の伝統を受け継いでいるように思われる。その本は、他の通俗的なオカルト本とは明らかに一線を画しているのである。
 彼の真の姿は明らかにされていないが、ネットの中にそのヒントを見つけることができる。「デイヴィッド・オーヴァソン」とは、どうも偽名で、本名の知られた別の著名な研究者がその正体であるようなのである。しかしその詳細については、後述することとする。

 本書にもどろう。副題にあるように、この本は、「二人の子どもイエス」という観念について、古代から伝わる文献や芸術作品の中に探った本である。本の表紙は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」であるが、特に、ルネサンス期の作品が多く取り上げられている。著者は、これらの芸術作品(主に絵画)や文献に込められた秘密を解き明かしていくのである。