k-lazaro’s note

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エーテル体とは ②

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レオナルド・ダ・ビンチ「ウィトルウィウス的人体図

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アグリッパのペンタグラム(五芒星形)
 

 さらにエーテル体について詳しく見ていきたい。以下、西川隆範氏の『シュタイナー用語辞典』から引用する。

 エーテル体は、「生命体・形成力体とも言う。物質器官を構築する力体である。」
 「エーテル体は、物質的身体をあらゆる側にわずかに超え出ている。」つまり、それを霊視すると、体の輪郭からわずかにはみ出して見えると言うことらしい。さらに「頭部に明るい光が浸透し、下部に行くほど曖昧になり、足の部分は物質的身体に似ていない。」よく幽霊は足が見えないと言うが、このことに関連しているのかもしれない。

 またエーテル体は流動するのが本来の性質のようで、「エーテル体は多数の流れからできており、主要な流れは、左足から額、右足、左手、右手へと5線星形になっている。」
 よく秘教的シンボルに、人体に星形を重ねたものがあるが、これに関連するのだろうか。原図に星形は無いものの、有名なレオナルド・ダ・ビンチによる人体のスケッチも、この伝統の中にあるのかもしれない。

 ちなみに、フレッド・ゲッティングズの『オカルトの事典』によれば、地、風、火、水の四大を統合する秘密のエーテリックの力が「第五の要素」であり、5という数字の数秘術的意味について、5は「生命の数」と呼ばれており、「それはペンタグラムと関連があり、・・宇宙の形成力、エーテリックの力と結びつけられる」としている。

 さて、宇宙のエーテル実質は宇宙から地上に流れ込み、数年後また宇宙にでていく。人の誕生とは、人の心魂が霊界から地上界に降り肉体に受肉することであるが、人はこの流れを利用して誕生し、死後は霊界に帰って行くという。誕生に際し、心魂はその過程でエーテル体をまとうこととなり、死後、エーテル体は身体から離れ、ついでアストラル体と自我から離れて拡大し、また宇宙のエーテルに溶解するという。ただ、人のエーテル体のすべてが解消されるのではない。自我が働きかけた部分、「エーテル体のエキス(死の直後における人生回想のエッセンス)は残り、来世の形姿を精神界で構築するために用いられる」のだ。
 この「死の直後における人生回想」というのが、よく臨死体験等で報告されている「人生の走馬灯」のことである。人は、死の直後に、それまでの全人生をパノラマのように一挙に見渡すこととなるのだ。それは人の記憶を保持するエーテル体が、身体を離れるからである。

 ところで、コロナ・ワクチンについて霊的観点から考察したトーマス・メイヤーThomas Mayerによると、このワクチンを打った後に死んだ人間を観察すると、エーテル体が固着して宇宙に融合していかず、人生を回顧することもできない、通常の死後の過程をたどることができない心魂があるそうである(”Corona Impfungen aus spiritueller Sicht”)。ワクチンは死後の生にも影響するという指摘である。
 また、シュタイナーによれば、男性のエーテル体は女性的、女性のそれは男性的だそうだ。これにより思い出されるのが、大本教で語られている言葉である。教祖の出口なお氏は「女性の肉体に男性の魂が宿った変性男子」、その後継者の出口王仁三郎氏は「男性の肉体に女性の魂が宿った変性女子」というのである。本来、魂には性別がないので、この場合の魂とはひょっとしてエーテル体のことかもしれない、と思うのである。