k-lazaro’s note

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ソラト 太陽の悪魔

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 前にシュタイナーの悪魔論として、アーリマンとルチファーという2種類の悪魔について触れた。シュタイナーによれば、アーリマンとルチファーは悪魔であるが、それらは人間の進化の中で一定の役割を担っているという。例えば、人間の知性はこれらの悪魔の働きと関係があるのである。
 このような意味では、これらの悪魔とはその付き合い方が問題なのであり、これらは両極端に進めようとする霊的存在なので、それらとの均衡を図ることが重要とされる。それが、キリストの力である。

 さて、今回紹介するのは、言わば第3の悪魔である。その名は「ソラト」という。シュタイナーによれば、それは、新約聖書ヨハネの黙示録にでてくる、2本の角の悪魔である。

 わたしはまた、ほかの獣が地から上って来るのを見た。それには小羊のような角が二つあって、龍のように物を言った。(13:11)
 この刻印のない者はみな、物を買うことも売ることもできないようにした。この刻印は、その獣の名、または、その名の数字のことである。ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は666である。(13:17-18)

 シュタイナーは、この666の数字について次のように解説している。
 666は、 400, 200, 6, 60.に分解できるが、これらの4つの数字は、ヘブライ文字のタウ、レシ、ヴァウ、サメクに対応している。ヘブライ語では、右から左に読むので、これを読むと「ソラト」となる。またこの悪魔の象徴文字は、上に示した2本の角を持った図のようになる、というのである。

    400,         200,         6,             60

    ת              ר              ו               ס

  タウ        レシ     ヴァウ    サメク

 この悪魔は、人類と地球の霊的進化に真っ向から反対するキリストの最大の敵対者であり、「太陽の悪魔」(同時に「地球の悪魔」でもある)と呼ばれる。

 ちなみに、フレッド・ゲッティングズは、『悪魔(デーモン)の事典』のなかで、シュタイナーのこの数字の解釈の他に次のようなもう一つの解釈を述べている。それは、「太陽のオカルト数(すなわち6)に、太陽の魔方陣の36分割における方陣の数字の合計(111)を乗じたものに由来する」と。

 また、人類は7つの領域を通って進化していくのだが、進化の道においてこれに加わらないものも存在する。それらがいくところは従って「第8領域」と呼ばれる。これは、言わば、地球の残滓、かすである(地獄と言うこともできるだろう)。アーリマンはここから人類に働きかけ、ソラトはそこに人類を縛り付けるという。利己主義や物質主義に堕し、黒魔術を行った者達が行き着くところである。ソラトは、地球自体をこのような状態にしたいのだろう。

 ソラトは、その様な目的のために、666年ごとに人類の歴史への介入を強めてきたという。つまり、西暦666年、1332年、そして1998年である。その影響はこの時の前後に及ぶものであり、1998年を軸とする前の期間には、ナチスの台頭と第2次世界大戦があった。では、後の期間である私たちが生きている現在、ソラトの影響はどこに見ることができるだろう?