k-lazaro’s note

人と世界の真の姿を探求するブログです。 基盤は人智学です。

地球は球体ではない ①

f:id:k-lazaro:20220105120206j:plain

ルドルフ・シュタイナー 「地球と月についての黒板絵」

 これまでシュタイナーの心臓や太陽に関する考えを述べてきた。それらは、現代の一般常識と異なるものであった。しかし、それを傍証する研究や発見も出てきており、何より心臓や太陽の実際の姿に常識との矛盾が見られるのも事実であることから、一概に否定できないということは言えるだろう。

 続いて、今回紹介するのは、地球に関する、シュタイナーの「非常識な」認識である(前のエピソードも未完成なのに新たな話題に移って恐縮だが)。

 これは、いくつかのサイトで「日本は地球の頂点」という表現で既に紹介されているようであるが、「地球は球体ではない」という主張である。
 それでは先ず、シュタイナーの言葉を直接引用しよう。以下は、西川隆範氏訳による『天地の未来 : 地震・火山・戦争』というシュタイナーの講演集による。

 ■シュタイナーの 1906年の講演『地震の深層』より

 地球は球体であり、球体として形成された、と言われています。しかし、地球が球体であるというのは正しくありません。地球は実際には、本来どのようなものか、説明しようと思います。地球が球体だというのは空想にすぎません。
 地球の形態を正しく思い描きましょう。四面体と呼ばれている形態です。
 三角形が四つあります。底辺に三角形があり、さらに三つ三角形があって、ピラミッド形になっています。三角形が四つ境を接しているのが四面体です。
 さて、これらの三角形の平面をいくらか湾曲させる、と考えてみてください。そうすると、やや異なってきます。丸くなりますが、まだ固定していません。直線だった三角形の辺は丸くなります。こうして、丸くなった四面体ができます。
 このように丸くなった四面体が、私たちの地球なのです。これは、ある程度まで確認できることです。地球四面体の縁を見出すこともできます。地球を平面図で描いてみましょう。
 北米・南米があり、その中間に中米があります。そしてアフリカがあり、ヨーロッパがあります。小アジアギリシア、イタリア、スペイン、フランス、つまりヨーロッパです。上にはスカンディナヴィア、イギリスがあります。それからアジアです。
 下に南極があります。南極のまわりには、たくさんの火山があります。上に北極があります。私たちは線を引くことができます。メキシコ南西部のコリマ山のあるアメリカ中央部から発して、アンデス山脈を通って、南極にいたる線です。地球の縁は丸くなっています。

f:id:k-lazaro:20220105121331j:plain



 つぎに、南極からアフリカを通って、コーカサスの火山にいたる線があります。それからスイスを通り、ライン川を越えていく線です。これらの線は三角形に見えます。この三角形が、四角形の底面に相当します。
 四面体の底面をことを考えてみてください。私たちは、どのようにして頂点にいたるでしょうか。地球の反対側に行かなければなりません。そうすると、頂点は日本です。四面体の底面の角に中央アメリカ、南極、コーカサスがあります。そして、頂点に日本があります。このように地球を思い描くと、宇宙のなかの湾曲したピラミッドのようです。
 頂点は日本です。

f:id:k-lazaro:20220105121426j:plain

(原図は上の写真)

 底面には、アフリカ、南米、太平洋の南部全体があります。このような湾曲した四面体、一種のピラミッドとして、地球は宇宙のなかに存在しています。これが地球のもともとの形です。

 四面体を形成するこれらの線をたどって追っていくと、これらの線に沿って火山があるのが分かります。
 チリなどにある南米の火山、南極の周囲にある火山について、みんさんは良く聞くことがあるでしょう。コーカサスには巨大な火山があります。
 『ヨーロッパには火山は多くない。しかし、かつて火山があり、それが死火山になったことを、いたるところで証明できる』と、いうことができます。シュレジエンの北からブレスアウへ向かうと、奇妙な弧峰があります。
 今日の人々は、この山を恐れています。この山の岩石を調べると、死火山があります。さきほどは底面のみを描きました。いたるところに、日本に向かう線があります。これらの線に沿って、地表に火山があります。いたるところに、日本に向かう線があります。これらの線に沿って、地表に火山があります。重要な火山を描いていくと、地球の形態ができあがる、ということができます。火山が線をなしており、それらの線が地球が四面体であることを示しています。(ここまで)

 地球はもともと四面体で、それが膨らんで球体となった。その四面体の縁は、稜線のように火山帯を構成している。それらの線は日本に集中しており、日本は地球の頂点と言える、ということであろう。
 ちなみに、シュタイナーのこの考えをブログで紹介している In Deep さん(上と下の図も In Deepさんより)は、シュタイナーの言う線が、アフリカの大地溝帯を通っていると指摘している。大地溝帯とは、アフリカ南部から、中東のイスラエルまで続く巨大な断層で、将来的にはこの地溝帯により分断されると地質学的に考えられている場所だという。21世紀に、大地溝帯でアフリカ大陸が分断されるという学説が誕生する何年も前に、大地溝帯に沿って「シュタイナーの『地球の縁』としての線が引かれている」のである。

f:id:k-lazaro:20220105140623j:plain

 地球の生成について、「現在最も有力な説は、原始惑星系円盤でガスや宇宙塵が膠着して微惑星が形成され、さらにこれらが衝突を繰り返しながら成長し原始惑星を経て惑星が形成されたというモデルである」(ウィキペディア)から、当然ながらシュタイナーの考えはこれと全く相容れない。
 現代科学の常識は、広大な宇宙空間の中で、そこに存在した物質から、「たまたま」太陽系や地球が誕生したとするものだが、シュタイナー、あるいは神秘学の考えでは、地球の誕生は、神々の計画に基づく必然である。そこで人間を始めとする諸生物が(それに関わる霊的存在達も含め)進化の道を歩む場所として造られたのである。それはまさに聖書の「創世記」や世界中の神話が語っていることである。
 そうであるなら、その創造にも何らかの法則をみることができるのではなかろうか。プラトンは、「神は常に幾何学する」と述べたそうである。必然により誕生した地球の構造は、必然の法則、例えば幾何学に基づいているのではなかろうか。
 プラトンは、プラトン立体(正多面体である正四面体、正六面体(立方体)、正八面体、正十二面体、正二十面体)を、エーテルを含む5元素と関連付けていたが、ケプラーは、プラトン立体が宇宙の構造の基本であると考え、各惑星の軌道をそれにより説明している。このようなことも、宇宙や地球と幾何学との間に神秘的な関係があるという認識があったからこそである。
 では、現在の知見の中に、幾何学と地球の構造との隠れた関係を確認できるものは存在するだろうか。このようなことは現代科学の目では論外であり、その様な科学的研究は存在しないだろう。シュタイナーの地球の四面体説を火山の位置が示唆しているとはいえ、それを証明するのは難しい。

 しかし、ここに新たな視点から挑戦した者がいる。「心臓はポンプではない」の記事に出てきたフランク・チェスター氏である。例のチェスタヘドロンがこの「シュタイナーの地球四面体説」にも関連しているようなのである。

 これについては、次回に譲ることにしよう。