k-lazaro’s note

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心臓はポンプではない ⑦

 

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「心臓はポンプではない」という説を巡り、トマス・コーワン博士の『人間の心臓、宇宙の心臓』を紹介してきたが、今回は、その続きである。この本で言えば第11章にあたる。内容は本題からはずれるが、興味深い論説なのでここに紹介したい。

 

黄金の心臓

 不健康の最大の要因が貧困であることは知られている。

 Weston A Princeは、世界中のコミュニティや文化の、民俗学的な栄養学的調査を行った。彼は、砂糖と加工食品をとる割合が低いほど、住民の健康度が高いことを発見した。彼らは、お金がないにしても、貧困の中に生きているのでも不健康なのでもない。これは、不健康や病気の真のリスク要因は、生活上の基礎的な必要物を取得するのに、また社会的そして物質的毒が蔓延する状態を避けるために、お金が必要な社会において、お金をあまりもっていないということであることを示唆している。

現代社会で蔓延する病気の原因には、生活・労働上のストレスや環境や食物中の有害な物質などがある。貧困な者は、ジャンクフードに頼らざる得ないなど、貧困故にそれらを避けることが難しいのだ。トマス・コーワン博士は、別の本で加工食品の問題も指摘している。

 金(黄金)は、数千年の間お金として用いられ、権力のシンボルであった。金がお金との関係を断ち切られたのは、1973年のニクソン・ショック以来である。多くの人は、金とお金の関係が長く続いたのは、金が希少で容易に分割できるからと思っているが、私はそれ以上のことがあると思っている。
 ファラオや王は、自分の権力や神性なものとの関係を示すために金を用いた。
 今や、お金は、政府により造られ、何ものにも、金にさえも関係がない。このように造られるお金は、完全に想像上のものである。

 これとは別に、金には、宇宙的側面がある。

 心臓や循環系には、意味のあるほどの量の金は存在しないとされる。金は、血液にごく微量見いだされるのだが、それに生理学、病理学的に意味があると唱える者はいない。金は、腐敗せず、酸化しない。また超伝導にはならない。しかし、錬金術師がそれを求めたように、人間に重要な意味を持っている、黄金の「純粋な」形式があると主張する者達がいる。
 黄金のこの形は、Orbitally Rearranged Monoatmic(電子軌道で再配列された単原子)(ORMEあるいは ORMUS)と呼ばれる。ORMEは、金、銀、プラチナで起きる形状の変化を表している。金においては、電子が原子核の周りを回りながら、他の原子と結合することができる。結果して、塩化した金のような混合物となる。渦を形成する状態においては、しかし、原子は、その電子を引き戻し、ハイスピードの圧縮された形状をとる。この形状では、他の元素と混合物を形成することは不可能となる。フィギュアスケーターがより早いスピンを得るために腕を縮めるように、原子が早く回転するほど、電子は原子核の方に引っ張られる。この状態の元素は、二つないし三つで形成されるが、単原子と呼ばれ、他の元素と結合しないので、エレメンタールelementalと呼ばれる。

 銀と金の混合物のワイアーは、最も良く伝導するものの中に入るのだが、ORMEは、もはや熱や電気を伝えない。また、それは重さが変わってくる。軽くなるのである。さらにORME元素は、熱や電気を通さないが、一種の超伝導体で、光速で様々な「インパルス」を伝える能力がある。摩擦を劇的に減少させ、それにより伝達に必要なエネルギーも減少させ、伝える速度を劇的に上げるのである。最も驚くべきことは、それが、分光測光器のような一般的な原子測定器で計測できないことである。これらの測定器は、元素と器機の相互作用に基づくからである。ORME元素は、他の元素と影響し合うことがないのである。

 神経の作用については、次のように一般的に説明される。神経は、長く細い(親水性の)神経細胞シナプス)の束よりなる。神経細胞は、シナプスで終わる軸索突起として知られる突起をとおる電気及び化学信号により情報を伝える。電気化学的な神経インパルスは、ゴムに包まれた銅線のように、ミエリンと呼ばれる脂質のコートにより保護されている軸索突起の内部を運ばれる。セロトニンドーパミンのような神経伝達物質により・・・
 神経は、最終的に筋肉のような目的地にたどり着き、それを「点火」し、運動のような計画された行動に終わる。

 この説明は一見よくできている。しかし次のことをしてみよう。2本の人差し指を顔の前に掲げ、パートナーに、右か左と言ってもらう。それを聞いたら、その指をすぐぴくっと動かすのである。聞いてからそれにかかる時間は、ほぼ瞬間である。
 人の口から音波が鼓膜に達し、このインパルスが、カルシウムとマグネシウムの変動により神経を伝わっていき、「濠」に達して、神経伝達物質を放出し、それが濠を泳いでいき、適当な場所で留まり、次の化学的偏りの消去をセットする、その時間が、1秒の100分の1、あるいはほぼ瞬時と言うことが信じられるだろうか。
 10から20の神経伝達物質に従ってインパルスが脳に到達し、しばらく脳内を旋回した後、運動神経に出ていき、ついに、指に達して、その多くの筋肉の動きを同時に調整するのである。しかし、私たちの経験では、それは一瞬である。そのプロセスはあまりにも早すぎるし、うまく調整されているのだ。そこには、神経伝達物質やカルシウムのフローの他の何かが働いているはずである。
 生命現象で体験することは、古いニュートン的なビリヤートボール型の説明では、適切に説明できなのである。

 物理学の概念を借りると、人は、その基礎に電子の瞬間流動がある、量子コヒーレンス有機体であるようにみえる。それで、人の声に反応して、ほとんど瞬時に体中に現象が生じるのである。瞬時に筋肉を調整するこの能力がなければ、生命は存在し得ない。神経学者達が焦点を置いている化学的現象は、この結果である。

コヒーレンスcoherenceとは、波の持つ性質の一つで、位相の揃い具合を意味するが、英語には「首尾一貫している」という意味があり、ここでも「物事がかみ合って調和がとれている状態」というような意味であろう。

 従来の医学が無力なのは、この原因と結果(痕跡)を取り違えているからである。本来の原因を扱っていないのだ。

 この量子的結合現象は、神経の中でどのように生じるのだろうか?まず、軸索突起は、構造水を内側に造るのに適している親水性のチューブである。構造水は電荷を生み、運動を起こす。電子は、途方もない距離でも瞬時にインパルスを送る。循環系と同じように、構造水と電子の流れは、神経伝達の背後にある力であり、その通った後に化学的痕跡を残すのである。

 しかし生物は、電気的インパルスのデバイス以上のものである。私は、生命と呼ばれるもの-シュタイナーがエーテル体と呼んだもの-は、化学的物質の、量子コヒーレンス超伝導現象への変容であると信じている。生命は、常に、その部分の総和以上のものである。また生命は、その部分部分に還元すると生命ではない。病気の効果的治療ができない理由は、生命を非生命から区別する適性は基礎がないことである。人間は、コヒーレントで、電荷をもち、光に満ちた存在である。また病気、健康、命というのは、名詞ではなく動詞であり、ダイナミックなプロセス、常に流動し交換(入れ替わる)するものである。

※上は、シュタイナーの言う「エーテル」についてのコーワン博士流の解釈であるが、エーテルについは、人智学派内で様々に議論されており、コーワン博士の解釈がすべてではない。物質世界を生み出し支えている実質であり、そこには広大な世界が広がっている。

 超伝導の物質はどこから来るのか? 金は、最も突出した重要なORME元素であり、そしておそらく、世界中で、賢人、錬金術師、霊的探求者が求めてきたものである。それは、それがなければ神経伝達と生命自体が成り立たない、第一の超伝導マトリックス(母体)、黄金の宇宙的形である。
 地上的黄金を宇宙的黄金に変換する最も効果的な方法は、それを光速の渦の中に入れることである。渦のスピンが早いほど、中央は温度が下がる。それは、一般的に、あるものが早く動くほど、それは暖かくなるので、物質の通常のふるまいをゆるさない。この光速の渦を、心臓のチェスタヘドロンの形が生み出すのである。黄金の心臓は、地上的元素を宇宙の黄金に変容し、それにより生命の基盤を与えるという、ユニークな能力に関係しているのだろうか?

 以上が「黄金の心臓」の章である。体内にごく微量に存在する金が、実は大変重要な役割を担っており、それは心臓と関連しているようなのである。

 ところで、ORMEは ORMUSオームスとも呼ばれるが、こちらでネットを探ってみると、また色々な情報が出てくる。
 例えば、「オームスは、"ハイスピン" 金属原子のことで、主に金や銀プラチナの中にも含まれています。白い極微細なパウダー状態となるため「ホワイトゴールドパウダー」とも呼ばれています。・・・ オームスが高濃度で摂取すると、物事や願望を現実化させる速度を上げたり、健康とエネルギーの増加、人間関係の向上、直観力の向上、良質な睡眠、松果体の活性化、迅速な、DNAの修復の可能性を持つ」などとある。また重力を軽減する、古代の賢人達はこのような性質を理解し、活用していたというというような話もあるようである。
 神秘学的には、金は太陽の金属である。やはり金、太陽、心臓は関連があるようだ。