k-lazaro’s note

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古代メキシコの秘密とアメリカ②

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シュタイナーによる「ゴルゴタの丘」の絵

 「古代メキシコの秘密とアメリカ 」の後半である。

 キリストが地上に出現しゴルゴタの出来事が起きた頃、遠く離れたアメリカ大陸では、黒魔術師と太陽(キリスト)の秘儀参入者の霊的な戦いが起きていた。

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 一つの大陸で起きたことが、遠いところであっても、人類全体に意味があると言うことは、偉大な秘儀参入者が黒魔術師と行なった強烈で決定的な戦いを思い浮かべれば、理解できる。それは3年間続いた。即ち30年から33年まで。

 それは、ヨルダン川洗礼からゴルゴタの出来事の、キリスト存在が地上に滞在した時間である。キリストがゴルゴタで死を克服した[復活した]とき、太陽の秘儀参入者、シュタイナーのいう「人間の形をした太陽存在」が黒魔術師を十字架に掛けたのである。それにより、魔術師の、アーリマンの力は失われた。「キリストの行為と対抗する霊的力」の講演で、シュタイナーは、次のように述べている。「ゴルゴタの出来事以来、ゴルゴタに傷口から血が流れた時、キリストがあの世、影の王国[黄泉の国]に現れ、アーリマンを鎖につないだというのは、単なるイメージ的な言い回し以上のものである。アーリマンの影響が残り、基本的に、人の物質主義的思考の起源がそこにあるとしても、この影響は、人がゴルゴタの出来事を自身に受け入れることによってのみ麻痺させることができる。この出来事は、再び霊的神的世界に入っていくために、人がそこから力を得るものとなったのである。」

※聖書に直接的な記述はないが、伝承の中で、キリストが磔刑により死んだ後、地下にある死者達の国(地獄、黄泉、陰府)を訪れ、サタンに囚われていた死者達を救済したという信仰がある。シュタイナーによれば、それは実際に起きたことなのである。

 アーリマン的秘儀参入者の克服は、パレスチナにおけるキリストの出来事と一致して起きている。キリストが地上の3年間に発展させた力が、それと自分の行為を調和させるため、ゴルゴタの出来事を[霊視により]眼前に見た太陽の秘儀参入者に流れ込んだことが想像できる。彼が黒魔術師を打ち破ることができるようにしたその力は、黒魔術師の勝利により生じたかもしれない暗闇がヨーロッパを襲うことを防いだ。アーリマンの働きは引き続き弱められ、アメリカに-それが影響力をまだ保持できる限り-押し止められたことにより、第4後アトランティス時代は正しく発展し、第5の後アトランティス時代も始まることができたのである。アーリマンは、彼が働くことが許される場所、地球の内部と無生物の世界をあてがわれた。

※アーリマンに許された地球の内部とは、いわゆる地獄である。シュタイナーは、地球内部(地殻の更に先)はいくつかの層になっており、悪の衝動も含め、そこから地上に様々な影響が及んでいるとする。


 ゴルゴタの出来事が有るにもかかわらず、なぜアメリカでアーリマン的力の克服が必要であったのだろうか? パレスチナにおける出来事で十分ではなかったのか? そこには、黒魔術師の克服以上に重要なことがあったのかもしれない。それは、太陽の秘儀参入者が、魔術師に勝利することにより、キリストの力を直接アメリカ大陸に植え付けることができたと言うことである

 西方[アメリカ大陸]では、地球の内部から、アーリマン的、エレメンタル的力が、地球の他の地域よりも強く昇ってきている。アーリマン的力の活動に関連する事実を考えてみると良い。シュタイナーは、次のように語っている。「現代人は、魂の中で・・弱い反応をもっているだけである・・感覚以下の自然の中で沸き起こり動いているものは、時に、せいぜい夢の中の驚くようなイメージで現れるが、何が起きているかを、人は知らないのだ。」人の感覚以下の自然で起きていることを知るには、イメージが必要である。「現代人が魂の中で体験するものは、火山の大地で体験する世界と比較できる。それは静かなようにも見えるが、紙に火を付けることができる。いたるところで煙が昇っているのだ。この煙の中に、またその下で湧き上がりたぎっているものを見ると、どのような大地に立っているかがわかる。」黙示録でも、アンチキリストである2本の角の獣は、「大地」から立ち上がってくる。

   西方においてそれが強力なのは、恐ろしいアーリマンの密儀が関係している。ひょっとしたら、アメリカでは、太陽の秘儀参入者の行いがなかったら、アーリマン的力の攻撃から救出されることはできなかったかもしれない。それは、西方が、全人類に対してどのような使命を持っているのかという問いに導く。上で述べた講演で、ローマ帝国へのアーリマン的力の攻撃が語られている。それは、人々や民族を国家マシンの歯車とする国家組織を造り出す初めての試みであった。「アーリマン的力は、ローマ帝国を通して、全く盲目的な従順さとローマ帝国への服従にある硬直した状態を地上に造り出すことに向けられた。」「人間のすべての活動が把握され、それは、厳しい中央集権と権力の行使によりローマから指示されるものとなる、そのような国家が成立しなければならなかった。」このアーリマン的力の中心的な努力を地上に固定することが重要である。ローマ帝国の没落後に、ローマの霊が、幽霊のように働き続け、ローマにおいて実現しなかったものを世界において成し遂げる試みををしているからである。それは、再び受肉しようとしている。それは、第1次世界大戦と第2次世界大戦の間に見られなかっただろうか?この試みは、一層強く行なわれてきている。ローマでは、ローマ市民の自然な自意識がこれに反抗し、造られたすべてのものが民族移動により破壊されたからである。シュタイナーは、ローマの国家について次の様にまとめている。「ローマの歴史は、アーリマン的力の啓示のようなものではない。それは背後にあるが、ローマの歴史は、アーリマン的力との戦いである。」西洋においても同様である。

 シュタイナーは、アメリカの発見、あるいは再発見について述べている。それには、モンゴルのヨーロッパへの侵攻が先行している。アジアでも「大いなる霊」の子孫が活動していたが、それは、ルチファー的性格を持っていた。そこでは、秘儀を伝授された強力な祭司がおり、彼は、チンギスハンを、自分の目的のための道具として使ったのである。モンゴルは、すべてを荒廃させながら、ロシアをとおり中欧ヨーロッパまで達し、リークニッツに至るが、驚くことに、そこでの勝利の後、引き返し初めたのである。しかし、ルチファー的「大いなる霊」は、モンゴルが引き揚げても、そのルチファー的イメージと力をヨーロッパに送り込み、浸透させることができたのである。

 アメリカ大陸の発見は、ヨーロッパの、このルチファー的な大きな誘惑に対して、地球的な釣り合いを造り出すために、[霊界の]世界指導のもとに行なわれたのである。二つの潮流が合流することにより、中欧ヨーロッパで、中心で発展すべきものが生じた。シュタイナーは、語る。「私は、今日、アメリカの発見をアーリマンの行いだとしたのではない。その反対を語ったのだ。それはなされなければならなかった。世界の前進にはすべてが必要である。ただそこに、アーリマン的力が混入するのだ。」アメリカを見るときにも、霊的な世界関連において意味のあるものと、それに対抗するアーリマン的存在を区別しなければならない。シュタイナーによってローマについて語られたことは、アメリカにも当てはまる。

 この大陸では、アーリマン的力だけが働いていたのではない。ゴルゴタの秘儀の死を克服した再生[復活]の力も働いていたのである。しかし、それによってアーリマンの力は打ち破ることができなかった。それは、常に、ゴルゴタの出来事に多くの人々が気づかないようにしようとしている。我々の時代、我々は、その最も強力で決定的な攻撃の前に立っている。キリストがエーテル界で意識の死に苦しむとき-それは、次第に、人間の意識でキリストの光溢れる復活へと至る-、対抗するアーリマンも、強烈な攻撃を準備する。我々の時代、人類の発展がゴルゴタの出来事の意味で前進することができるか、あるいはアーリマンがそれに方向性を与えるかの岐路にある。この逆襲が由来する中心は、アメリカになるだろう。この土地で、アーリマン的力は長い間準備してきた。それは、その影響を西方にのみとどめようとはせず。全地球、特に、新しい霊的認識が開かれる中欧に及ぼそうとしている。

 “一人の“人間-それが黒魔術師の秘儀参入者で、その背後にアーリマン的力があったとしても-の行いが既に、上に述べたような結果をもたらしたとしたなら、アーリマン自身が地上でこの攻撃を行えるようになったなら、より大きく甚大な結果をもたらすことは疑いえない。15世紀以来、アーリマンは、アメリカ大陸での到来を準備してきた。それが、そこで、人々が、アーリマン存在の意図を知り、それがそれをどのように実現しようとしているかを意識するために、多くのことをなし得る理由でもある。その様な意識化は、単なる思考上に留まるものではなく、我々の時代になし得る最も現実的なものである。メキシコで黒魔術師に打ち勝った太陽の秘儀参入者は、援助を与えながら、真剣に、そのような意識化を見つめていると考えられないだろうか? 人類の前に迫っていることは、シュタイナーの次の言葉により示されている。「来る時代には、意識魂-それまは、意識魂に自我が現れるので、自我にと言うことでもあるーに、アスラと呼ばれる霊的存在が忍び入ってくる。アスラは、アトランティス時代のサタンや、レムリア時代のルチファー的霊よりも強烈な力で悪を展開するだろう。」

※アスラは東洋で言う阿修羅であり、他の悪魔と同様に、本来は天使(霊的ヒエラルキー)であったが、進化の道を踏み外して、人類の進化に対抗する霊的存在となった。特に人間の自我に攻撃し、その活動は今後強まっていくとされる。

 時代の転換期に、霊界は、アメリカに迫り来るアーリマンの密儀の結果を可能な限りそらすために、太陽から秘儀参入者を西方に送った。ローマ帝国では、人々が、無意識、本能的に、国家マシンができるのを防いだ。我々の意識魂の時代には、完全に意識的に協働しなければならない。シュタイナーは、次のように語っている。「15世紀以来、人々が完全な意識的力を持たなければならない時代になっている。アーリマンの受肉が迫っているときに、この出来事に、完全な意識を持って向き合うことがまさに重要である。ルチファーの受肉は、密儀の祭司の予言的力によってのみ見通すことができた。ゴルゴタの出来事によるキリストの受肉も、人間には意識されなかった。人類は、アーリマンの受肉を、物質世界に現れてくるであろう衝撃と共に、意識的に向き合い体験しなければならない

・・・次の文明発展のための人類の使命は、アーリマンの受肉が、より高次の霊的、精神的発展を促進する上で、人類に役立つようにそれを完全に意識して向き合うことである。」

 その様な可能性を眼前にするだけで、すべての霊的に努力する人間は、無限の励ましを得るのだ。アーリマンの受肉は阻止できないが、我々の時代の、アーリマンの受肉とキリストのエーテル界での再臨に関連する出来事を完全に意識することにより、人は、極めて決定的なことをなし得る新しい世紀[21世紀]に発展がどのようなコースを取るかは、人間にかかっている。人は、内面のより明瞭な意識を求める努力により、キリストに貫かれたミカエル的天使を呼び寄せることができるのだ

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 コロナに続くウクライナ危機により世界情勢は、一層黙示録的様相を強めているように見える。こうした世界の現在の危機を作り出している主な勢力は、欧米に存在しているようである。やはりそれは、来るべきアーリマンの受肉を準備するものなのだろうか?

 コロナといいウクライナ危機といい、一方的な情報が「真実」のように流されている。また人々は、そうした情報を無批判に受け入れている。情報を送り出す側も受け取る側も、何かに憑依されているのだろうか?