k-lazaro’s note

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シンクホールの出現の意味するもの

チリに出現したシンクホール

 最近、チリでシンクホールが出現したというニュースが流れた。シンクホールと

は、ようするに地表に突然できた巨大な穴で、直径が数十メートルに達するものもある。地質学的には、ドリーネと呼ばれ、石灰岩質のカルスト地形で、水による浸食で地中に空洞ができ、天井部が陥没してできると説明されている。

 ただ実際には、カルスト地形以外でもシンクホールが出現しており、その形成の原因は他にもあるのだろうと思われる。

 今回のチリのそれは、アタカマ砂漠の銅鉱山地帯でできたものなので、鉱山の採掘と何らかの関係がある可能性があるが、まだ原因は特定されていない(8月4日現在)。

 日本でも2016年に福岡県の博多の街中で出現しており、これは多くの人の記憶にまだ残っているだろう。このシンクホールを含めて「In Deep」さんが、ブログに記事を載せているのだが、この記事の冒頭の部分に、シュタイナーが出てくる。シュタイナーの例の「地球の頂点は日本」という概念から、世界と日本の照応関係について触れているのだが、私は別の観点から、シュタイナーの話したこととの関連を考えている。今回は、これについて論じたい。

 

 シュタイナーによれば、地球は、人間のように輪廻転生してきた。最初のその状態は、古土星と呼ばれている。当時は、今のような物質的な地球ではなく、原初の熱(現在の物理世界での熱とは異なる)の状態であった。現在の物質的地球は、その後、古太陽期、古月期を経て、現在の地球期に出現したのである。

 そして、地球期においても地球は変化してきている。地球は1つの有機体である。そして全ての生命がそうであるように、地球も、誕生・成長・衰退・死滅のサイクルを経るのである。現在の地球の表面に見られる鉱物世界は、その意味では、死滅した地球有機体の残骸なのである。このことは、「岩石と鉱物は生あるものから生まれてきた」で触れている。

 これに関連するシュタイナーの講演から次に引用する。

 現在の地球の進化には、オカルト科学で一般的に説明されている主要なエポック、すなわち第一期と第二期、レムリア時代、アトランティス時代、アトランティス時代以降の私たちの時代、そしてその後に続く二つの時代に区別する必要がある。アトランティス時代は、地球と人類の両方がその中間点に達していたと言えるだろう。それまでは、すべてが成長と発展であった。しかし、アトランティス時代以降、いくつかの点でこのようなことはなくなった。地球に関して言えば、確実にもはやそのようなことはない。私は何度もこのことを述べているが、今日、私たちが土の上を歩くとき、私たちは崩れ落ちつつあるものの上を歩いているのだ。アトランティス時代の中頃までは、地球はもっと成長し、芽を出す有機体だったのである。そして、その時に初めて、今日のような割れ目や亀裂のある岩石が発達したのである。このことは、今日の人智学の世界だけでなく、広く知られていることだ。エドアルト・ジュースの優れた科学的著作『地球の顔』には、現在の地球の破壊、粉砕についての優れた記述がある。 スースは、鉱物、岩石、地表と地中に見られるさまざまな地層の特性、および地上の領域に存在する有機生命体の特性を概説し、広い筆致で現在の地球の外形、いわば地球の顔を示している。そして、科学的な事実に基づいて、地球は腐敗し、崩れ去っているという結論に達した。(闇の精霊の堕落 GA 177 5. 人類の霊的構成の変化 1917年10月7日、ドルナッハ)

あるいは、

 霊的科学によれば、地球は、土壌を形成している鉱物界がまだ再生の力、建設の力を含んでいる時点をはるかに超えて進化しているのである花崗岩、片麻岩、片岩、そして私たちの畑の土に至るまで、これらすべては絶え間ない破壊の過程にある。私たちは、新しい形成力を秘めた土の上を歩くのではなく、地球が進化の中間点を過ぎたために、すでに分解され、破壊の過程にある土の上を歩いているのだ。私たち自身の進化は、地球の進化と完全に一致している。私たちの身体は徐々に衰えているが、それは克服できるものだ。しかし、土の中には破壊のプロセスに関与しているものがあるのである。谷や山は、地殻が崩れてできたものです。霊的科学は、私たちは崩れつつある地球の上を移動しているのだと教えてくれる。山に登るとき、私たちはここで何かが崩れ、分裂し、先に進む発展過程がないことに気づかなければならない。アトランティス時代の半ば以降、私たちは地球の進化の中間地点を超えてしまった。それ以来、私たちは、崩れつつあり、いつか死体のように崩れ去る地球の上に生きてきたのだ

 秘教の時代区分はすべてそうなのだが、時代は7つに分かれている。地球期も、過去の非物質的な時代を繰り返した後、物質的時代に入るのだが、この時代もまた、大きなエポックとして7つの時代に分かれる。この時代区分に寄れば、4番目の時代が中間点、折り返し点となる。この場合は、アトランティス時代である。それまでは、地球は、生きた有機体として発展してきたが、それ以降は、崩壊の過程に入っているというのだ。

 ここで出てくる、Eduard Suessエドアルト・ジュース (1831 年 8 月 20 日、イギリス、ロンドンで生まれ、1914 年 4 月 26 日、ウィーン、オーストリアで死亡) は、現代の地質学のパイオニアで、古地理学とテクトニクスの基礎を築くのに貢献したという。ゴンドワナ大陸の名付け親でもある。

 なお、シュタイナーは、講演の中で、彼の次の言葉を引用している。「... 地球の崩壊は、私たちが目撃しているものです。確かに、それはずっと前に始まっていた。だから、人間の寿命の短さが、私たちに元気を与えてくれる。」つまり、既に地球は崩壊してから長い時間が経っており、やがて完全に崩壊してしまうだろうが、人類は寿命が短いので、それまで生きていないだろう、ということだろうか。

 しかし、そうではない。地球は人類の進化のステージであり、人類の進化と共にある。むしろ人類の進化にあわせて姿を変えるのである。物質的死は、霊的誕生とも言える。人類は、物質化してきたが、今後は、再度、霊化し、霊界へと上昇していくこととなる。地球はそれを支えるために、同じように変化していくのである。

 この地球の物質的崩壊の1つの徴候が、ひょっとしてシンクホールではないかと思うのである。

 火山活動や地震などの破壊的な地質現象の原因は、悪の霊的衝動に結びついた人間(死者を含む)の魂的霊的活動に求められるが、シンクホールは、そのようなものとは異なるように見える。
 地球の鉱物界は人間でいえば硬い骨のようなものだとすると、年を経ると人の骨の密度が低下するように、地球の鉱物界も密度を減らしていくのではなかろうか。シンクホールは、その様な現象とは言えないだろうか?