k-lazaro’s note

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ドゥーギン氏の娘が暗殺される その狙いは?

ドゥーギン氏と娘ダーリアさん

 昨日ショッキングなニュースが入ったので(今日、大手マスコミでも報道されているようだ)、これについて紹介したい。
 このブログで、ウクライナ問題の関係で、プーチン大統領に影響を与えているというロシアの思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏(60)を紹介したことがある。そのドゥーギン氏の娘ダーリアさん(29)が、20日夜、モスクワ郊外で自動車爆弾で殺害されたというのである。欧米だけでなく、日本を含むアジアでも報道されており、世界的なニュースとなっている。

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 ドゥーギン氏とダーリアさんは文学と音楽の祭典に参加した後、自宅に帰る途中で、当初、ドゥーギン氏は、爆破されたダーリアさんと一緒に同じ車に乗る予定だったが、直前になって別の車に乗ることになったようである。こうした状況からすると、明らかにこれは、ドゥーギン氏を狙ったものであろう。許されない卑劣な行為である。

 実際、上の記事によると「ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派指導者デニス・プシーリン氏は、ウクライナ政権のテロリストがドゥーギン氏を暗殺しようとし、娘を爆死させたと非難している。親ロシア派のSNSには、ウクライナが爆発の原因だと非難する声が多く寄せられ、ロシア国民に「復讐」を呼びかける投稿も相次いでいるという。」
 欧米では、ドゥーギン氏がウクライナ侵攻を背後で導いたと認識されているようで、欧米の報道を見ると、ドゥーギン氏を、「プーチンのブレイン」と呼んでいる。そしてドゥーギン氏を「右翼」、「超国家主義者」さらには「ファシスト」であるともしている。
 確かに、私も、彼は保守的であるとは思うが、ナチスのようなファシストではないとも思っている。そういうなら、今の欧米の指導者の方が、よっぽど独裁的であろう。プーチンに対すると同じように、過剰にドゥーギン氏を悪魔化していると言えるだろう。
 ドゥーギン氏のプーチンに対する影響だが、これには、過大視されているとする意見もあるようだが、世界から注視されていたことは間違いないようだ。ただ、ドゥーギン氏の親ユーラシア主義を、欧米の報道は「ロシアの覇権を拡大する考え」と表現しているようで、いわゆる「ロシアの覇権主義」の悪宣伝に利用されている可能性もあるだろう。

 暗殺の実行者とその理由であるが、これは今の段階ではなんとも言えない。ウクライナやその背後にいる欧米の特殊機関等、あるいはロシア国内の反対派等色々考えられるだろう。しかし、その理由は何であろう?
 爆殺ということは、個人的な反抗とは思われない。実行者は、何らかの専門的な組織であろう。ウクライナ東部ドネツク州の指導者の言うように、ウクライナ関係の組織だろうか。しかし、まさかドゥーギン氏を殺害すれば、ロシアの侵攻が止まるとか、攻撃が弱まるとは思われない。上の記事のように、逆にロシア国民を刺激するだけである。
 欧米の特殊機関なら、むしろロシアの攻撃を更に拡大させ、ウクライナ(実際はアメリカ・NATO)との果てしない消耗戦にロシアを導きたいとい
うことであろうか。

 他方で、ウクライナのサボリージャ原発への攻撃も続いている。日本の報道によると、「ロシアが原発を占拠している」としつつ、「ロシアとウクライナが双方で、相手が攻撃していると主張している」として、どちらが実際に攻撃しているかには触れない。どう考えても、自分が占拠している場所を自分で攻撃するわけがないので、ウクライナの攻撃である可能性の方が高いに決まっている。
 この攻撃は極めて危険である。下手をするとチェルノブイリの二の舞だからである(ロシアはそれをおそれて最初にウクライナ原発を占拠したのである)。ウクライナは、ロシアを撤退させるために、ロシアとぎりぎりのチキンレースをしているのだろうか。あるいは、ロシア支配地域でのウクライナからの独立を巡る住民投票が予定されているので、それを阻止するために、むしろ実際に原発事故を起こそうとしているのだろうか。
 しかし、西ウクライナにも多大な被害が及ぶはずであり、もしそうであれば、それはあまりにも愚かな行為である。実際にその様な判断をするのかと考えると、大きな疑問ではある。だが、ウクライナ政府は英米の言いなりである。事故による放射能汚染は当然他のヨーロッパ諸国にも及ぶが、英米にはそれほどではないだろう。ヨーロッパ諸国は、ロシアへの制裁でむしろ苦境に陥っており、それがまた米英の隠れた狙いではないかという分析もあるので、これも、その延長にあるのだろうか。
 また実は、原発攻撃には別の狙いも指摘されている。ロシアを犯人とするウクライナが、ロシアの攻撃は「ウクライナに対して戦術核を使用するための偽旗の口実を作る」ために行なっていると主張し始めているというのである。

halturnerradioshow.com

 そしてその裏には、NATOが、ヨーロッパ諸国への放射能汚染を理由に、つまり実質的なロシアの攻撃がNTO諸国にあったとして、集団的自衛権を行使し、ロシアと開戦する狙いがあるというのである。
 もし本当なら、極めて危険かつ愚かなことである。しかし、コロナの対応や、ロシアへの制裁により逆に自国民の苦しみを生み出すことを厭わない欧米諸国の為政者達の姿を見るとき、確かに異常ではあるが、それが今日においてはありうる話であると思わせるのだ。

 話を今回の暗殺に戻すと、これにより、ウクライナ問題が一層泥沼化するおそれがあるのだが、原発の問題も含めて考えると、先ず徹底的にロシアを弱体化させ、さらにはヨーロッパ全体の破局をも視野に入れた狙いが、一連の動きの背後にあると考えるべきだろうか。

 シュタイナー流に、表に現われた歴史の背後にある霊的原動力を考えるなら、これが、現在のアングロサクソン主流の文明期の次の文明期を巡る戦いであるとすると、最終的には、アングロサクソン文明が残るなら、他の民族がどうなろうとかまわないと、影のブラザーフッドは考えているのだろうか?
 しかし、西にあるように東にもブラザーフッドは存在するようだ。今回、ドゥーギン氏は、「偶然」によって命を救われた。しかし、これは本当にただの偶然なのだろうか?危機において、何らかのインスピレーションが与えられた結果であることは間違いないだろう。
 舞台の裏では、オカルティスト達の戦いが行なわれているのではなかろうか、とも思うのである。