k-lazaro’s note

人と世界の真の姿を探求するブログです。 基盤は人智学です。

第3次世界大変の到来か?

  

  21日のウクライナへの一部兵員動員に関するプーチンの国民向け演説で世界が揺れている。西側及び日本のマスコミ、専門家は、ウクライナの攻勢を受けてやむなくプーチンが決断した、ロシアでは反戦が盛り上がってきており、プーチンの足下が揺らいでいるなどと宣伝しているが、これらの主張は、実態には即していないようだ。ウクライナの攻勢は、実際は宣伝されているほどではないのである。
 ロシア派の地域はロシアへの帰属を巡る住民投票を予定しており、それを含めて今後の事態に対応したものであろう。
 ロシアへの編入が決まれば、その地域はロシア国内となり、ウクライナNATOのこの地域に対する攻撃は、ロシアへの攻撃となり、状況は全く変わってくるという。
 その意味では、確かにロシアは西側に追い込まれたのだが、それは、あくまでもロシアの弱体化を進めるため、ウクライナのロシアとの和平交渉を許さず、ウクライナに物的人的支援を行い、戦闘を継続させてきた英米の狙いのせいである。ウクライナは独自で戦える戦力・兵員をもはやもっておらず、今の実態は、文字通りロシアとNATOの戦争となっているのである。
 今回のロシアの決断は、これに対応するものであるが、これは大変危険な道である。ウクライナ侵攻は、名実ともにロシア対ウクライナNATO英米)との全面戦争になりかねないのだ。そして、ロシアは、自国の国民・領土への攻撃が成されれば、核兵器の使用も選択肢とするという方針を持っており(西側も核の脅しをしているようだが)、実際に、プーチンはそれを述べて、「脅しではない」と語っているのである。

 つまり、今回の事態は第3次世界大変へと拡大する恐れがあり、その場合、核の使用もあり得ないわけではないのである。まさに「ハルマゲドン」となるかもしれないのだ。
 このような状況の中で、ロシアのアレクサンドル・ドゥーギン氏が、これに関連する発言を行なっているようである。今回紹介するのは、それに触れた記事である。"THe Falling Darkness"と言うサイトの記事である。プーチンの演説の前日の20日にアップされたようで、ドゥーギン氏自身の発言はまたその前の時期のものであろう。
 このサイトの実態は実はよくわからないのだが、おそらくアメリカのもののようである。またいわゆる「陰謀論系」かもしれない。最初ツイッターでドゥーギン氏の発言を知り、ネットで検索して見つけたものである。著者の素性もよくわからないが、文章を見ると、アメリカのネットという事もあり、ドゥーギン氏を全面的に支持しているわけではないが、ドゥーギン氏の発言に真理の一端を見ているようである。また、ドゥーギン氏が、ロシアの高官に一定の影響力を持っていると考えているようである。

 ドゥーギン氏は、ウクライナとの戦争は、実際には、欧米世界との戦いであるとみている。だから、これに勝利するために、ロシアは国の総力を挙げてたたかう必要があると主張するのである。
 また、この戦いには、宗教的・精神的側面があり、宗派を超えて、伝統的な宗教的道徳的価値を否定する者との戦いであるという。またその敵は、いわゆる「グレート・リセット」を推進する者達につながると考えているようである。それはまた、「アンチキリスト」的勢力であるとも言うのだ。
 これまでこのブログでは、ロシアへの攻撃の背景として、西側に、アンチキリスト的な影の影のブラザーフッドが存在し活動してきたことを取り上げてきた。ドゥーギン氏は、政治思想家・活動家とされるが、宗教及び神秘学の知識も深いようである。あるいは、「アンチキリスト」というのは、単なる喩えではなく、実体をもった存在を指しているのかもしれない。

ーーーー

ドゥーギン:第3次世界大変が来る
ゲスト・ポスト:ロッド・ドレハー  September 20, 2022

 

 ウクライナの最近の戦場での勝利をきっかけに、アン・アップルバウムがバカげた勝利宣言をしたのを見たか?「ウクライナの勝利のために準備する時が来た」という見出しである。彼女はアトランティック誌に、部分的にこう書いている。

 

「しかし、戦闘はまだいろいろな展開を見せるかもしれないが、ここ数日の出来事は、ウクライナの同盟国に立ち止まって考えることを強いるはずだ。新しい現実が生まれたのだ。ウクライナ人はこの戦争に勝つことができる。私たち西側諸国は、ウクライナの勝利に対して本当に準備ができているのだろうか。勝利がもたらす他の変化を知っているのだろうか?」

 彼女は、プーチンの転落を空想している。

 

 一方、プーチンのお気に入りのロシア民族主義イデオローグ、アレクサンドル・ドゥーギンには、あまり嬉しくない言葉がある。ドゥーギンに同意する必要はない。彼の言うことのいくつかはヒステリックだが、権力を持つ多くのロシア人がそれを信じているという事実を真剣に受け止める必要がある。抜粋する。

 

  「私たちは第三次世界大戦の瀬戸際におり、西側諸国はそれを強引に推し進めようとしている。そして、これはもはや恐怖でも期待でもなく、事実なのだ。ロシアは、集団的な西側、NATOとその同盟国と戦争状態にある(ただし、すべてとではない。トルコとギリシャには独自の立場があり、フランスとイタリアを中心とする一部のヨーロッパ諸国は、ロシアとの戦争に積極的に参加することを望んでいない)。しかし、第三次世界大戦の脅威はますます近づいてきている。

 それが核兵器の使用に至るかどうかは未解決の問題である。しかし、核兵器によるハルマゲドンが起こる確率は、日に日に高まっている。西側諸国は、[ロシアが]旧ウクライナの領土から完全に撤退することにさえ満足せず、我々が自国の領土で終わり、「無条件降伏」(イェンス・ストルテンベルグ)、「非帝国化」(ベン・ホッジス)、ロシアの分割を主張するだろうことは明らかで、多くのアメリカ軍司令官(元欧州司令官のベン・ホッジスなど)も公然とそれを宣言している。

 1991年、西側はソ連の崩壊と我々のイデオロギー的降伏に満足していた。主に、西側の指導の下、西側の自由主義イデオロギー、政治体制、経済を受け入れることによってであった。今日、西側にとってのレッドラインは、ロシア連邦の国境内においても、主権国家ロシアが存在することなのである。(訳注:主権国家ロシア自体がなくなることを西側は望んでいるということ)

 ハリコフ地方でのAFUの反撃は、西側によるロシアへの直接攻撃である。この攻撃は、米国とNATOの軍事司令部によって組織され、準備され、装備され、彼らの直接の監督のもとに行われたことは、誰もが知っている。NATO軍の装備の使用だけでなく、西側の航空宇宙情報部、傭兵、教官が直接関与しているのである。西側諸国から見れば、これは「我々の終わり」の始まりである。ハリコフ地方の支配地域の防衛に弱点を作れば、さらに敗北する可能性がある。これはキエフ反攻の小さな成功ではなく、NATO軍の「Drang nach Osten」の最初の具体的な成功なのだ。」

 

 ウクライナ人を助けるNATOの役割について、ドゥーギンは間違っているのだろうか。もちろん、そうではない。ロシアのウクライナ侵攻に賛成する必要はない-私は賛成しないが! - ロシア人が、この紛争を西側諸国によるロシアへの代理戦争と見ている理由を認識するためだ。彼らは間違ってはいない

 ドゥーギンは、戦争のためにロシアの総動員を呼びかけている。プーチンは、動員を避けるために「特別軍事作戦」(SMO)のために戦争をそう呼んでいる。今、ドゥーギンは国全体を戦争態勢にしなければならないと言う

 彼は、ロシアの味方である世界の国々について語っている。ならず者のギャラリーだ。中国、イラン、キューバベネズエラなど、それらの国々のほとんどが、望ましい未来を提供してくれるという考えは、馬鹿げている。しかし、重要なのは、何が理に適っているかということではない。第三次世界大戦を回避するためには、ロシア人のように考えなければならないのだ

ドゥーギンは言う。

 

 「始まった世界的な対立の中心には、精神的、宗教的な側面がある。ロシアは、神と戦い、精神的・道徳的価値の根幹を覆す反宗教的な文明と戦争しているのだ。神、教会、家族、ジェンダー、人間。正教、伝統的なイスラム教、ユダヤ教ヒンズー教、仏教の違いはあっても、すべての宗教とその上に築かれた文化は、神の真実、人間の高い精神的・道徳的尊厳、伝統と制度(国家、家族、コミュニティ)を尊重していることを認めている。現代の西洋はこれらをすべて廃止し、仮想現実、極端な個人主義ジェンダーの破壊、普遍的な監視、全体主義の「廃絶文化」、ポスト真実の社会と置き換えている。

 ウクライナでは公然たる悪魔崇拝と明白な人種差別が栄え、西洋はそれを支援するだけである。

 私たちは、正教会の長老たちが『アンチキリストの文明』と呼ぶものを相手にしているのだ。したがって、ロシアの役割は、この決定的な戦いにおいて、さまざまな信仰を持つ信徒を団結させることである。

 世界の敵があなたの家を破壊し、あなたの夫や息子や娘を殺すのを待っていてはいけない。神は、私たちがそのような瞬間を見るために生きていることを禁じておられるのだ。

 ハリコフ地方での敵の攻勢は、まさに、我々に対する西側諸国の真の戦争の始まりである。

 西側諸国は、われわれに対する殲滅戦、すなわち第三次世界大戦を開始する意図を表明している。我々は、この攻撃を撃退するために、我々の最も深い国家の潜在力をすべて結集しなければならない。思想、軍事力、経済、文化、芸術、すべての国家機構とわれわれ一人ひとりの内部動員など、あらゆる手段を使って。」

 

 繰り返すが、プーチンのクレプトクラシー(抑制欠如政治)が聖性と良識の力を代表しているという考えは不合理である。ウクライナの「オープンな悪魔主義」は馬鹿げている(しかし、ワシントンのオープンな悪魔主義はそうではない-バイデンの猿痘の皇帝を見たか)。しかし、私はドゥーギンが今日の西洋の精神的な性質について、間違っているよりもずっと正しいと思う。特に。次の点で。

 

 「ロシアは、神と戦い、精神的・道徳的価値の根幹を覆す反宗教的文明と戦争状態にある。神、教会、家族、ジェンダー、人間。正教、伝統的なイスラム教、ユダヤ教ヒンズー教、仏教の違いはあっても、すべての宗教とその上に築かれた文化は、神の真実、人間の高い精神的・道徳的尊厳、伝統と制度(国家、家族、コミュニティ)を尊重することを認めている。現代の西洋は、これらをすべて廃し、仮想現実、極端な個人主義ジェンダーの破壊、普遍的な監視、全体主義の「廃絶文化」、ポスト真実の社会と置き換えているのである。」

 

 ロシアがこの敵に対してある種の聖戦を繰り広げているというドゥーギンの主張を受け入れる必要はない-私は断固としてそうしない-が、西洋がどうなったかというドゥギンの説明はほぼ的を得ていると信じることができる。なぜこのことが重要なのか。なぜなら、西洋に住む私たち全員が、自分たちが守っているものが何であるかを考える必要があるからです。私たちが世界で進めているのは、どのような価値観なのか。それは醜い絵であり、冒涜と破壊の絵である。これをはっきりと見たからといって、あなたがプーチン主義者になるわけではない。ただ、あなたが時代のサインを読むことができるということだ。『Live Not By Lies』の情報源の一人で、ソ連圏からアメリカに移民した科学者であり反共産主義者である彼は、昨日私にこう言った。

 

 「小さな発電所の変電所から政府の上層部まで、成功する候補者を選ぶ鍵は、経験や博識ではなく、イデオロギー的な忠誠心と適合性である。人事部や広報部の話ではない。肌の色や性的嗜好ではなく、知性と知識と倫理が最も重要な仕事、つまり医学、工学、教育などの仕事について話しているのである。

 信じられないかもしれないが、共産主義下で科学、工学、医学の職に就いた人々は、党への忠誠心ではなく、その能力によって選ばれたのである。政権に対するあからさまな背信行為も、しばしば見過ごされた。例えば、私が勉強できたのはそのためだ。共産党は、橋が立つこと、ビルが倒れないこと、ロケットが飛ぶこと、数が増えることを必要としていた。確かに彼らはちょっと邪悪だったかもしれない。でも、彼らのクールな合理性が懐かしい! 本当に。

 今とは全然違うんだよ。たとえ、ここにいる全員が嘘で生きることをやめたとしても、すべては崩壊するのだ。もうだめだ。」

 

 神様、私達を助けてください。