k-lazaro’s note

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キリストの再臨とアーリマンの受肉 ②

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アリウス派の洗礼堂のモザイク画「イエスヨルダン川洗礼」

 イエスは30歳の時に、洗礼者ヨハネによって、ヨルダン川で洗礼を受ける。当時の洗礼は、上の図のように、全身を水に浸けるものであった。イエスの頭には鳩が降ってきている。これは聖書に「イエスも洗礼を受けて祈っておられると、天が開け聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降ってきた。」(ルカ伝3章21,22)とあるからである。
 実はこれこそがキリスト(ロゴス)である。キリストは神的存在であり、その霊がイエスの洗礼に際してイエスに降ったのである。イエスはあくまで人間であり、神ではなかった。キリストを受け入れたイエスこそが、イエス・キリストであり、従って、そのように呼べるのは洗礼の後のことなのである。

 これは勿論、現在の正当派のキリスト教神学で認められている考えではない。しかし、正統と異端が混在していたキリスト教の初期の時代には、確かにこのような考えが存在した。そしてそれは、秘教的キリスト教の考え方でもある。