k-lazaro’s note

人と世界の真の姿を探求するブログです。 基盤は人智学です。

21世紀の危機における4つの対抗勢力 ②

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 前回に続き、テリー・ボードマン氏の論考の後半を紹介する。


ジェフリー・エプスタインと9.11

 4つの対抗勢力の存在が働いていた最近の他の2つの現象について考えてみよう。まず、ジェフリー・エプスタイン事件である。エプスタイン(1953-2019)は、ユダヤアメリカ人の金融業者、性犯罪者、いわゆる慈善家であるが、実際には、裕福な重要人物、特にアメリカ人が、未成年者とのセックスを通じて脅迫されるという設定を作り、これを通じて情報機関を含む様々な人々に情報を流していた。

 彼は、刑務所で謎の死を遂げ、自殺と言われているが、殺された可能性も高いし、生きたまま国外に密航した可能性もある。エプスタインの人生は、怪しげな金融取引、性的搾取、性的虐待、秘密情報、恐喝を中心に展開された。彼はまた、美しい女性、財産、物に目がなく、特にカリブ海の島の楽園では、有名人をプライベートジェットで頻繁につれていき、自分自身や客や友人の性的便宜のために若い女性を何人も確保しており、幻想的な生活を送っていたのである。美と誘惑、物質的な快楽への隷属、そのために彼が持つ豊富な知性と金融や秘密工作の知識、欲望と性的堕落、若い女性の倒錯、若い女性から政治家や学術機関まで、他人に潜入し、陥れ、利用するために彼の個人的魅力と社交性を利用する--反勢力の4つの存在がこの男の人生に作用していたことが見て取れるのである。

※エプスタインの事件は、日本ではほとんど報道されていないが、世界中を巻き込む一大スキャンダルとなっている。彼の交友関係には、ビル・クリントン、トランプ、ビル・ゲイツ、イギリスのアンドルー王子等の名前も挙がっているのである。

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     9.11では、さらに明確な例が示されている。ここでアスラは、この出来事がもたらす、まったく突然の、冷酷な物理的破壊において、本領を発揮する。しかし、この攻撃は非常に複雑で、多くの詳細で洗練された技術的なシステムを含み、その原因と結果についての果てしない繕いごとだけでなく、「高次」の指令による金融、政治、メディアの操作であった。したがって、嘘と悪巧みの霊であるアーリマンと「彼」に仕える者たちも明らかに深く関与していた。ルシファーの指紋は、このイベントの壮観さと「芸術性」にもついており、作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンも、これを特にルシファーのせいだと述べている。9.11の出来事がハリウッド映画の筋書きに似ていると多くの人が考えたこと。実際、世界貿易センターへの飛行機攻撃(ブッシュ大統領コンドリーザ・ライス国家安全保障顧問が後に「想像を絶する」と述べた攻撃)をまさに描いたテレビシリーズ(The Lone Gunman)が2001年の春にアメリカのテレビで放映されていた。

 さらに、2001年のハリウッド大作映画といえば、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが1941年12月7日の日本軍の攻撃を描いた非常に官能的な映画「パールハーバー」である。この映画は2001年5月に公開されたので、9.11の前の数ヶ月の間に世界中で何百万人もの人が見ている。パールハーバーとの比較は、9.11の後もブッシュ大統領をはじめ政治家やメディア関係者によって何度も行われた。大統領はその日の夜、日記にこう書いている。真珠湾攻撃は、ちょうど1年前にウィリアム・クリストル、ロバート・ケイガン、ジョン・ボルトン率いる新保守主義シンクタンク「新世紀のためのプロジェクト」が作成した「アメリカの防衛を再建する-新世紀の戦略、戦力、資源」という文書で明確に言及されていたのである。新世紀におけるアメリカの外交政策の新たなビジョンを構築するために必要な資金と時間は、「新たな真珠湾攻撃のような破滅的な出来事」がない限り、相当なものになると報告書は認識していた。なぜなら、ズビグニュー・ブレジスンキが1997年に出版した『グランドチェス盤』(副題『アメリカの優位性とその地球戦略的重要性(仮題)』)で書いたように、「国民がアメリカの第二次世界大戦参加を支持した理由の大半は日本の真珠湾攻撃のショック効果があるからである。 権力の追求は、突然の脅威や国民の幸福感への挑戦がない限り、国民の情熱を集めるような目標ではない。」
 もし、ルーズベルト大統領が、日本の攻撃が奇襲とは程遠いものであり、そのタイミングについて事前に情報を入手していたこと、それ故、真珠湾に通常配置されている空母を攻撃当日に欠航させたこと、そして、彼の政権は石油供給の制裁を含む厳しい経済制裁によって実際に日本を攻撃に追い込んだことを知っていたならば、国民はアメリカの第二次世界大戦参戦を支持しただろうか? ルーズベルトは、そのわずか一ヶ月前に、アメリカを戦争に巻き込まないことを約束して、二度目の大統領選に勝利していた(!)にもかかわらず、彼がまさに「アメリカの優位性とその地政学的必須性」の理由から、アメリカを戦争に巻き込もうとずっと考えていたことは、今では歴史家にとってよく知られたことである。このプロジェクトはロックフェラー財団から資金提供(35万ドル)を受け、1942年3月からは国務省の「戦後外交政策諮問委員会」に組み込まれていたのだ。ルーズベルトとそのエリート支持者の目標は、単にドイツと日本を打ち負かすことではなく、アメリカの経済的利益によって完全に支配される戦後の新世界秩序を作り出すことであった。この新秩序を守り、推進するために、米国国防省は1941年9月11日、ワシントンDCに現在でも世界最大のオフィスビルであるペンタゴンの建設を開始したのである。それは、1941年にルーズベルトが、大英帝国に代わるアメリカの新型世界帝国を作ろうと、そのアドバイザーたちとともについた嘘の結果であった。ルーズベルトが実現したこの新秩序は、真珠湾攻撃から60年後、世界貿易センターのツインタワーの崩壊によって崩壊し始め、さらに別の新世界秩序に取って代わられることになる。

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 9.11からさらに20年、別のアメリカ大統領(ジョージ・W・ブッシュ)の嘘から、我々はアフガンの大失敗で、その新帝国主義がもたらした結果を目の当たりにする。アメリカの大チェス盤プレーヤーによる普通のアメリカ人とアフガニスタンの犠牲者が災難に見舞われ、プレーヤー自身がチェックメイトされるのだ。この政策は、主にアーリマンの計算によって吹き込まれ、組織された。そして、世界最大の超大国によって、世界で最も貧しい国の一つに加えられた途方もない暴力によって、これらの計算をアスラ的に実行した。このパターンはベトナムイラク、シリアで繰り返され、西側メディアによって、人権、民主主義、女性の解放などについてあらゆる美辞麗句で包まれて飾られた政策である。

 そして、アーリマンのコンピューター計算、ルシフェルのレトリックと象徴主義、アスラの破壊力で推進されたその全体のパターンと政策の背後には、聖ヨハネの黙示録の二本の角を持つ獣、その名はソラト、その文字の合計は666という数字の獣の「思考」や考え方が確実に存在していたのである。 人類が「低次の自我」(人生経験を通じて、より高い現実に目覚め、自らを変革する旅の途中にある、私たちの「普通の日常感覚」)のレベルに留まるようにすることが、「太陽の対抗者」ソラトの目的であり、肉体的快楽と肉体的生存だけに関心を持つ自己中心的な物質主義者なのである。これが、今日の西洋資本主義の「哲学」の根底にあるものであり、その広告や娯楽産業のほとんどに描かれているものである。ソラト勢力の目的は、人間の五芒星、つまり立っている人間が頭、二本の腕、二本の足で五芒星を形成している(上三つ、下二つ)のを、いわば逆さまにして、頭は大地に、足腰は空中に突き刺さるようにすることである。ソラトがその目的を達成したとき、そして彼が一部の人間に対してそれを行ったとき、人間の「自我」は変質し、動物の存在と狡猾な動物的動機のほとんど違わないようなレベルにとどまることになる。自我は、そうなりうる高次の本性を発展させること、善のために思考を捧げる自律した霊的存在としての自己認識、「意識の魂」を開発すること-ルドルフ・シュタイナーは、それをこの時代における人類の主要な課題の一つであり、もう一つの課題は、悪の謎を解明することであると述べている-を妨げられているのだ。

ゴンディシャプールとソラト、その昔と今

 シュタイナーによれば、この3つの霊的対抗勢力は、人間の思考(アーリマン)、感情(ルシファー)、意志(アスラ)をそれぞれ攻撃し、ソラトの活動を助けている。シュタイナーは、ソラトが人間の身体に転生することはないが、「彼」は特定の人間に影響を与え、それは例えば1998年のような1年間だけではないと明言している。現代史と7世紀、14世紀の歴史を観察した結果、666年ごとにソラトは約50年間介入し、その間に666年目が中心軸または支点として機能し、池に投げた石の中心点が一連の波紋を生み出すように、ある出来事を中心に過去と未来に時間が流れ出すと結論づけた。したがって、666年は641-691の窓の中心に、1332年は1307-1357の窓の中心に、1998年は1973-2023の窓の中心に位置している

 シュタイナーによれば、キリスト教時代へのソラトの最初の介入は、641-691年の窓の666年頃に、現代のイラン南部、イラクとの国境近くにあるゴンディシャプールのアカデミーとの関連で行われたという。その古代のアカデミーは、ギリシャペルシャ、インドなど近東各地から優秀な頭脳と思想が集結した知的温室であった。シュタイナーは、そこで培われた科学的、数学的、哲学的知識がいかに未熟であったかを述べている。アカデミーのある人物を通じて活動したソラトの目的は、当時まだ未熟な世界の勢力では扱えない高度な知識を、極めて早急に初期キリスト教世界へもたらすことであったからだ。もしその知識が西洋に早くもたらされたならば、ヨーロッパの発展、とりわけキリスト教的文脈における「自我」の発展は、人間の心や魂、個々の「自我」よりも知識、力、意志を重視する、まったく誤った、不健康な方向へ転換されたことだろう。シュタイナーは、ゴンディシャプールでのソラトの取り組みが、科学的唯物論という毒を人間の肉体組織に「注入」(彼の言葉)する効果があったことを述べている。その結果、精神を否定し、人間を肉体(corpus/soma)と魂(anima/psyche)の二重の存在としてのみ捉える傾向が強まったのである。このことは教会にも伝わり、西暦869年のコンスタンチノープル公会議では、「人間は個々の霊を持たず、肉体と魂だけの存在である」というドグマまで宣言している。

 シュタイナーはさらに、霊的世界がソラトの意図にどのように対抗したかを、三つの方法で説明している。第一に、キリストの出来事は、333年という知的な心魂の時代の中間点より333年前に起こったことで、同じ半ばの333年後に起こったソラトの介入を鏡のように映し出してバランスをとっている。ソラトによる介入より666年前に起こったキリストのインパルスは、その介入よりかなり前に人間の意識に定着する機会があったのである。第二に、イエス・キリストの直弟子たちの霊的影響は、333年までには霊界から下降し始め、人々を鼓舞し、キリストと神の実在に導いていた。第三に、ペルシャ人からもゴンディシャプールで働いていた人たちからも未開の野蛮人とみなされていたアラブ人の中から新しい宗教勢力であるイスラム教が勃興し、ゴンディシャプールの知的温室から進んでいた先進文明のソラト的影響がほとんど「窒息」し、いわば釜に「ふた」がされたように霊界が調整したことであった。632年にムハンマドが亡くなる前、この地域にはキリスト教ビザンティン帝国(東ローマ)とゾロアスター教ササン朝ペルシャ帝国という二つの支配的な文化があった。この二つの帝国は、それまでの数世紀の間に互いに疲れるほど戦い、ゴンディシャプールで成長していたものをコントロールする精神的、文化的な力を持っていなかった。640年代にペルシャ帝国を完全に圧倒し、ビザンツ帝国もほぼ壊滅させた。しかし、モハメッドとコーランの神学的衝動は、その後の数世紀にわたってゴンディシャプールの科学的衝動を完全に抑圧することはなかった。アカデミーで育まれた知識の要素は、それを包んでいたアラブ・イスラーム世界にしみ出し、やがてアラブの征服によって北アフリカからスペインへ、さらに海を渡ってシチリア島南イタリアへと運ばれていったのである。これらの要素は17、18世紀のベーコン科学の力となり、近代西洋の対外的、科学的、技術的パワー、そして今日の英米の世界的「帝国」の基礎となったのである。

※このゴンディシャプールに植え付けられた唯物主義的科学の潮流から、現代のコンピューター社会が誕生したと言える。

 このすべては過去30年間、そして2021年のアフガニスタンの大失敗においても跳ね返ってきている。中世期におけるイスラム世界の宗教と合理主義の戦い、イスラム原理主義と、ゴンディシャプールのアカデミーに集中し、そこからカリフ・ハルン・アル・ラシッドバグダードを経てアンダルシア(イスラム圏スペイン)やキリスト教ヨーロッパ、アメリカへと渡った本来非イスラムの科学・哲学勢力の戦いであった。そして、9.11から始まったことに一種の終止符を打った2021年のこれらの出来事が、1973年から2023年までのソラチアの窓の中で起こったことに注目することができる。ちなみに、200年の歴史を持つアフガニスタンの王政が倒され、共和制が成立したのは1973年7月であったが、1978年の親共産党のクーデターで倒され、やがてムジャヒディンとソ連軍のアフガニスタン戦争とその後の混乱につながったのであった。

 しかし、今日の出来事に鑑みると、ゴンディシャプール・アカデミーの本来の中心は医学部門であったことに注目すべきだろう。そして、今日、私たちは何を見ているのだろうか。グローバルエリートの経済力によって世界を支配し、その人口をコントロールしようとする試みである。この試みは、「地球温暖化」に関連した恐怖心を煽ることと、注射針を使ったいわゆる医療行為という二つの主要な線に沿って行われているのである。現在世界中に押し付けられているCOVID関連の医療専制政治は、個人の身体に対する自由を奪い、「予防接種」(これは従来の予防接種ではなく、新しくてほとんどテストされていない遺伝子治療なので、それ自体が嘘である)の「申し出」を「受け入れる」よう、なだめたりおだてたり強要しようとする、巨大なグローバルな実験である。このプロセスにおけるアメリカ政府の最高顧問であり、この最新の「空白の9年間」を除くすべての期間、(1984年以来)アメリカの公衆衛生を支配してきたアンソニー・ファウチ博士によって、我々は繰り返し思い起こされてきたように、2023年に終了予定の史上前例のないものである。 これらの特徴もまた、ソラトの印がこの出来事に確かにあることを示唆している。

 「黙示録」第13章に登場する「獣の刻印」というのは、もちろん黙示録に書かれているような「(物理的な)世界の終わり」という意味ではない。しかし、666年ごとにソラトは重要な介入を行い、それは聖書のその本に見られるような、ある種の予兆的な共鳴をもたらすものである。例えば、黙示録の第13章には、子羊(羊?)のように二つの角を持ちながら、竜のように話す二本の角を持つ獣(ソラト、666)が、事実上、別の獣、「7つの頭と10の角を持ち、その角には10の冠、頭には冒涜の名を持つ」獣(黙示録13:11)に仕えると書かれている。 そして、彼(2つの角を持つ666匹の獣)は、地とそこに住む者に、(13:1の)最初の獣を拝ませ、獣の像を造るようにと言った。2つの角を持つ666の獣(ソラト)は、すべての人に「右手か額に印を受ける」(13:16)ことを強制し、それなしでは売買することができないようにする。つまり、何かが肉体に挿入され、それがなければ経済活動に従事することができないのである。その印には、どういうわけか、獣の名前(ソラト)とその名前の数字(666)も含まれている(13:17-18)。

 今年2021年に私たちが目にするのは、それ自体が嘘に嘘を重ねた「コロナ危機」が、二人の人物(ビル・ゲイツとアンソニー・ファウチ)と二つの学術機関(ロンドンのインペリアルカレッジとニューヨークのジョンズ・ホプキンス大学)によって、気候変動問題、「アジェンダ2030」、国連とクラウス・シュワブの世界経済フォーラムによる「第4次ポスト産業革命」へと変容し結合されている様子である。世界経済フォーラムのウェブサイトやクラウス・シュワブの2020年の著書「Covid-19」を見るとわかる。このことは、世界経済フォーラムのウェブサイトやクラウス・シュワブの2020年の著書「コヴィッド19:グレート・リセット」を見れば明らかである。医学的な問題が、環境、経済、金融、技術などの複合的な問題と組み合わされているのだ。ソラトの最初の介入では、7世紀(666年)のゴンディシャプールのアカデミーの中心は医学部門であった。1332年に先立つ数十年間にフランスで行われた「彼の」2回目の介入は、フィリップ4世(「公正王」)の下で中央集権的官僚主義国家の行き過ぎた権力が出現し、彼がとんでもなくでっち上げた嘘を広く宣伝し、財政的理由からテンプル騎士団を悲劇的に破壊したことに関係していた。今日、1998年を中心とする1973年から2023年のソラトの3回目の介入において、「コロナ危機」を通じて、「彼」はアーリマンの出現(または即位)の道を用意している。アーリマンは、物質世界、テクノロジー、貨幣に関する欺瞞的な思考、環境問題、特に炭素の性質と役割についての科学的理解に関する嘘とごまかしに焦点を合わせている。地球温暖化」の背後にいる人々は、二酸化炭素に執着し、人間の体そのものであり、すべての植物の生命に不可欠な炭素を恐れ、憎むように仕向けようとしているのである。 この行為自体もまた、アーリマンの手によるものであるように思われる。AI、デジタルマネー、ナノバイオテクノロジー、ロボット工学といったマクロ経済の変容は、例えばクラウス・シュワブが熱心に宣伝しているような、人間のアイデンティティーの本質を変えようとするトランスヒューマニズム哲学を伴っているが、これもアーリマンとソラトが「彼の」化身を通じて行おうとしていること、つまり人間の精神的存在と人間の生物的存在そのものに対する観念の両方を打ち消そうとしていることを指し示しているのである

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21世紀の暗黒オカルト・アジェンダ

 1918年10月16日、シュタイナーはゴンディシャプール・アカデミーと人類の未来との関連について説明した。その時の彼の言葉は、クラウス・シュワブやトランスヒューマニストのようなグローバルエリートが、この21世紀にやろうとしていることの多くを照らし出している。「ゴンディシャプールの賢者たちの目的は、もっと素人っぽい形では、現代におけるある種のオカルト結社の目的でもある。その意図は、人間をさらなる進化から切り離し、まったく別の世界にいるある種の存在たちの目的のために獲得することでした。その目的は、人にはゆっくりと、少しずつしか発見できないようになっており、それによって最終的に霊我、生命霊、霊人に到達することになっているのです」27[GA 182] 。

※人間の本来の進化の道とは、自我の働きにより自分の霊的エレメントである霊我、生命霊、霊人を発展させることであるが、ソラト達は、それを阻止しようとしている。

 そして、現在の第5次ポスト・アトランティア時代(1413-3573)の意識魂の発展に続いて、第6次、第7次と続く人智学に記された地球上での発展の3つの段階から人類を切り離すことが目的なのである。私たち人間の課題は、自分自身と地球そのものを変容させることである。そして、ビル・ゲイツ、クラウス・シュワブ、そして彼らの背後にいるより影の深いエリートたち、つまり、バンガードやブラックロックといった資産運用会社の支配者たちは、その持ち株を通じて、文字通りあらゆる大企業を所有し、資本主義経済のほとんどすべての分野を支配しているのである。

ブラックロックは、2021年に、9.5兆米ドル、バンガードは 7兆米ドル相当の資産を管理している。(「誰が世界を動かしているのか」2021年6月ビル・サルディ著)

 同じ講演で、ルドルフ・シュタイナーはこう言っている。「あの新ペルシャの影響から(つまりゴンディシャプールから)・・・人類は、つまらない表現を使わせてもらえば、「一口」を与えられました。その時の衝動は実際の身体的体質を貫き、私たちは今日までそれをもって生まれている...その効果として、父なる神を否定することにつながる病気が人類に注入されたのである。」 シュタイナーは講演の中で、聖パウロと、聖パウロが「サタンの使者」と呼ぶ「肉のとげ」について、すぐに話し始めました。「彼(聖パウロ)は、特に進んだ人間として預言的に語っているのです。とげは彼の時代にすでにあったのです。しかし、その影響はますます広まり、より大きなものとなっていくでしょう。このとげに、この病気に全面的に身をゆだねる今日の人-肉体においては、このとげは実際の病気であるから-は、無神論者、神を否定する人、神を否定する人となるのである。近代文明に属するすべての人間には、根本的に言って、無神論への傾向がある。問題は、人間がそれに従うかどうかだけである

※シュタイナーは、「無神論」は一種の病気であると語っている。神とは、この場合、広く霊的存在といっても良いであろう。

 コビド注射によって行われる遺伝子治療の技術は、アーリマンの目標の実現に向けた大きな一歩となる。例えば、人間をインターネットの電子的な「集合意識」に直接リンクさせることで、医療や財政の記録やデータをすでに含むことができる。現在中国で機能している不吉なハイテク社会信用システムは、その方向性をあまりにも明確に示している。現在、そのシステムはCCTVカメラと、特に私たちがまだ13年ほどしか持っていないスマートフォンに依存しているが、10年か20年のうちに、そのような装置を直接人体に組み込むことが目標になるだろう。その後、21世紀後半になると、最終的には生物学的な人体を完全になくし、セラミックなどの無機質なものに置き換えることになるだろう。その時点では、シュタイナーが869年の第8回公会議で起こったとしばしば語り、またソラトから直接インスピレーションを受けたとする「人間の精神の廃止」は、肉体の廃止によって補完されることになる。魂はすでに19世紀末に学問的心理学とマルクス主義によって「廃止」されている。したがって、私たちが潜在的に見ているのは、1940年代(ヨーロッパ)や1990年代(ルワンダ、バルカン)のようなある民族の大量虐殺ではなく、全人類の大量虐殺なのである。二本の角を持つ太陽の悪魔ソラトは、人間の低次のエゴ、つまり人間の逆さまの動物的本性の衝動を、哲学、心理学、バイオテクノロジーナノテクノロジー、ロボット工学などにおけるアーリマンの科学的物質主義的思考の手法と同盟させるだろう。その結果、私たちが知っているような人間の肉体がアスラ的に終了することになる。ルシファーは、スポーツ、ファンタジー、あらゆる種類の有名人への崇拝への執着を通じて人間の注意をそらすことで、この悪魔のプロジェクトに「彼」の(より少ない)貢献をすることだろう。

人類の勝利と存続

 このような事態は、悲観的な人々には厳しい見通しのように見えるかもしれないし、避けられないことのようにさえ見えるかもしれない。なぜなら、キリストは2000年前に、十字架刑、復活、昇天、そして聖霊降臨によって、4つの対抗勢力に勝利し、人間の肉体を保ち、無数の人間の心と意志に勝利の種をまいたからである。それ以来、人類は、真に実現された人間性のためのキリストの衝動を心と意志に宿しながら、絶えず、これまで以上に多く、転生してきたのである。

 どんな偉大なドラマでもそうであるように、闇の勢力が、すべてがその思い通りになるように見える時がある。しかし、彼らが相手にするのは、いつも、すでに〔地上に〕受肉した人間の中で目の前にしているものである。霊界から人間の意志の中へと、全く予期せぬ方向から現れるものを、彼らは計算に入れることができない。フランスで14年間も常勝を誇っていたイギリス軍は、若い農民の少女ジャンヌ・ダルクが来るとは思いもしなかった。ナポレオンやヒトラーは、ロシアの有名な「冬将軍」の早い登場や、ロシアの素朴な農民兵の心の中にある国と家族への愛には目もくれず、ヒトラースターリングラードでのロシアの反撃を予期していなかった。 トールキンの『指輪物語』では、冥王サウロンは、その大軍が人類の力を圧倒しようとしていた。小さなホビット、フロド(トールキンはその性格に明らかにキリスト教的情緒を与えている)が、シャイアからサウロンの領域モルドールまでの大旅行を終え、サウロンの鼻先でその闇の領域の中心に入り込み、サウロンの力の根拠である一つの指輪を破壊していたことには、決して気づかなかったのだ。このように、権力者に気づかれずに「下」から這い上がり、横柄な態度を打ち砕く、目に見えない謙虚な者の勝利は、歴史の中で幾度となく繰り返されてきた霊的な原型なのである。私たちは、ソラト、ルシファー、アスラが今後20年間ほどアーリマンの転生を支援するために投げかけてくるすべてのものに全力で抵抗する一方で、この重要な21世紀に最終的に勝利するのは、ウィリアム・テルジャンヌ・ダルクホビットのフロドという原型であり、人類が勝利してアーリマンの転生を超えて、より深い「意識魂の時代」に向かって前進するという信念を持ち続けなければならないのである。  (了)

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 上の写真のように世界では、圧政に抵抗する人々のうねりが見られる。しかし、残念ながら、日本ではほとんど見られない。こうした報道自体もないのが現実である。
 軍事分析機関ディーガル(Deagal)というところが2025年の人口等を予測しており、欧米でかなりの割合の人口減少を予測してるため、その理由としてコロナとの関連を指摘する声がネットにある。この予測では、欧米に比べると日本の減少割合は少ないのだが、それは、どうも日本人は「従順」なので、体制の脅威にならないから、との理由付けもされているようである。その真偽は別にして、納得せざるを得ないだろう。
 さて、以上がボードマン氏の論考である。既に紹介してきた
デビッド・オヘイガン氏、エラナ・フリーランド氏、トマス・メイヤー氏らの主張と共通する内容と言えるだろう。
 確かに、今、闇の勢力の力は圧倒的に見える。しかし、彼らが相手にできるのは、地上世界に生きている人間のみで、人間の本当の生まれ故郷である霊界に対して直接はむかうことはできないのである(1回目の冒頭のミカエルの絵のように)。
 21世紀のジャンヌ・ダルクはきっと現れると信じたい。そのために、細々とこのブログを続けているのである。

21世紀の危機における4つの対抗勢力 ①

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イリアム・ブレイク 「サタンをつかむ大天使ミカエル」

 写真は、ウイリアム・ブレイクの絵で、これには「彼は、それを底なしの穴に投げ込んで黙らせた」と書かれているという。ブレイクWilliam Blake1757年11月28日 - 1827年8月12日)は、イギリス詩人画家銅版画職人、そして幻視者であった。

 今の時代、悪が栄えている現代において、この絵を見て私たちは何を思うべきだろうか?

 さて、ようやくテリー・ボードマン Terry Boardman氏の最新の論考が彼のサイトにアップされた(元は” New View magazine ”の2021年の”#101 Oct-Dec”号に掲載されたもののようである)。テリー氏は、マンチェスター大学(1973年)を卒業後、日本で7年間過ごした。1982年以来、人智学に専念し、2005年からフリーランスの翻訳者(ドイツ語と日本語)、作家、歴史と時事問題に関する講師として活動されている方である。彼の考察の主なテーマは、歴史、特に近現代史とそして社会問題及び人類の未来についてとなるだろう。
 今回の論考のテーマは、「新型コロナによるパンデミックをきっかけとする世界的危機の背後にあるもの」とでも言えるだろうか。2回に分けて掲載していくこととする。文中の※印の文章は引用者による注記である。

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21世紀の危機における4つの対抗勢力

投稿者 Terry Boardman 日時 2022年1月17日 
この記事は、New View magazine #101 Oct-Dec 2021に掲載されたものです。

 

ギリシア・ローマ時代に、キリストの衝動は、人類の救済のために死の力から生まれました。 現在の時代には、人類は奇妙な逆説によって、悪の力を通してゴルゴダの神秘の新たな体験へと導かれているのです。」  
        ルドルフ・シュタイナー 1918.10.25

※ゴルドタの神秘(または「秘儀」など)とは、神的ロゴスであるキリストがイエス受肉し人となり、そして死んだ後、復活した出来事のこと。

 ルドルフ・シュタイナー第一次世界大戦中、「人類の歴史上、あの時代ほど公然の嘘が多かったことはない」とよく言っていた。1916年から1917年の冬、彼はスイスのドルナッハで「現代の諸問題についての考察」と題する25の講義を行った。その重要なテーマのひとつが、当時のプロパガンダや公的声明の偽りと破壊力を分析することであった。あの戦争が終わってから、それらは、計り知れないほど高まっている。この記事を書いている時点でも、私たちはコロナウイルスとこのウイルスを「倒す」ために作られた「ワクチン」をめぐる別の嘘の網に絡め取られているのである。この嘘の網に対する抵抗が世界中で高まっていることは、「先進国」の主要メディアではほとんど言及されず、COVIDに関する政府のシナリオに反するニュースは検閲され続けている

※シュタイナーは、第1次世界大戦の背後で、戦争を誘発する欧米のブラザーフッドの暗躍があったことを指摘している(ボードマン氏には、これに関する著作もある)。嘘やプロパガンダが利用されたのである。今のコロナ危機においても同様である。政府やWHOの情報に反する意見は、それがかつて尊敬されてきたその道の専門家のものであっても無視されている。一方、ワクチンの被害がどれほど報告されていても、ワクチンの害についての報道はほとんどない。

健康Health か「地獄」hellthか?

 9.11(21世紀のパールハーバー事件と呼ばれることが多く、特にジョージ・W・ジョンソン大統領がそう呼んだ)と同じように。この政権は、ジョー・バイデンの政権と同様に、不正と腐敗の非難を浴びながら、非常に矛盾した怪しげな選挙状況で政権を獲得したのである。したがって、「コロナウイルスの流行」は健康とは関係がなく、すべて地獄と関係しているのである。

※9.11が「21世紀のパールハーバー事件」と呼ばれるのは、二重の意味で正しい。パールハーバー事件については、その攻撃が予想されていたにもかかわらず、当時のルーズベルト大統領が、アメリカが参戦するきっかけとするためにこれを黙認したという研究もあるのである。

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 まず、製薬会社ファイザーのアレルギー・呼吸器医療研究部門の元チーフサイエンティストで副社長のマイク・イェードン氏が2021年4月27日にランブル・インターネット・プラットフォームで発表したインタビューでの発言に注目したい。 「コビド注射は、あなたの健康を害し、もしかしたらあなたを殺すために使われることになると思います。本当です。この注射キャンペーンは、そのための道具を提供し、生物学的脅威に関する別のストーリーを作り上げ、人々は並んでワクチンの追加接種を受け、数ヶ月後、あるいは1年ほど後に、何らかの、(別の)説明のつく特異な症候群で死亡し、彼らはそれをワクチンの追加接種と関連付けないからです。」イェードンはさらに視聴者に、「このウイルスについて政府が話したこと、安全でいるために必要なことはすべて嘘である」と語った。「このシステムは、嘘を使って、ある目的のために設置されています。その目的は、完全な全体主義的コントロールであり、その目的は、大量の人口減少になると思います」とイェードンは言いました。「私は、ワクチンパスポートと追加のワクチンの組み合わせが、大規模な人口減少につながることを強く恐れているのです。何十億人もの人々が意図的に処刑される可能性があるのです」。イエードンの考えでは、注射を打ってから数年以内に、注射を打った人の多くは死んでしまうだろう。このようなシナリオは、多くの人々にとって考えることさえ難しいが、イェードンの資格は、彼が情報通であることを示すに違いない。

 なぜ、何十億もの人々がこのように「消滅」する必要があるのだろうか。その答えは、21世紀に迫っているシナリオにある。それは、COVID-19危機、地球温暖化論とそれに伴う環境「パニック」(Extinction Rebellionなどが推進)、クラウス・シュワブと世界経済フォーラム(WEF)の「第4次ポスト産業革命」概念(国連の「アジェンダ2030」とその17項目の「持続可能な目標」というプログラムに関連している)の接続、連携である。つまり、産業革命の時代に必要とされた何百万人もの労働者と、この200年間土地を耕してきた何百万人もの農民は、都市と土地で人工知能(AI)が指示する機械によって仕事が行われるため、もはや必要ないという考え方である

 さらに、世界人口を20億人以下に減らすことは、「地球」を、破壊的な「気候変動」を引き起こしている過剰な人間による蹂躙から救うことになると思われているのである。経済的な理由から、人類と地球は何億人もの人々がいない方が良いという非人間的な考えは、もちろん新しいものではない。要するに、WEFと国連が採用した「資源の不足」に基づく推論は、18世紀後半にトーマス・マルサス が主張した「食糧資源は人口の増加に追いつかない」というものとほとんど変わりがない。マルサスは、食糧資源が人口増加に追いつかないと主張した。マルサスに続き、他の人々も、価値のない貧しい人々は、彼らの生存を支援または容易にするための法律やその他の措置を制定しないことによって、間引きされ削減されるべきであると主張した。このような非人間的、合理主義的、物質主義的な考え方が、1844年のアイルランドのポテト飢饉を生んだ。マルサスの考え方に影響を受けた当時の経済的通説が、飢えたアイルランド人を援助することに反対したのである。

 言うまでもなく、マイク・イェードンは、現在「抗コビド」注射剤を製造している会社の一つであるファイザー社に勤務していたが、主要メディアからは締め出された。彼はまた、ウィキペディアやいわゆる「ファクトチェック」機関(スノープス、フルファクトなど)からも笑いものにされている。彼らは、多くの論争的な問題について常に体制側の立場に立つ。2021年5月5日、スノープスは次のように投稿した。「現時点では追加摂取は推奨されていないので、イェードンはまだ実現されていない『上乗せ』ワクチンに関する仮説的な陰謀論を押し付けているのだ」。しかし、5月以降、世界中の政府はすでに、今後5~6ヶ月間隔でブースターショットを行う計画を立てており、注射キャンペーンの最前線にいるイスラエルでは、イスラエルの人口800~900万人のうち250万人がすでに3度目の注射を受けており、2回接種の人はすでに政府によって「未接種」とみなされ、3度目の注射を受けた人だけが、正しく「接種済み」と認定されるようになったのである。イスラエルのメディアが "ウイルスの皇帝 "と呼ぶサルマン・ザルカ教授は8月、「これがこれからの我々の生活だ、波がある...ウイルスがここにあり、これからもここにあることを考えると、我々は4度目の注射に備える必要もある...」と述べている。


4つのカ対抗勢力

 私がコロナウイルスの大流行が健康よりも「地獄」に関係していると言うとき、それは人類に対して、より具体的には人間の「自我」(本質的な人間の自己、私たちの存在の霊的核)に対して配置された霊的対抗勢力(伝統的に地獄の勢力と呼ばれている)の目標と、このキリスト教的21世紀において、これらの対抗勢力がこれらの目標を実現しようと試みることとすべて関係していると言うことなのである。人類は、20年前の重大な出来事、すなわち21世紀と第3のキリスト教千年紀をもたらした巨大で壮大な出来事である9・11と、この出来事を取り巻く数々の嘘と操作、そして20年間維持されてきたこの出来事に関する体制側の物語を見抜けなかったために、この最新の欺瞞に満ちた、世界規模の心理作戦を受けなければならない状況に追い込まれているのである。人類はまた、9.11以降に起こった2つの心理作戦(2008/09年の金融危機と、より最近の「地球温暖化」(別名「気候変動」)という心理作戦を、ほとんどの場合、見破ることができなかったのだ。

※9.11の問題については、ネット上に多数の情報が流れているのでここでは触れないが、人智学派にも、ボードマン氏のようにその欺瞞を指摘する人々がいる。

 これらの心理作戦に関するメディアの嘘を飲み込み、知らず知らずのうちにCOVID心理作戦に騙される準備をしてしまったのである。この最新かつ最大の心理作戦の目的は、人間を変質させ、誘惑し、奴隷にすることであり、反勢力によって不必要で役に立たない生命とみなされた地球人類のかなりの部分を消滅させることにあるように筆者には思えるのである。霊学(精神科学=人智学)は、これらの対抗勢力は何だと言っているだろうか。また、人間の倒錯、誘惑、奴隷化、消滅という目標との関係はどうなっているのだろうか。

 このことを論じる前に、絶対的に重大な時代、すなわち、シュタイナーが地球の9つの地下層と表現したところから霊的な対抗勢力がその力をもって立ち上がり、まさにこの21世紀キリスト教の時代に、彼がこの「意識魂の時代」と呼ぶところにおける人類の本来の目標から、それらの目標が到達できないようにして、代わりに人類の大部分を破壊して、残りの人々を対抗勢力とそれに奉仕するエリートたちの目的のために獲得しようと試みる時代に、私たちが生きているということを、読者に思い起こさせておく必要がある。シュタイナーは、人類は大きな時間をかけて、連続した発展のエポックを通して生きていると主張した。シュタイナーによれば、我々は第5次ポスト・アトランティス時代(彼は1413年から3573年まで続くと見なしている)を生きており、この時代における人類の課題は善と悪の関係を理解することであり、5という数字はシュタイナーの考えでは悪への挑戦を示す数字(むしろ、善と悪との間の人間の選択の数字と言ってもよい)である。例えば、逆さ五芒星が黒魔術の儀式に用いられることはよく知られているが、直立五芒星(例えば、レオナルドの「ヴィトルヴィアン・マン」参照)は、人間の中に働く道徳的な力のしるしであり、正しい方向性を示すものである。私たちは、前の第4時代(紀元前747年から1413年、グレコローマン/中世時代)に確保された私たち自身の人間の考える力、つまり自分自身で考える力を、善への奉仕のために配置することができるのである。この「善を行う」ことは、我々の時代のライトモチーフであり、いわば「死の陰の谷」を通過すること、つまり悪の力と善の力の両方を経験し、何よりも理解することなしにはできないことなのである。次の第6の時代、第4の千年紀(3573年に始まる水瓶座の時代)から、第5の時代の目標を達成したと仮定すると、シュタイナーによれば、生まれ変わったマニ(マニ教の、悪の変容の教師)が示す新しい社会生活の形態と強化された感情を通じて、悪の力を善の力に変容することが徐々に可能になるであろう。それは、個人的な思考(善に仕える思考)の強化ではなく、社会的な感情や共同生活の強化と洗練の時代となるだろう。しかし、その前に、第5の時代、そしてこの21世紀において、キリストという存在、「洗礼を受けた」人類のグローバルな自我が、多くの人々の意識の中に生まれることができるように、人の個々の人生の歩みにおける自我が21年目に完全に生まれ、成人して世界で責任を負うことができるようになったときに、針の穴を通過しなければならない。

※シュタイナーは、地球の地下に9層からなる悪の世界が広がっているとする。地震や噴火などの自然災害の真の原因はこの層にあるともしている。マニとは、3世紀に活動したマニ教の開祖であるが、未来において再受肉し、悪を善に変化・変容させるべく活動するという。人の自我は、誕生と同時に体の内に完全に生まれるのではなく、21歳頃に生まれるとされる(7歳でエーテル体、14歳でアストラル体が人の中で完成する)。

     シュタイナーは、人類が自分で考えることを学ぶにつれて、必然的に人間の透視能力が失われていったことを、さまざまな講義や著作で説明している。これは、第4紀、つまり知的-精神的魂の時代に起こったことである。しかし、1900年以降の人類の経験から判断すると、その暗黒の段階はまだ終わっていないとも言えるかもしれない!人類が精神世界から地上の存在へと深く降りていく中で、特に暗い段階は紀元前3000年頃に始まり、紀元1900年頃に終了した。1919年の講演で、シュタイナーは紀元前3000年頃にどのように、西洋でルシファーとして知られている存在が中国で人間の体に転生し、(西洋でサタンとして知られている存在とほぼ同等の)アーリマンという存在が、第三千年のまさに初めに「西洋で」、人間の体に転生するかを話した(シュタイナーはこのことを明確にしなかったが、これがアメリカであると考える強い根拠はある)。  歴史上一度だけ起こるこの二つの受肉の間に、イスラエルヨルダン川での洗礼で、イエスの中にキリストの受肉が起こったのである。

※ルシファーとアーリマンは共に悪魔的霊的存在であるが、その由来や働きは異なる。ルシファーがかつて中国で人に受肉したように、今、アーリマンは現代世界に受肉しようとしているのである。当然、それには、アーリマンにとってふさわしい世界が用意されていることになる。

 約2000年前、初期のキリスト教会は、他の人類と同様に、ユーラシア大陸で個人の思考能力が次第に物質界に向けられるようになったため、すでに自然の透視能力をほとんど失っていた。したがって、教会は、「上」の霊的世界(「天国」)と「下」の霊的世界(「地獄」)の本質に関する真の霊的洞察力も失ってしまったのである。このように、この2つの領域に住む9つの階層的な存在に対する真の理解は、教会から失われた。

    人智学は、天界と地獄の霊的世界の存在に関する真の知識を人類に回復しようとするものである。5世紀の著作家、偽ディオニュシウス・アレオパギタの教えを拡張し、3つの階層に分類された9つの天界の次元の存在について、冥界の9つの階層と、さらに、人類の発展を阻む反勢力を率いる4つの主要存在を特定している。なぜなら、これらの反対勢力による人間の発展への抵抗がなければ、人間の自由はあり得ず、したがって、究極的には愛の可能性もないことを認識しなければならないからである。どんな偉大なドラマも、特に人類の物語という偉大なドラマは、私たちの中にある闇の力からの挑戦なしにはありえない。そのような挑戦のないドラマでは、観客は眠ってしまうか、あるいは退屈でたまらないだろう。

    人智学では、人間の自由を阻む存在(逆説的にそれを可能にする存在)に光を当て、私たちが何に直面しているかを認識するために、精神的な対抗勢力を率いる4つの存在について述べている。ルシファー、アーリマン、アスラ(シュタイナーは常にこれらを単数ではなく複数で呼んでいた)、ソラト(シュタイナーはこれを太陽の悪魔とも呼んでいる)である。善と悪の謎をテーマとするこの第5の時代には、この4つの存在とその衝動に慣れ親しみ、人間の問題における彼らのサインを認識することを学ぶとよいだろう。というのも、前述のようにシュタイナーは、アーリマンが、彼の転生に近づいていることを示唆していたからである。実際、シュタイナーの示唆に基づき、私は、アーリマンの転生はすでに進行中であり、おそらく2000年5月に始まっているが、「彼の」人間の乗り物はまだ人間世界の舞台に「出現」していないと結論付けた。 他の三つの存在は、ノルマン・コンクエスト(征服)以来、ほぼ1000年にわたって準備されてきたこの巨大な現象を支援するために、さまざまな方法で働いてきた--私の考えでは--。中国がルシファーに、イスラエルがイエスのキリストに提供したように、アメリカはアーリマンの化身に文化的な舞台を提供することになるかもしれない。

      4つの存在は、人間の思考、感情、意志、そして人間の自我という、人間本体を構成する4つの主要な側面をそれぞれ攻撃する。ルシファーは人間のアストラル体に根ざした人間の感情を誘惑しようとし、アーリマン(サタン)は人間の思考を物質主義の中に奴隷化しようとする。私たちの思考は人間のエーテル体に根ざしている。アスラは、物質界における人間の意志の乗り物である人間の肉体を破壊することによって、人間の意志を否定しようとし、ソトトは、人間の自我そのものを倒錯させようとする、つまり、その反対にしてしまおうとも言える。人間の「自我」は人間のエンテレキーの中にある太陽であり、その倒錯や反転はその太陽を隠し「黒い太陽」、つまり獣のような人間に変えてしまう。実際シュタイナーはソラトの最悪の力を黒魔術の力と同一視しているのである。つまり、4つの悪魔の振る舞いに従うと、誘惑(ルシファー)、奴隷化(アーリマン)、消滅(アスラ)、倒錯(ソラト)が生じるのである。

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ヨハネの黙示録の四騎士

     人間の肉体が破壊されると、人間の精神は物質界で行動することができず、意志を持つことができなくなる。アスラはまた、肉体的な中毒や性病を含む肉体的な感染によって、人間の意志と肉体を破壊する。アーリマンが人間の思考を奴隷にしようとするとき、「彼」は乾燥した唯物論と、例えば合理的な論理における収縮と冷徹さの力を通じてそうするのである。「彼」は人間の思考を五感の限界内に拘束しようとする。この思考は精神世界や想像力さえも認識せず、人間の精神の翼を切り裂いてしまうのである。これに対して、「誘惑」という言葉は、「遠ざける」、「迷わせる」、「引き離す」という意味である。ルシファーは、人間の感情を、真に本物で、健全で、バランスのとれた、他者への思いやりから遠ざけ、実際、地上の現実と義務から完全に遠ざけ、代わりに自分自身の自己中心的な個人的問題、主観的な想像や空想に焦点を当て、これらを通して、我々をルシファー領域に導こうとする。私たちは皆、いつも夢を見ている人、熱血漢、空想家、地に足がついていないように見える人に会ったことがある。彼らはどこか「惑星外」にいて、自分自身の世界に住んでいる。ルシファーはこれらの人々を自分の意志の下に置いているか、自分の方に引き寄せているのである。

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 以上が前半部である。

岩石と鉱物は生あるものから生まれてきた ②

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  引き続き、シュタイナーの教えに基づき、岩石の起源を原初の生命に求めるヴァルター・クルース氏の『生きている地球』を紹介する。以下は、この本の第2章の部分である。

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2 生きている世界の以前の諸段階

 シュタイナーに従い、まず生命が存在し、鉱物は、死のプロセスの部分として、脱ぎ捨てられたものであるとすると、生命はどこからきたのかという問いが生じる。

 エルンスト・ヘッケルは、個々の有機体の発展は、全体としての世界の発展を繰り返す、と主張した。

※これは生物学では「反復説」と言われており、個体発生は系統発生を繰り返す」とも表現される。例えば、人間の胎児は、魚類、両生類、爬虫類、原始哺乳類という進化の諸段階を繰り返す。現在、「反復説」に対しては、否定論と肯定論があるようである。

 地球の前史は、植物、動物、人間の胎児的な発展において繰り返されている。特に、人間の生理学を通してこの過去の地球の発展の秘密を発見することは、未来の課題である。

※シュタイナーは、地球の発展過程に人間の胎児との類似を指摘している。

 しかし、鉱物界において、それは異なる。その形は、実際、生命の脱ぎ捨てられたものであり、そこで扱われるのは、終わったもの、生成の過程にある何かではない。しかし、地球の過去の生命プロセスのなにがしらを伝えるイメージをそこに見いだすことはできる。

 鉱物界で見られるのは、堆積岩のより若い層では、動物の生命プロセスの遺物が優勢であり、古い層では、植物の生命プロセスの遺物(石炭)が主である。最も古い岩石では、すべての生命プロセルの痕跡が完全になくなる。

 しかしこれは、生命体のあるものが十分に厚く残って保持されていることを伝えているだけで、他の形の生命プロセスがなかったと言うことを意味しない。原初の岩石に生命が全く存在しないと言うことは、後の時代の生命の表れとして知られるものがないというにすぎない。地球の最初期の生命プロセスが後の岩石とどのようにつながるかについては、動物や人間で、一方に新陳代謝があり、他方で、このプロセスの最終的な産物として骨、神経、脳等が後に残されたていることを観察すると、いくらかアイデアを得ることができる。後者のものは、腎臓、肝臓、肺などの組織と比較して、最小限の生命しか備わっていない。例えば、障害を受けた神経や脳は、再生能力がないのである。

 植物界に、花と種に対して木部と根という比較できる対象がある。花と種の形成は新陳代謝に、木部と根の形成は骨、神経と脳に対応する。

 人と動物がその骨,神経と脳を形成し、植物がその木の幹を作っているように、発展の中で、植物、動物と人間は、鉱物界を脱ぎ捨てていったのである。

 ルドルフ・シュタイナーは、次のようなメモを残している。

 

   斑岩の中で、世界-植物-動物が息絶える

   そして、片岩の中で、植物自然が、

   また石灰岩の中で、動物自然が、

   塩の中で、普遍的人間存在が消える。

   その対極は、そこで鉱物が燃え、消尽される硫黄である

   

   鉱物は、硫黄の中で消尽される

   植物は、片岩の中の層に熱を広げる

   植物-動物は、斑岩に感情を浸透させる

   動物は、石灰岩の中で形をとどめる

   人は、塩に思考を圧縮する

 

   炎の硫黄により、人は、地球に入ってくる

   片理のある層の中で、人は、地上の安楽を得る

   (斑岩のような)目覚めた感情により、人は、自己の四肢を見つけ、

   石灰岩の中で自分を人にして、塩を排出する中で思考の基盤を造る

   

 これらの中の、世界-植物-動物、植物自然、人間存在などの言葉は、これらの自然の世界(領域)を含んだ何か普遍的なものであり、個々に分化したものではない。この「存在」は、その生命が地球全体を形成しているという意味で、全体を包含するものである。地球自身は、かつて世界-植物-動物であり、全体が植物存在、動物存在、人間存在であったのである。この始原の全包含的実質が死に、消滅すると、そこに後に岩石、そして植物、動物と人間の個別の形が現れたのである

 この原初の地球は、惑星の天球にまで拡張した円周を持つ地球として描かれる。シュタイナーは、それが土星の(軌道の)大きさをもっていたと語っている。地球は圧倒的に縮み、干上がり、しおれ、以前の生命は死んだのである。元々は、この生命は周辺にまで活動していた。この死滅と退縮の過程で、その生命の残滓が、周辺から雨のように下に落ちて、後に圧縮し、岩石に固まったのである

 ルドルフ・シュタイナーの語る土星期、太陽期、月期の状態は、空間的には今日の土星木星、火星にまで広がっていた。この縮小の過程で、各惑星が分離されていったのである。古土星期の熱でできたガス状の原初の本体は、縮小し、古太陽期のガス状の本体になり、これが更に縮小し、古月期の液体状の本体となった。それぞれの新しい発展の前には、地球のそれ以前の段階が繰り返された。

 現在の地球期の始まりには、これらの段階が繰り返され、この地球期に特有なものが現れて、ついに、固い鉱物の形成へと至ったのである。そこにあるのは、過去よりも高次のレベルでの繰り返しであるリズミカルなプロセスである。

 地球の最初の始まりは、純粋な熱の現象である。ヒエラルキーの犠牲により生まれた熱実質は、古土星期の物質的発展の起源である。この発展の結果が、個別の生命に分化していない実質の形にある人間の胚的段階の出現である。その生命は、古太陽期に組み入れられた。同時に、熱が濃縮しまた希薄化した。光とガスが出現した。次の古月期に、人間は、感覚を与えられ、ガスは液体の状態となり、他方で音が出現した。地球期にようやく、人間は、個人的意識を発展させ始まることとなり、個体が液体から分離された。更に、個体の物質を形成できる形態原理が、音から生まれて、出現した。 

 原初の熱実質が、後の個体の鉱物の始まりであり、それは、第2段階で生命を吹き込まれる。植物界が受胎したのである。第3段階で、これが感覚を受け取り、動物界の最初の始まりとなった。ようやく第4の段階、地球期に、この実質は、意識的思考を持つようになり、人間存在が出現したのである。

 シュタイナーがメモの中で植物、動物と人間の集団的存在の死滅を語るとき、それは、そのすべてを満たしている、生命を持った植物から、個別の植物が、また感覚を持った動物が出現し始めたことを意味している。

 人の場合、ルドルフ・シュタイナーは、死滅したというような言葉を使わず、消失と言う言葉を使っている。これは、人間では、消失したものは、また火が付けられることを示唆している。完全に目覚めた意識の中で、誕生の前と死の後に、その中で人が生きた本質的な実態を地球にもたらすことが人間の使命だからである。シュタイナーのメモのこの文章は、ノヴァーリスの「霊が死ぬとき、人は生まれる。人が死ぬとき、霊が生まれる」という断片を思い出させる。

 シュタイナーは、「人は宇宙の市民であり、地上(地球)の隠遁者である」と語った。人は、実際、誕生の前と死の後に、自分の真のエレメントの中にいる。それ以前、全宇宙に埋め込まれていた人間存在は、地上に生まれることにより、消失する。しかし、地球において、人は、自己の意識の中で、誕生前に体験し、死後に体験するであろうものを再び獲得することを試みることができるのである。人は、自分自身の中に自己の真の存在に点火することができる。本来、人は、永遠に全宇宙の生命の中に埋め込まれていた。誕生の現象が始まったとき-人が誕生前に胎内で体験する浮かんでいる状態から出現する様に-個体の物質的形態で出現した。同時に、岩石と塩は、液体の地球から固体として現れたのである。

 実体の、ある集団が実際に生命を備えたときに、いくつかの状態が存在した。実体は、液体であり、熱に満たされて、空気と光であった。これは、原初のタンパク質の大気であった。後に、岩石へと硬化する実体は、この原初のタンパク質の中に溶けていた。世界-植物-動物の生命から、それの死の過程で、鉱物の実体として沈殿したものは、斑岩となった。地球全体を覆う植物的自然から沈殿したものは、薄層状の岩石(片岩、スレートなど)となった。動物的自然から沈殿したものが石灰岩となった。これらのすべての鉱物実体が卵の白身のようなタンパク質からすべて沈殿し、それらの真の存在が死んでからようやく、今日生あるものの様々な形が出現したのである。

 最後に、人間が出現することにより、「宇宙液体」から塩が沈殿した。そして、まだ柔らかかった岩石が硬くなり始めたのである。この宇宙液体、原初のタンパク質の大気、の残った名残が、塩を多く含んだ海である。その他のものは、人と動物が誕生前にその中に浮いている羊水-この液体は、相当な糖とタンパク質と同様に海の水に似た塩を含んでいる-である。

※タケダライフサイエンスリサーチセンター・疾病予防センター所長木村美恵子氏は、「海水中ミネラル濃度分布はヒトの体液(血清)中ミネラルバランスと正の相関関係がみられます。種の起源は海水からといわれているように、私たち人間の羊水はやはり海の水でしょう。私たちが産まれる前にお母さんのお腹の中で羊水に浮かんで暮らしているわけです。生まれてきて初めて水の中から出てくる。」と述べておられる。

 人と動物は、血液の中にこの原初のタンパク質のなにがしらを取り込んだのである。血液の塩は海のそれに似ている。より高次の有機体は、地球における過去の発展期の原初の生命及び感覚的実体の幾分かを、それを自分たちの感覚と意識的生命の基盤とするために保持したのである。

 シュタイナーの言う「硫黄」は、鉱物の硫黄とはあまり関係がない。「硫黄」は、古い錬金術で熱とか炎を意味している。熱において生じるプロセスのことである。例えば、植物が花を咲かすことに、生きている「硫黄」を見ることができる。シュタイナーは、この言葉を、鉱物を消尽する生きている炎を示すために用いている。

 これは、生きている熱のプロセスを通して、シリカ、アルミニウム、マグネシウムなどの鉱物が、固い輪郭を持った具体的な実体として、原初のタンパク質から分離されることを意味している。

 この燃えるプロセスにおいて、後の鉱物、特に花崗岩と緑色岩に見られるものの最初の起源が現れる。シュタイナーは、この燃えるプロセスを、全地球を包含する花咲くプロセスとして語っている。鉱物-植物の世界は、地球の発展の以前の段階を繰り返すものであるとされる。

 この燃え上がる花と植物の自然は、今も、ある岩石においてイメージ的に見ることができる。

 この鉱物-植物の世界は、非常に古く、既に古月の段階で存在していた。その時、それはまだ生きていた。今、地球で繰り返されるときに、それは死に、花崗岩と緑色岩、私たちの地球の固い基盤を形成したのである。 

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 クルース氏は、このように地球と生物、岩石の生成を概説し、この後の章でさらに具体的事例を示して論じていくが、それについては、機会があればまた紹介しよう(実はまだ呼んでいない)。
 シュタイナーによれば、地球と人間の発展は不可分のものである。この世界は、初めから人間を生み出すように発展してきており、また人間がそこで活動できるように物質的基盤(地球)を形成したのである。現代科学で言えば、宇宙論の「人間原理」が同じ立場にあると言えるかもしれない。人間が進化の「花」であることは間違いないだろう。
 しかし、このような一見宗教的観念は、近代科学の発展の中で否定され、人に特別の価値を認める考えはむしろ異端(非科学的)とされてきている(実は、それはこの地球の特別さを否定することでもある)。それは、実際には、地球と人間の本質を見失うことである。そこに現代社会の抱える病弊の真因を求める考えもあるのだが・・・    

岩石と鉱物は生あるものから生まれてきた ①

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 シュタイナーの教えは地質学にも及ぶ。しかし、それは、精神界の存在を前提とした超感覚的能力による認識であるので、当然、現代の常識とは異なる。「宇宙と人類の歩み」で紹介したように、地球自体も、転生を繰り返してきたのであり、地球はかつて現在とは異なる状態にあったのである。
 地球の最初の段階である土星期(古土星)は、熱の惑星であった。この熱からやがて現在の物質的な地球が誕生することになるのだが、もともとそれは、ヒエラルキーの上位の位階に位置するトローネ(意志の霊)という天使が、自らを犠牲にして地球に献げた自身の実質である。 霊的存在が先にあり、その働きにより今の物質宇宙(地球)ができてきたのであり、物質宇宙を構成する実質もまたその起源は霊的存在にあるのである。
 熱はやがて凝縮していき、命を吹き込まれる。空気や水が誕生し、更に凝縮、硬化が進み鉱物界が誕生する。そしてその一方で、植物、動物と人間が地上に出現するようになったのである。ただ、ややこしいのだが、人間は最初から存在していたとされる。鉱物、植物、動物は、人間が現在の形姿で出現する過程で、人間の本体から脱ぎ捨ててきたものなのである。 

 生命のないものは生命のあるものより生まれ、生命は霊より生まれたのである。

 さて、人智学派には、鉱物や地球の地質学的問題に取り組んでいる方もいる。今回は、その中から、ヴァルター・クルースWalther Cloos氏とその著作を紹介する。クルース氏は、ウィキペディアによれば、1900年生まれで1985年に亡くなっている。薬剤師錬金術師人智学薬学のパイオニアであったという。シュトゥットガルト工科大学で薬学を学ぶ一方で、鉱物学地質学も学んでおり、シュタイナーの示唆を受けて、鉱物や金属から医薬品を製造することに取り組んだようである。
 その著作に、『The Living Earth. The Organic Origin of Rocks and Minerals』(原書はドイツ語)があり、書名の通り、シュタイナーの教えに基づき、岩石と鉱物の有機的(生命的)起源を論じている。

 このような話しもまた一見荒唐無稽に見えるが、実際、岩石には生物の化石を含むものがあるし、石灰岩などには確かに生物起源のものがあるとされる。岩石の一部が生物由来であることは間違いないのである。とすれば、その他の岩石もまた生物由来であるという可能性もあるのではないかと思うのであるが、どうであろうか?
 それでは、クルース氏のこの本(英語版)から少し引用(抄訳である)していこう。

 

生きている地球
Walther Cloos

前書き

  ルドルフ・シュタイナーの人智学の観点によると、地球は生きている有機体であり、その生命は、太陽系の天体の命と星々の世界と霊的に織り込まれている。この生命の中で自然の王国-鉱物、植物、動物-として次第に発展してきたものは、すべての地球存在の最終的ゴールである存在-人間―により、後に残された諸段階にあるものである。

序言

 岩石は、貝類の動物の化石を含んでおり、そこには生命の痕跡が見える。その様な岩石は、石灰岩あるいは石灰質の頁岩に多い。原生動物は、石炭層の間に見ることができる。特に、ムシェルカルク(ドイツ中世代三畳紀石灰岩)、チョーク・・等で見られる。

 ジュラ高原、イギリス南部の海岸の崖やアメリカ大陸の中央高原について考えると、これらの巨大な石灰岩の層が、無数に増殖し、そして死滅した微細な生物により大部分が構成されていることを理解しなければならない。

 今日でも海底で、無数のこうした生き物が石灰質や外殻を排出しているが、過去のような量を見ることはない。生命の存在量が縮小していること、そしてそのプロセスの強度が緩やかになっており、この小さな生き物が過去より小さくなっていることは明らかである。

 このような観察は、石灰岩が形成された時代、生命のプロセスは、今より一層全体を覆っており、生命の多い海が広く占めており、地球全体がいっそう水で覆われた状態であったことを示している。この考えは、石灰岩の層に、初めは、魚やイモリ、クロコダイルに似た生物が見られ、さらに後には恐竜へとつながるような大きな生物の痕跡が見られることにより、補強される。

 この動物の形の変化から、この時代は、重要な移行期であったことがわかる。海の支配は、陸地の形成により終わる。少なくとも石灰岩の層において、主にそれに貢献したのは最も小さな生き物であった。

 チョーク層からより深く地中に進むと、石灰岩の層はまばらになり、そこに、青みがかったスレート(粘板岩)が特徴である岩石を見いだす。このスレートには、今日はその多くが絶滅した海生生物の痕跡が見られる。この動物の形から明らかになるのは、岩石ができたときに水が大きな役割を果たしていたものの、海は、非常に異なった種類のものであったに違いないと言うことである。石灰岩の層だけでなく、粘土質の泥も残しており、スレートは、主にアルミニウムケイ酸塩と、鉄と炭素の結合物からなるからである。スレートは、砂岩に変わり、時々、石灰岩や石灰質の頁岩に変わる。より深く進入し、地球のより早い時期に至ると、そこは、輝く雲母片岩と片麻岩が占めるようになる。片岩/スレートの時代の終わりには、全く特別なもの-石炭層-が現れる。それは、石灰岩の時代の動物の生命に対して、より植物的な生命を示している。

 更に雲母片岩と片麻岩時代よりも深く進むと、花崗岩とそれに関係する岩石に代表される原初の岩石にいたる。これらは、粒状で、水晶、雲母、普通角閃石,長石などが、多かれ少なかれ均一に混在している。花崗岩のような岩石は、粒状の構造を持ち、片岩とスレートとシェールは葉片状に分解し、石灰岩は厚みのある層により特徴付けられることを頭の中に置くことが重要である。

 シェールの深い方の層には、石灰岩、砂岩そして塩の堆積物の間に埋め込まれて、古代の生命の最も重要な遺物-石油-がある。しかしこれは、石油の一部をなすに過ぎない。石油は、第3紀にもまた現れる。それは石炭と同じで、石炭も、褐炭として第3紀にも見られるのである。

 岩石が結晶化(雲母片岩と片麻岩)し始める深さでは、化石の形での生命の最後の痕跡と印象は消えるが、ここでも、層の間には、大理石あるいはドロマイト(カルシウムとマグネシウムの二重炭酸化物)の巨大な層が見られ、莫大な植物と動物の生命活動を示唆しており、今日の藻(海藻)に似たものにより形成されたのかもしれない。

 

 重さを比較すると、地球の地殻は93.06パーセント、水は6.91パーセント、大気は0.039パーセントとなる。この地球の地殻の93.06パーセントのうち88.4パーセントは火成岩、3.7パーセントは片岩、スレートとシェール、0.7パーセントは砂岩、0.2パーセントは石灰質の岩石からなる。粒状の構造のものとして分類する岩石は、他のもの分量を遙かにまさっている。

 火成岩と堆積岩の関係は非常に異なっているように見える。地球表面は、4分の3が堆積岩で覆われており、4分の1が、露出した火成岩となっている。

 ここの地層の厚さを考えると、このすべてはどこから来たのかという問いが浮かぶ。それが探求の始まりある。

 

 現代科学の仮説は、岩石は白熱したガスから生まれたとする。ガスは,溶融した塊にまで冷え、原初のマグマを造る。冷却後、水が地殻表面に生成され、その、内部の灼熱したマグマとの相互作用で、多様な岩石ができあがった、というのである。

 この理論は、スレート/石灰岩時代の堆積岩を、単純に、最終的には冷えたマグマに由来する破片や残骸からなるとする。外殻を造るために原生生物が用いるカルシウムの巨大な塊は、原初のマグマの、海に溶けたカルシウムの内容物と説明される。

 この理論では、生物がどこから来たのかという問いが未回答のままである。現代の理論は、バクテリアが起源としている。あるいは、ビールスのような原初のタンパク質から、太陽なのどの外部からの影響により生物の発展が始まり、ついに人間が生まれたと。

 他にも様々な理論があるが、それらは、次のことを忘れている。地球には、生命だけでなく、魂を持った生命、自身を霊的な存在として認識している存在-人間-がいたのである。

 植物、動物そして人間において、鉱物は、生きており、感じ、思考する実質であり、岩石を支配している化学と物理学の法則に従属していない。しかしそれらが死ぬと、化学と物理学の法則が支配するようになり、体は分解されるのである。

 小さな生き物が、体のこうした分解プロセスを見ているとすれば、それは、今日、人が、地球の岩石に向き合っているのと同じような状況ではなかろうか? 今日、私たちは、岩石の世界で化学的、物理的プロセスのみを見ているのである。鉱物界の起源の問題は、私たちの骨を構成するカルシウムリン酸塩の量について理解されるとき、その生き物を夢中にするだろう。それは、死体に、鉄、マグネシウム、ナトリウム、炭素-それらすべては、岩石の中に広く見られる-があるのを見いだすのである。しかし、小さな生き物が、これらのすべての物質がある「秩序」の下に配列されており、これやあれの物質がそこで優勢であったり、少なかったりしているのを観察したとすると、それらは、この秩序の背後に,一つの「理念」、それを秩序立てる原理があるという結論に達するだろう。

 岩石の世界には,秩序がある。ゲーテは、自然自身がそれを整えた、と語っている。ルドルフ・シュタイナーは、岩石の世界の背後の「理念」について述べ、人は、地球の鉱物的堆積物が、以前生命であったものの遺物が変化したものであることを知ることができる、と表現している

 この以前の生命-それは今日のそれとは似ていなかった-は、自身を、現在の自然であるより高次の世界へと変容したが、その背後にその「死骸」も残したのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 今回はここまでとする。
 鉱物は生命を持った存在が残した死骸である。その生命は、現在の生物とは異なった形姿をしていたであろうが、そこにはエーテルといわれる生命原理が働いていたのである。植物、動物、人間はすべてこのエーテルにより生命体となっているが、死とは、このエーテルが体から離れていくということである。するとその体は、本来の命なき物質、鉱物にもどるのである。

宇宙と人類の歩み

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ルドルフ・シュタイナーの黒板絵「土星、太陽、月、地球」

 最近ストックがなくなってきており、次のと定めたテーマに関してネットで情報収集していたところ、思いがけない出会いがあった。
 西川隆範氏のブログにたどり着いたのである。西川氏は、私も大変お世話になっているのだが(勿論相手は知らない)、日本へのシュタイナー紹介の大功労者である。日本で一番シュタイナーの本を翻訳出版したと思われる方である(あるサイトによると130冊だという)。私がこのブログでたまに引用している『シュタイナー用語辞典』の著者でもある。
 しかし残念ながら既に他界しておられる。平成25年7月17日、御年60歳であったという。難病にかかり、2年間ほど療養したとのことである。(氏のブログによると、東日本大震災の時、「2011年春、命と引き換えに原発事故を収束させようと祈念したら、心不全になった」ということで、その後、難病がわかったという。)
 もともと真言律宗の僧侶であったが(従ってシュタイナーの視点からの仏教についての本も出されている)、高橋巌氏(この方こそ、日本におけるシュタイナー紹介の元祖である)の講演を聞かれてから、シュタイナー研究に邁進することとなり、スイス・ドルナッハやドイツでも活動された。
 これも何かの縁と思い。今回は、西川氏のブログから拝借することとする。前から、シュタイナーの地球進化論に触れなければならないと思っていたのだが、西川氏がちょうどよくまとめられておられた。
 シュタイナーによれば、地球も進化・輪廻転生してきており、その姿を時に従い変化させてきた。それはいくつかの段階を経ており、それらは、惑星の名により呼ばれている。次に、西川氏の説明を掲載する。


宇宙と人類の歩み

(西川隆範氏ブログより)

 土星=熱惑星期

 体は人間の最も古い部分であり、最も完成されたものだ。

 人間だけでなく、地球も進化しており、地球は何度かの転生を経てきている。最初は熱状態、ついで空気状態、その次には水状態だ。

 宇宙の熱状態期=熱惑星期には、熱だけがあった。熱惑星は響きを発し、外から来る光・音・匂い・味を反射していた。熱惑星で、人間の体の萌芽、感覚器官の萌芽が形成されていった。生命・心・魂は、まだなかった。鉱物・植物・動物もいなかった。

 熱惑星期の人間の意識は漠然としていたが、包括的なものだった。昏睡意識、今日の鉱物の意識だ。

 熱惑星期の最初の段階では、物質的な熱はまだなく、心的な熱があった。熱惑星の進化の中期に、熱から人間の体が形成された。〈意志の神々〉が自らの本質を、人体のために流出したのだ。ついで、〈人格の神々〉が人体に宿って、人間段階を通過した。そのあと、すべてが宇宙の眠りに入っていく。

 太陽=空気惑星期

 宇宙の眠りのあと、熱惑星が新しい形態のなかに出現した。空気惑星だ。空気惑星は、最初に熱惑星状態を短く繰り返した。空気惑星期の中期に、熱惑星の熱は空気へと凝縮した。空気惑星は熱を保ち、空気を発展させた。光が生まれ、空気惑星は輝き・響き・香りを発していた。空気惑星は周囲から注がれる光・味・匂い・熱を、自分のなかに浸透させてから反射した。空気惑星で〈叡智の神々〉が自らの実質を注ぎ出し、人間に生命が注ぎ込まれた。人間は今日の植物の段階に達した。生命が組み入れられたことによって、人間の体も変化した。栄養摂取器官・分泌器官・消化器官・生殖器官が加わった。体は、いまや振動する熱の卵であり、輝いたり消えたりする。

 空気惑星期に、〈炎の神々〉が人間段階を通過した。〈炎の神々〉は人体に宿って、個我意識を得た。

 熱惑星期に人間段階・個我意識に到らなかった〈人格の神々〉がいた。この神々は空気惑星期に、遅れを取り戻さなければならない。この神々は空気惑星で、生命に浸透されていない体にのみ宿れた。だから空気惑星に、もう一度、体のみからなるものが発生しなくてはならなかった。それが今日の動物の祖先だ。

 月=水惑星期

 空気惑星は、水惑星として生まれ変わる。水惑星は、まず熱状態・空気状態を繰り返し、体と生命が形成された。それから、水が付加された。やがて、太陽が熱と光を伴って、水惑星から出ていった。高次の存在も、水惑星から出ていった。水惑星は、太陽のまわりを回るようになった。水惑星は音に浸透され、規則正しい動きをもたらされた。形姿とリズムを体験することによって成熟した体は、心を受け取った。〈動きの神々〉が、自らの実質から、人間に心を流出したのだ。人体に神経組織が発生し、人間は動物段階に達した。

 水惑星期に人間段階を通過したのは〈黎明の神々〉だった。

 空気惑星期の段階に取り残された〈炎の神々〉は、体と生命しか持たないものを作った。それが今日の動物界の祖先だ。水惑星期に体しか有していなかった存在たちは、今日の植物界の祖先。

 植物的な性格を持った鉱物、鉱物的な性格を持った植物が、水惑星の固体・液体状の土壌を形成した。水惑星は動的・生命的であり、その上に生きる存在たちは、自分を寄生動物のように感じていた。

 水惑星期に、人間は外的な事物を知覚しなかった。人間が知覚したのは、生命を有した夢のイメージのごときものだった。内的に上昇・下降する、生命を有したイメージだ。このイメージは外界と関連しており、人間はそれらのイメージに導かれていた。心は、体と生命を遥かに越えて聳えていた。

 水惑星期に、人間は内的な熱をまだ有していなかった。人間は周囲にある熱を受け取り、その熱をふたたび流し出していた。

 地球
 ※
地球は現在の惑星状態を表すが、更にいくつかの時代に分かれる。

 ポラール時代とヒュペルボレアス時代

 水惑星は宇宙の夜のなかに消え去り、宇宙の夜から地球が出現する。地球は自らの内に、太陽と月を含んでいた。このころの地球はエーテル状で、今日の土星の軌道ほどに大きかった。地球は霊的な大気に包まれ、人間の心は上空にあって、地上の人体形姿に働きかけた。

 地球は最初に、熱状態期・空気状態期・水状態期を繰り返した。そして、人体に血液が組み込まれた。

 熱惑星状態の繰り返しのあいだに、地球から土星が分離した。空気惑星状態の繰り返しのあいだに、木星と火星が分離した。ついで水惑星状態が繰り返され、太陽が地球から分離した。太陽は、地球から分離したあと、水星と金星を放出した。

 太陽と月と地球がまだ一体であった時代がポラール時代、太陽が地球から出ていった時代がヒュペルボレアス時代。ヒュペルボレアス時代の人体は鐘の形をしており、上方の太陽に向かって開かれていた。ヒュペルボレアス時代の人間は、子どもを生むと、すぐに自分の心が子どもの体のなかに入っていったために、死を経験しなかった。

 レムリア時代

 太陽が分離したあと、地球にとって重苦しい時代が始まった。地球は、まだ月と結び付いていた。生命を阻止する力は、おもに月のなかに働く力に属している。この力が当時、地球のなかで強力に作用していた。最も強い心だけが、御しがたい体に打ち勝ち、地上に生きた。レムリア時代だ。

 レムリア大陸の気温は非常に高く、地球全体が火のような、液体のような状態で、火の海があった。地球は火の霧に包まれていた。火・液体状の地球から、島が形成されていった。人体を形成していた実質は、まだ柔らかく、ゼリーのようだった。

 月が分離していくにしたがって、徐々に人体の改善が行なわれた。魚・鳥のような姿だったレムリア大陸の人間は、直立するようになった。脳が発達し、人間は男女に分かれた。そして、人間は死から再誕までのあいだ、心霊の世界と精神の国に滞在するようになった。

 地球で人間に魂を注ぎ込んだのは〈形態の神々〉だ。月が分離したレムリア時代中期になって、魂が人間のなかに入ってきた。海と陸が分かれ、人間が空気を吸うことによって、魂が人間のなかに入ってきたのだ。

 レムリア時代に人間の心に働きかけたのが、堕天使ルシファーだ。ルシファーは人間を、神々の予定よりも早く、物質界に引きずりおろした。ルシファーが人間の心に働きかけたことによって、神々のみが働きかけていたら受け取っていなかったはずの衝動・欲望・情熱が、人間に植え付けられた。人間は神々から離反する可能性、悪を行なう可能性、そして自由の可能性を得た。

 自然法則と人間の意志は分離していなかった。人間の邪悪な情欲は自然に働きかけ、火の力を燃え立たせた。多くの人々がルシファーの影響を受けて、悪へと傾いたことによって、レムリア大陸に火の力が燃え上がった。レムリア大陸は、荒れ狂う火によって没落する。

 アトランティス時代

 助かった人々は西に向かい、アトランティス大陸に行った。霧の国だ。アトランティス時代前半には、人体はまだ柔らかく、心の意のままになった。アトランティス大陸の人間のうち、愚かで感覚的であった者は巨人の姿になった。より精神的な人間は、小さな姿になった。そして、アトランティス時代に言語が発達した。

 進化から逸脱した霊的存在アーリマンが、アトランティス時代中期から、物質のなかに混ざり込んだ。物質は煙に浸透されたように濁り、人間はもはや神を見ることができなくなった。アーリマンは人間の魂を濁らせ、天界を人間の目から隠す。

 人間の内面・心を惑わせようとするルシファーと、外から人間に向かってきて、外界を幻影つまり物質として人間に現われさせるアーリマンがいるのだ。ルシファーは内面で活動する霊であり、アーリマンはヴェールのように物質を精神的なものの上に広げて、天界の認識を不可能にする。

 アトランティス人は記憶力が発達しており、先祖の体験したことがらを明瞭に記憶していた。アトランティス時代後期に、生命の頭と体の頭が一致することによって、自己意識が発生した。アトランティス時代の終わりには、二種類の人間がいた。第一に、アトランティス文化の高みに立っていた透視者である。彼らは魔術的な力をとおして活動し、天界を見ることができた。第二に、透視力を失い、知性・判断力を準備した人々がいた。彼らは計算・概念・論理的思考などの萌芽を有していた。

 アトランティス人は意志によって種子の力、空気と水の力を支配できた。アトランティス人の意志が邪悪なものになり、心の力を利己的な目標に使うようになったとき、彼らは水と空気の力も解き放った。こうして、アトランティス大陸は崩壊する。

 アトランティス大陸には秘儀の場があり、そこでアトランティス大陸の叡智が育成された。さまざまな惑星から下ってきた人間の心にしたがって、七つの神託が設けられた。太陽神託の秘儀参入者は、魔術的な力をもはや有していない素朴な人々を集めた。そのような人々が、アトランティス大陸の沈没から救出され、新しい時代を築いていく。

 アトランティス後の時代

 アトランティス時代後の最初の文化は、太古のインド文化(蟹座時代の文化)だ。アトランティス大陸を沈めた洪水から逃れ、太古のインドに集まった人々は、天界への憧憬を有していた。そこに、太陽神託の秘儀参入者は七人の聖仙を遣わした。太古のインド人は、「物質界は幻影である。私たちが下ってきた天界のみが真実である」と感じた。

 つぎの双子座時代である太古のペルシア文化期に、物質界は虚妄ではなく、精神的なものの表現・模像であると認識され、地上を改造しようという思いが現われた。

 第三のエジプト文化期(牡牛座時代)において、天空の星々に神的な叡智が込められているのを、人間は見出した。人間はまなざしを上空に向け、その法則を究明しようとした。

 第四のギリシア・ローマ文化期(牡羊座時代)に、人間は完全に物質界に下った。そして、外界・物質に、自分の魂を刻み込んだ。

※西川氏のブログはここで終わっている。ギリシア・ローマ文化期は15世紀まで続き、現在は、第5の文化期となる。その後、ロシア文化期、アメリカ文化期へと続くという。また地球は、今の地球期の後に、木星期、金星期をへて最後はヴァルカン期となる。金星の次はまた土星となるのではなく、以前より高次の段階に至るので、ヴァルカン星と呼ばれる。
 ちなみに、現代は第5文化期で、人間は最も深く物質世界に入り込んだ時代だという。それに適応したのが人の悟性魂であるが、新たな心魂として、霊的な萌芽を含んだ意識魂が既に人には生まれてきており、それを発展させていくことが今後の課題となっている。現代世界では、唯物主義的な英米の文化が主流となっているが、次のロシア文化は霊性が重視される時代となる。こうした文化の移行には、新しい波と古い波の間で軋轢が生まれることがある。現在の様々な現象の背後に、既にその影が見えるという人もいる。これについては、別の項目を立てたいと思っている。

心臓はポンプではない ⑧

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 トマス・コーワン博士の『人間の心臓、宇宙の心臓』を紹介する最後の回である。哲学的な話しとなっているが、人と心臓の本質に関わる内容と言える。

愛と心臓

 Paul Pearsall 博士は、神経心理学で、心臓移植患者のカウンセルを行っていた。1999年の本『心臓のコード』で、彼は、新しい心臓が持つ意味深い効果について記している。移植を受けた患者の多くが、人格-存在のエッセンス-の重要なまた説明できない変化を経験していた。ショッキングなのは、この新しいエッセンスは、しばしば心臓のドナーのエッセンスを反映していたのである。

 心臓移植が恐怖をもたらしたり、移植手術を通して強力な医療行為、薬品が用いられるので、それらが短期、長期の心理的影響を与えたというような説明も可能だろう。
 だがこれらは、Pearsall 博士が患者から聞いた強烈な変化を十分には説明できない。彼は本の中で、白人の中年男性の話を記している。彼は、人生のすべてを工場で働き、人種差別を支持しており、オペラやクラッシック音楽等の上流の文化には縁がなかった。その彼が、心臓移植を受けた後、妻に言わせれば、ほとんど新しい人物となっていたのである。彼は、アフリカ系アメリカ人がよく行く場所に出かけるようになった。以前遠ざけていたアフリカ系アメリカ人とも友達になった。歩き方も変わり、クラシック音楽を聞くようになったのである。
 初めこの変化を彼は隠していたが、やがて甘受するようになった。彼が、自分のドナーを探したところ、それは若いアフリカ系アメリカ人であった。その若者は、クラシック音楽の学校に行く途中に、撃たれて亡くなったのである。

 このような話しは多い。また、ドナーは、健康だが突然の死に遭遇するケースが多いので、その死の当日の出来事についての、移植を受けた人たちの詳しい知識により、警察による犯罪の解決に役だった例もある。勿論、移植を受けた人たちが、そこにいたり、聞いたりしたのではないが、詳細を語ることができたのである。

 このような変化は、腎臓や肺の移植では起きない。そしてこの新しい人格は、拒絶するか受け入れるかの選択ができる。何人かの人々は、それを押しとどめるが、しばしば、その後の人生は、大きな苦労と葛藤に見舞われる。他の人々は、それを受け入れ、その流れに乗る。
 この現象は、心臓移植者の中で最も劇的なものであるが、私たちの中で、このような体験をする者はいないだろうか? しばしば、病気や事故のような、悲劇的で、トラウマをもたらす、あるいは恐ろしい体験の後で、人生の岐路に立ち、既知の人生-親しみがあり安楽であるが、もはやその人にふさわしくない-にしがみ付くか、あるいは、驚きをもたらすが、わくわくするような信念の飛躍-そこでは、あなたの中にある何かパワフルなもの、あなたの心臓にあるような、あなたに未知の方向に、恐れなく前進させる勇気を与える何かに導かれるーをとるかの選択に直面する。

 人が妻に会ったときは、新しい心臓を得たような感じを覚えるだろう。それは、何かあるものからの贈り物であった。人は、それを選択したのである。この選択をする勇気を我々に与えるものは、愛だと思う。愛を見いだすところでは、心臓を見いだすのである。それは、我々の存在の核であり、我々のエッセンスを保持するものである。

 心臓は愛とどのように関係するのだろうか? 心臓学者によれば、おそらく何もないだろう。心臓は、繊細に神経が張り巡らされた特別な肉の塊である。太陽中心説的な現代科学は、心臓と愛には関係がないという。しかし、時代や文化を越えて、多くの人々は、愛を体験し、それを心臓と結びつけてきたのである。

 愛は、他の感情よりも、私たちの本質的な自己を含んでいる。私たちの本質的な自己とは何か? 物質的には、常に細胞が入れ替わるので、体は、その年齢年齢において異なる。子ども時代と老人の時では、同じものは何もない。
 しかし、我々は皆、人生のそれぞれの時期を通して続いている糸、エッセンスがあることを知っている。このエッセンスは、誕生まで、あるいはその前まで達し、また死の日まで続いている。自分自身を指す時に、指差すのは足や生殖器、頭ではない。心臓を指すだろう。そこに自分が住んでいると感じているのだ。
 他の人とつなぎ会いたいとき、自分の足やお尻に向けて抱き寄せるだろうか?そうではない。人は、愛する人を、心臓に向かって抱き寄せるのだ。
 私たちは、堅い信念を伝えたいとき、しばしば握りしめた拳-心臓とほぼ同じサイズと形である-を心臓の前に掲げる。

 愛は、必然的に、私たちの存在の最も深い部分、エッセンスを含んでいる。「私の足を持ってあなたを愛する」「私の脳が愛している」とは言わない。

 エッセンスと同様に、自由も愛の定義の不可欠な部分である。愛する人と過ごしたり、戦ったり、守ったりするのは、自由な選択に基づく。銃を突きつけられて、あるいは経済的理由で愛するのではない。愛には、選択が存在しなければならない。もっと正確には、変えられない関係性の中に、選択がなければならない。世界は、人に可能性を提示しているように見えるが、その道に従うように強いられているかのようである。それは、あなた自身の中の力強い何かが、あなたを導いているのである-あなたの脳が何を言おうとも。

※本文は以上となる。次は後書きの部分である。

心臓をケアする方法

・良い食べ物、良い食べ物だけを食べること。伝統的に栄養があるとされているものから始めること。

・良い水のみを飲むこと。純粋で、ミネラル化しており構造水となっている水を。

・できる限り陽光に当たること-焼かない程度に。

・できる限り裸足で歩くこと-特に、浜辺、湖、川そして海で。水とたわむれること。

・できるだけ多くの生き物の健康を回復するように努めること。生き物とは、植物、動物、山や野原、川、関係性、そして他の人々を含む。私たちの周りのすべてのものは生きている。責任を持ってケアする生き物を見つけ、それらを慈しむこと。それらを愛し、守り、それらのために戦うこと。

 自分が聞いてきたことではなく、自分の心臓が真実であると知っているものは何かを自分自身に問うことである。知ると言うことは心臓から来るのである。

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 以上が『人間の心臓、宇宙の心臓』の最後の章と後書きの要点である。
 ここに心臓臓移植により人格が変わった(心臓のドナーの人格が現れた)という話が出てくるが、骨髄移植を受けた人では、その人の DNA が 100%、ドナーのDNAに置換されるそうで、人格も変わるという話があるようである。心臓と骨髄に共通するのは血液であり、シュタイナーによれば、血はその人の自我の現れであるから、そのようなことになるのだろうか?
 また、ここでコーワン博士は、結局、人のエッセンスは心臓にあるということを語っている。英語のHeartは心という意味でもあるし、日本語でも、心臓は、心の臓器である。心臓は、一見筋肉の塊にすぎないように見えるが、人間の中心、核であるらしい。
 人智学派では、脳で考えるのに対して、心臓で考えるという概念がある。後者に移行していくべきであると言われる。また心臓から頭にエーテルが流れており、それにより脳が認識器官になっているとされる。さらには、未来においては、心臓は新たな器官に変容し、心臓は随意筋をもつようになるとされているようである。
 古来、心臓は太陽や金との関係が認識されていた。単なるポンプではないのである。

 ところで、⑦の記事において書き忘れたことがあるので、ここに記したい。⑦の中で、人の反応速度は、神経伝達物質による伝達では説明できないほど早い、むしろ超伝導性をもつ金のORMEが関係しているというようなことが書かれていた。ここで、コーワン博士は、音を聞いて、それが脳に達し、今度は、脳から例えば指の筋肉を動かすような指令が神経をとおって指に伝達されるというような一般的常識に基づいた話をしているのだが、実は、シュタイナーは、いわゆる運動神経はないと語っている。すべて感覚神経ということである。動かすのは「自我」の意志であり、いわゆる運動神経とは、体を動かすときに新陳代謝において起こっていることを知覚する感覚神経に他ならないといっているようなのだ。
 また、人の意識、こころは、もともと身体とは独立しており、脳の中に局在しているのではない。従って、こころは、神経を通さずに働けるのであり、コーワン博士がここで取り上げている例については、こころの独立を証明するものであるとする者もいる。
 いくつかこのテーマの本もでているので、いずれこのようなことも紹介したいと思う。
 「心臓はポンプではない」のテーマについては、更に他の方の本も出ているので、今回で終了とせず、今後に継続することとする。

心臓はポンプではない ⑦

 

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「心臓はポンプではない」という説を巡り、トマス・コーワン博士の『人間の心臓、宇宙の心臓』を紹介してきたが、今回は、その続きである。この本で言えば第11章にあたる。内容は本題からはずれるが、興味深い論説なのでここに紹介したい。

 

黄金の心臓

 不健康の最大の要因が貧困であることは知られている。

 Weston A Princeは、世界中のコミュニティや文化の、民俗学的な栄養学的調査を行った。彼は、砂糖と加工食品をとる割合が低いほど、住民の健康度が高いことを発見した。彼らは、お金がないにしても、貧困の中に生きているのでも不健康なのでもない。これは、不健康や病気の真のリスク要因は、生活上の基礎的な必要物を取得するのに、また社会的そして物質的毒が蔓延する状態を避けるために、お金が必要な社会において、お金をあまりもっていないということであることを示唆している。

現代社会で蔓延する病気の原因には、生活・労働上のストレスや環境や食物中の有害な物質などがある。貧困な者は、ジャンクフードに頼らざる得ないなど、貧困故にそれらを避けることが難しいのだ。トマス・コーワン博士は、別の本で加工食品の問題も指摘している。

 金(黄金)は、数千年の間お金として用いられ、権力のシンボルであった。金がお金との関係を断ち切られたのは、1973年のニクソン・ショック以来である。多くの人は、金とお金の関係が長く続いたのは、金が希少で容易に分割できるからと思っているが、私はそれ以上のことがあると思っている。
 ファラオや王は、自分の権力や神性なものとの関係を示すために金を用いた。
 今や、お金は、政府により造られ、何ものにも、金にさえも関係がない。このように造られるお金は、完全に想像上のものである。

 これとは別に、金には、宇宙的側面がある。

 心臓や循環系には、意味のあるほどの量の金は存在しないとされる。金は、血液にごく微量見いだされるのだが、それに生理学、病理学的に意味があると唱える者はいない。金は、腐敗せず、酸化しない。また超伝導にはならない。しかし、錬金術師がそれを求めたように、人間に重要な意味を持っている、黄金の「純粋な」形式があると主張する者達がいる。
 黄金のこの形は、Orbitally Rearranged Monoatmic(電子軌道で再配列された単原子)(ORMEあるいは ORMUS)と呼ばれる。ORMEは、金、銀、プラチナで起きる形状の変化を表している。金においては、電子が原子核の周りを回りながら、他の原子と結合することができる。結果して、塩化した金のような混合物となる。渦を形成する状態においては、しかし、原子は、その電子を引き戻し、ハイスピードの圧縮された形状をとる。この形状では、他の元素と混合物を形成することは不可能となる。フィギュアスケーターがより早いスピンを得るために腕を縮めるように、原子が早く回転するほど、電子は原子核の方に引っ張られる。この状態の元素は、二つないし三つで形成されるが、単原子と呼ばれ、他の元素と結合しないので、エレメンタールelementalと呼ばれる。

 銀と金の混合物のワイアーは、最も良く伝導するものの中に入るのだが、ORMEは、もはや熱や電気を伝えない。また、それは重さが変わってくる。軽くなるのである。さらにORME元素は、熱や電気を通さないが、一種の超伝導体で、光速で様々な「インパルス」を伝える能力がある。摩擦を劇的に減少させ、それにより伝達に必要なエネルギーも減少させ、伝える速度を劇的に上げるのである。最も驚くべきことは、それが、分光測光器のような一般的な原子測定器で計測できないことである。これらの測定器は、元素と器機の相互作用に基づくからである。ORME元素は、他の元素と影響し合うことがないのである。

 神経の作用については、次のように一般的に説明される。神経は、長く細い(親水性の)神経細胞シナプス)の束よりなる。神経細胞は、シナプスで終わる軸索突起として知られる突起をとおる電気及び化学信号により情報を伝える。電気化学的な神経インパルスは、ゴムに包まれた銅線のように、ミエリンと呼ばれる脂質のコートにより保護されている軸索突起の内部を運ばれる。セロトニンドーパミンのような神経伝達物質により・・・
 神経は、最終的に筋肉のような目的地にたどり着き、それを「点火」し、運動のような計画された行動に終わる。

 この説明は一見よくできている。しかし次のことをしてみよう。2本の人差し指を顔の前に掲げ、パートナーに、右か左と言ってもらう。それを聞いたら、その指をすぐぴくっと動かすのである。聞いてからそれにかかる時間は、ほぼ瞬間である。
 人の口から音波が鼓膜に達し、このインパルスが、カルシウムとマグネシウムの変動により神経を伝わっていき、「濠」に達して、神経伝達物質を放出し、それが濠を泳いでいき、適当な場所で留まり、次の化学的偏りの消去をセットする、その時間が、1秒の100分の1、あるいはほぼ瞬時と言うことが信じられるだろうか。
 10から20の神経伝達物質に従ってインパルスが脳に到達し、しばらく脳内を旋回した後、運動神経に出ていき、ついに、指に達して、その多くの筋肉の動きを同時に調整するのである。しかし、私たちの経験では、それは一瞬である。そのプロセスはあまりにも早すぎるし、うまく調整されているのだ。そこには、神経伝達物質やカルシウムのフローの他の何かが働いているはずである。
 生命現象で体験することは、古いニュートン的なビリヤートボール型の説明では、適切に説明できなのである。

 物理学の概念を借りると、人は、その基礎に電子の瞬間流動がある、量子コヒーレンス有機体であるようにみえる。それで、人の声に反応して、ほとんど瞬時に体中に現象が生じるのである。瞬時に筋肉を調整するこの能力がなければ、生命は存在し得ない。神経学者達が焦点を置いている化学的現象は、この結果である。

コヒーレンスcoherenceとは、波の持つ性質の一つで、位相の揃い具合を意味するが、英語には「首尾一貫している」という意味があり、ここでも「物事がかみ合って調和がとれている状態」というような意味であろう。

 従来の医学が無力なのは、この原因と結果(痕跡)を取り違えているからである。本来の原因を扱っていないのだ。

 この量子的結合現象は、神経の中でどのように生じるのだろうか?まず、軸索突起は、構造水を内側に造るのに適している親水性のチューブである。構造水は電荷を生み、運動を起こす。電子は、途方もない距離でも瞬時にインパルスを送る。循環系と同じように、構造水と電子の流れは、神経伝達の背後にある力であり、その通った後に化学的痕跡を残すのである。

 しかし生物は、電気的インパルスのデバイス以上のものである。私は、生命と呼ばれるもの-シュタイナーがエーテル体と呼んだもの-は、化学的物質の、量子コヒーレンス超伝導現象への変容であると信じている。生命は、常に、その部分の総和以上のものである。また生命は、その部分部分に還元すると生命ではない。病気の効果的治療ができない理由は、生命を非生命から区別する適性は基礎がないことである。人間は、コヒーレントで、電荷をもち、光に満ちた存在である。また病気、健康、命というのは、名詞ではなく動詞であり、ダイナミックなプロセス、常に流動し交換(入れ替わる)するものである。

※上は、シュタイナーの言う「エーテル」についてのコーワン博士流の解釈であるが、エーテルについは、人智学派内で様々に議論されており、コーワン博士の解釈がすべてではない。物質世界を生み出し支えている実質であり、そこには広大な世界が広がっている。

 超伝導の物質はどこから来るのか? 金は、最も突出した重要なORME元素であり、そしておそらく、世界中で、賢人、錬金術師、霊的探求者が求めてきたものである。それは、それがなければ神経伝達と生命自体が成り立たない、第一の超伝導マトリックス(母体)、黄金の宇宙的形である。
 地上的黄金を宇宙的黄金に変換する最も効果的な方法は、それを光速の渦の中に入れることである。渦のスピンが早いほど、中央は温度が下がる。それは、一般的に、あるものが早く動くほど、それは暖かくなるので、物質の通常のふるまいをゆるさない。この光速の渦を、心臓のチェスタヘドロンの形が生み出すのである。黄金の心臓は、地上的元素を宇宙の黄金に変容し、それにより生命の基盤を与えるという、ユニークな能力に関係しているのだろうか?

 以上が「黄金の心臓」の章である。体内にごく微量に存在する金が、実は大変重要な役割を担っており、それは心臓と関連しているようなのである。

 ところで、ORMEは ORMUSオームスとも呼ばれるが、こちらでネットを探ってみると、また色々な情報が出てくる。
 例えば、「オームスは、"ハイスピン" 金属原子のことで、主に金や銀プラチナの中にも含まれています。白い極微細なパウダー状態となるため「ホワイトゴールドパウダー」とも呼ばれています。・・・ オームスが高濃度で摂取すると、物事や願望を現実化させる速度を上げたり、健康とエネルギーの増加、人間関係の向上、直観力の向上、良質な睡眠、松果体の活性化、迅速な、DNAの修復の可能性を持つ」などとある。また重力を軽減する、古代の賢人達はこのような性質を理解し、活用していたというというような話もあるようである。
 神秘学的には、金は太陽の金属である。やはり金、太陽、心臓は関連があるようだ。