k-lazaro’s note

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レムリア大陸

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現代の古地質学に基づくレムリア大陸の位置

  以前「月の分離」で紹介したDankmar Bosse氏の『地球の歴史に関するエッセイ』(英語版)から、今度は、レムリア大陸についてのエッセイを紹介する。レムリア大陸は存在していたようである。

 レムリア大陸とは、シュタイナーや他の神秘学派により、アトランティス期の前に人類が生存していたとされる大陸であり、そこにおける人類の進化の時代は、その名を取り「レムリア(文明)期」と呼ばれる。地球と人類の太古における歴史については、「アトランティスの大異変とその後の時代」を参照されたい。

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レムリア

 月の地球からの分離は、第4レムリア期の終わり-古生代中生代の間で、たぶん石炭紀-におそらく完成した。中生代から新生代への地球の第2の大きな移行は、その時に起きた。シュタイナーは、明確にこのエリアについて、前人類が住み、「今のアジアの南、アフリカの東、そしてオーストラリアの北にある」と語っている。彼は、それが、シュタイナーの時代に、スコット・エリオットが描いた地図のように、インド洋に沈んだとは語っていない。

 彼は、超感覚的知覚により、当時の観念では全く認識されていなかった、海洋探査、プレート・テクトニクス、大陸移動により、今日正確に地質学と古代地理学的に証明されているこのエリアの絵を得たのである。このことは、アフリカと南東アジアの間を、いわゆるテチィスをあらわす海洋エリアとするこの地図から明らかである。しかし、中国の地質学のデータが公表されて以来、オーストラリアとの関係も、古生物学的に証明されるようになり、これは海を排除するものでもある。これらのプロセスは、地球と月がまだ結合していたときに主に生じた。それらは、始生代と古生代の時代に、太陽に向いていた地球の3分の1の部分に地殻のプレートを形成した。それは、地球が回転していない間であった。地球表面のほとんどの場所、この大陸エリアの外側で、熱を持った花崗岩の塊が泡立っていたのである。大洋の水は、まだ生物圏の中にあった。

 

※テチス海 (Tethys Ocean, Tethys Sea) は、パンゲア大陸の分裂が始まった約2億年前ないし約1億8000万年前から、新生代第三紀まで存在していた海洋である。テーチス海、古地中海ともいう。ローラシア大陸ゴンドワナ大陸に挟まれた海域で、現在の地中海周辺から中央アジア・ヒマラヤ・東南アジアにまで広がっていた。また西側にも広がっておりカリブ海まで達していた。

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 他方、大陸の鉱物は、シュタイナーの次の言葉を証言している。「地球の鉱物界は、人類の一般的進化から排出されることにより生まれたのである。その構造物は、月が地球から分離したときに、残され,固化したものである。」この最も古い大陸のコアの上に、まだ非常に柔らかな体であった人類が、地球の、暖かい大気と水が混合した生物圏の中に生きていた。続けて、「以前、人間は、固い地球の上を漂い、泳いでいる繊細な有機体のように生きていたが、地球の周囲から、多かれ少なかれ既に固化した地球の地域に降下することとなった。」生命圏には、月期に続くすべてのものが、胚の状態で保管されている。即ち、現在人間を取り巻く、鉱物、植物、動物、そして空気と水のすべてである。今日、様々な有機体に分化している生命は、まだ地球全体に浸透していたのである。それは、感じ、思考する命ある存在であった。シュタイナーは、原初のレムリアの状態を、タンパク質のようであったとしている。それは、卵と比較できるが、もっと繊細で、水分を含んだ蒸気のようで、生命や、場所により異なる熱に貫かれていた。これらの実質が、人間ー動物の生命の基盤を形成したのである。花崗岩は、将来の大陸のコアを形成するため、地球の生命圏から玄武岩マントルへと沈殿した最初の実質である。今日、片麻岩、雲母片岩、フィライトそしてスレートが、玄武岩の上に層をなしている。それらは、地球の生命圏における、植物の死に伴う物質の形成の目撃者である。シュタイナーによれば、「片岩において植物の自然は息を吐き出す(息絶える)。植物は、片岩に熱を広げる。片理層の中で、人間は、地球におけるくつろぎを覚える。」この宇宙的な熱は、莫大な量の有機グラファイトと固い石炭の中に蓄えられている。鉱物ー植物の包括的自然は、死に、スレート化石の痕跡を残す一種のみの植物の個体となる。

 月の分離の終焉は、古生代中生代の間の、生命世界の全発展に完全な断絶をもたらした。柔らかな体であった人類は、男女に分かれた。ルチファーが、誤りと病気をもたらした。その後、人間は、地球の周辺から固化していたレムリア大陸へと降下した。人は、知恵を得たが、自我はアストラル体に強く依存するようになり、それは、自我を人間の形姿、熱を持つ赤い、鉄の豊富な血に引き込んだ。霊界から分離され、「罪」に落ちたのである。・・・ルチファーの衝動のため、人間意識に感覚世界が立ち上がり、超感覚的知覚は消えていった。・・・

 月の分離と両性の分離と一緒に、まだ固まっていない膨大な花崗岩の塊が、地球表面近くの冷たい空気ー水層で速やかに固体化した。そこで、多くの長石の結晶を含む広大な斑岩層が形成された。それは、単調な平面ではなく、それぞれの結晶は、二つの個別の形が鏡像として組み合わさった二重の平面構造をしている。・・・シュタイナーのノートによれば、「斑岩において、世界-植物ー動物は息絶える・・・植物ー動物は、斑岩に感情を浸透させる。・・・感情(斑岩様)を覚醒することにより、人は自分の四肢を見つける。・・・」この宇宙創造の力が、人間の性の分離と霊界からの分離を引き起こしたのかと問うことができる。

 動物界のその後の発展は、石灰岩の中の化石に刻印されている。それらは、全く新しく出現したもので、先ず、レンズ形で結晶化した水晶の中に保存されている。・・・最古の結晶化した石灰岩には、既に珊瑚や、貝他の下等動物が広がっている。原初のバクテリア生物から、今日のアルプスの山岳地帯では、数千フィートの石灰岩の塊が形成された。石灰岩の中で、動物は個別種に分化している。そこにとどめている形は、当時の人間のイメージである。植物がスレートの中に広がっているのに対して、動物は、内側に戻り、自身を分離している。頭骨をもった両生類は、固化する力を示している。こうして、中生代に新しい動物集団が現れた。

 は虫類が支配し、恐竜と共に、地上動物の大部分を占めた。両生類はまだ変温動物であるが、は虫類は、最初に熱機関を始めて発展させた。内温動物になったのである。動物は、恐竜や鳥のように、自分の体で立ち上がる傾向を示した。大気(空気)が、彼らの生息地として征服された。初期の哺乳類において、繁殖は外部から体の中に次第に移った。

 中生代の終わり、第7レムリア期に、再び全ての植物、動物世界は死んだ。地球は巨大な変化を経験した。レムリア大陸は、オーストラリアとアフリカから分離し、アジアの下に潜り込み、ヒマラヤ山脈を引き上げた。アメリカ大陸は西に移動し、高山地帯を造りだした。これが、「レムリア大陸の沈没」である。シュタイナーによれば、「前人間が生きていた大陸塊の消滅が生じた、火山性と言える、地球進化におけるカタストロフィと呼びうるものである。」諸大陸の縁は、巨大な玄武岩の洪水により覆われた。レムリア大陸のその最大のものは、インドの南とオーストラリアの北で、太平洋の底にある。このあふれ出た玄武岩は、図で緑色の部分で示されており、シュタイナーによれば、「これらの人間存在は、自分のエゴの炎のスパークの制御できない力を展開し、彼らは、その周囲に、協力で破壊的な炎の力を及ぼすことができた。その結果は、驚くべき地球的カタストロフィであった。炎の嵐は、当時の人が住む地球の地域の大部分を破壊し、それと共に誤りを犯した人類滅ぼした。」その後、再び、生きるための全く新しい環境と、人類の発展段階が、新生代と共に始まる。アトランティス時代である。

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人類のレムリアからアトランティスへの移住とアトランティスからの哺乳類のグループ

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 エッセイは、次にアトランティス大陸へと移る。