最近、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアはザポリージャ原発へのテロ攻撃を準備していると主張している。だが、今この原発を管理しているのは当のロシアである。またその被害は当然ロシア領にも及ぶ。通常の思考ではあり得ない話である。
これまでも、ロシアが行なったと主張されたウクライナでの残虐行為は、実際にはウクライナ側が行なったものであると指摘されている。今回の「テロ攻撃」の目的については、NATOを参戦させる口実作りという分析がある。ウクライナの「大攻勢」は既に失敗しているからである。
しかし、NATO参戦は、ヨーロッパの破壊、ひいては第3次世界大戦にもつながるおそれがあるものである(ロシアは最悪の場合としてそれも見越して準備をしているようだが)。
だが、マスコミを信じてウクライナ優勢、ロシア劣勢という状況を信じている多くの人は、原発へのテロについても、その嘘を信じてしまうのだろうか。世界はまただまされるのだろうか(日本のマスコミはさもロシアのテロがありうるという立場の報道ばかりである。報道の公平性は日本に既に存在しない)。
今、コロナやウクライナの嘘が世界を覆っている。真剣に事実を見極めようとする人達は、その嘘を見抜いているが、世界中で、圧倒的多数の人達は、残念ながらその嘘にどっぷりと浸かっていて抜け出せない。
マスコミなどのメディアを通したいわば一種の洗脳のような状況が世界的規模で起きるようになったのは、米国における9.11が一つの画期となっているのではなかろうか。こう言うのは、当然、9.11も嘘であるということが前提である。
日本では、9.11について米国政府の公式論とは異なる背景を語ると直ぐに「陰謀論」とみなされるが、外国に行くと事情は異なっている。公式見解を信じないない人はかなりいるようである。いわゆる非西側に多いのかもしれないが、西側にも存在する。それは人智学も同様である。
私は、9.11を、テレビを通してリアルタイムで見たのだが、あまりにも衝撃的で、現実に起きているとは信じられない、まさに映画を見ているような感覚があった。しかし、勿論、その時は、それを疑うことはなかった。
その後、世界中が騒然とし、いつの間にか中東を戦火が襲った。9.11を理由とする米国の姿勢に、この頃から、何か不自然なものを感じるようになった。「テロとの戦い」という言葉にも、冷戦終了後に都合の良い敵が生まれたものだと思うようになった。米国の「軍産複合体」にとってあまりにも好都合な展開であったからである。
その内に、「9.11陰謀論」があちこちで語られるようになった。不信を感じていた私は、積極的にその様に主張する情報に接するようになったが、結果的に益々疑いを深めることとなった。
今やこうした関係の情報はネットの世界でも溢れており、ここで多くは語らないが、今回紹介する文章で、「ツインタワーと第7ビルが爆破されたことは、化学的に分析された破片によって証明されている。航空機の衝突は、ビルの爆破とは何の因果関係もない」と述べられているように、多くの専門家が科学的に研究し、ビル崩壊の公式発表の矛盾を公表している事実は重いだろう(ちなみに、第7ビルは巻き添えを食って倒壊したとされるビルであるが、ツインタワーと離れており、どうにも理解不能な出来事なのである)。
さて、9.11は、一つの画期であったと述べたが、実は、それには前例があった。そしてそれが、9.11の時にも利用されたのだ。それは、日本による「真珠湾攻撃」である。
今回紹介するのは、TH・メイヤー氏のこの問題に関する講演の記録である。
出典は、メイヤー氏の論稿や講演録をまとめた『モーゼから9.11へ Von Moses zu 9/11』という書籍である。
メイヤー氏は、このテーマについて詳しく述べた『Reality, Truth and Evil』(原書はドイツ語)という本を出しており、私は、先にこれを読んでいたのだが、これで初めて人智学派のこうした問題意識に触れたのである。この本を読み、改めて9.11への疑問を募らせ、「陰謀論」への見方を少し修正するようになっていったのだ。「陰謀論」にも真実の一端があるということであるが、その秘教的背景について知るには、更にその後、いくつかの本に触れる必要があった。
今回の記事の元となったメイヤー氏の講演は、2005年に行なわれたのであるが、その内容は、現在の世界情勢を考える上でも大いに参考になると思われる。内容には、シュタイナーに基づく、欧米の隠された戦略についての指摘など、既に紹介済みのテリー・ボードマン氏の論考と内容が重複する部分がある。
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トーマス・メイヤーによる講演(2005年6月3日、ウィーン)
この短い講演は、2005年6月にウィーンで開催されたジミー・ウォルターズ(米国)が主催・資金提供した9.11会議の中で行われたもので、約2000人が参加した。この会議はオーストリアのメディアにも広く反響を呼んだ。他の講演者には、飛行機がタワーを直撃する前の地下室での爆発の目撃者であるノースタワーの管理人ウィリアム・ロドリゲス、広報担当のウェブスター・タープリー、弁護士のフィリップ・バーグ、そしてカナダ人ジャーナリストでテレビ司会者のバリー・ズウィッカーがいた。
一方、ニューヨークのツインタワーと第7ビルが爆破されたことは、化学的に分析された破片によって証明されている。航空機の衝突は、ビルの爆破とは何の因果関係もない。アメリカの建築家リチャード・ゲージは、現在1000人以上のエンジニアや建築家を束ね、2001年9月11日の犯罪に関する新たな調査を要求している。*
* www.ae911truth.org 参照
皆さん、2001年9月11日の犯罪の本質を明らかにすることが、なぜ私たちヨーロッパ人にとっても重要なのだろうか?EUについて考えてみよう。EUは、純粋にヨーロッパの利益によって導かれるものではなく、アメリカの巨大な利益が関わっている機関なのです(盛んな拍手)。フランスで否決された条約によれば、EUの安全保障政策は、NATOとその目的と常に両立するように構想されなければならないことに見て取れる。具体的に言えば、このようなEUのあり方によって、ヨーロッパは地政学的なあるいはその他のアメリカの利益のための大きな属国軍になろうとしているということである。したがって、一部のヨーロッパ人(最初はフランス人、数日後にはオランダ人、そしてスイス人)がEUとの関係について考えているこの時期に、このイベントが開催されることは、非常に幸運なことだと私は思う。
EUの中でアメリカの利害が強く存在しているため、2001年9月11日に否定的な意味で頂点に達したアメリカの政策の実際の性格を、幻想を抱くことなく本当に理解することが重要だと思われる。
9月11日には前史がある。そして、この前史に関連して、9月11日の歴史的前例である真珠湾の惨事をごくざっくりと検証することで、9月11日のいわば「不誠実の赤い糸」をお見せしたい。
真珠湾攻撃は約2800人のアメリカ市民の命を奪った。ハワイの艦隊司令官であったキンメル提督は、日本軍による攻撃が差し迫っていることについて、ワシントンが持っていたすべての情報を与えられなかった。ルーズベルト大統領は、戦争に行きたがらない国民全体と議会を納得させ、アメリカが第二次世界大戦に参戦しなければならないという確かな口実を必要としていた。それが彼の問題だった。そこで彼は、陸軍長官のスティムソンに「日本軍を挑発して最初の一発を撃たせなければならない」と指示した。そしてそれは-あらかじめ禁輸措置によってなされ-最終的に達成された。これが真珠湾「奇襲攻撃」の真実である。ケネディ大統領暗殺の背景や、とりわけ9月11日の犯罪が隠蔽されたのと同じように、アメリカ国民から隠蔽されたのである。
既に、真珠湾攻撃の後まもなく、優れたアメリカの文献がある。その一例が、1947年に出版されたジョージ・モーゲンスターンの著作である。チャールズ・タンシル、ハリー・エルマー・バーンズ、その他多くの優れた研究もある。しかし、これらの著作は、現在9.11に対応する研究が試みられているように、主流派のマスコミや公式の歴史学によって無視されてきた。
真珠湾攻撃に関する本で、特に注目していただきたいものがある。それは、公式の9.11調査委員会の仕事において重要な役割を果たしているからである。ロベルタ・ウォールステッターの著書『パール・ハーバー、警告と決断』である。ロベルタ・ウォールシュテッターは、スター・ウォー・プログラムの発案者である数学者アルバート・ウォールシュテッターの妻である。ウォルステッターは、新アメリカの世紀計画(PNAC)で主要な役割を果たしたリチャード・ペールとポール・ウォルフォウィッツ【訳注】の指導者である。1941年のロバーツ委員会による茶番劇のような調査の真実ではない真珠湾バージョンが、1960年代に出版されたロベルタ・ウォールステッターの本によって、書籍市場に出回るようになった。その主な論旨は、アメリカは高度な諜報能力を持っていたにもかかわらず、日本の攻撃によって奇襲を受けたというものである。
2000年、同時多発テロの比較的直前に出た最後のパール・ハーバー作品は、ロバート・B・スティネットによるものだった。ドイツ語訳には「アメリカ政府はいかにして攻撃を挑発し、2476人の国民を死なせたか」という明確な副題がついている。
【訳注】いわゆるネオコンといわれる人達である。新アメリカの世紀計画(PNAC)は、米国の一極世界支配を目指しており、同時多発テロ事件後、これに基づきアフガニスタン紛争やイラク戦争を含む対外軍事行動が展開されてきた。
しかし、何年もの間、偽の真珠湾攻撃バージョンはすでに世論を煽るために使われていた。いくつか例を挙げよう: ズビグニュー・ブレジンスキーは、1997年の著書『The Only World Power』の中で、アメリカの世界的な政策目標は、真珠湾「奇襲攻撃」後のルーズベルトとは異なり、「大規模かつ差し迫った外的脅威がない限り」容易にコンセンサスを得られないと説明している。
2000年9月、エリート集団であるPNAC(ペールやウォルフォウィッツが参加)は、事実上、「新たな」、触媒となるパールハーバーの必要性を提唱した。パール・ハーバーの公式見解がいかに「効果的」であったかは周知の事実であり、国民も議会も、そして世界も、ほとんどそれを受け入れていた。そして今、その効果が繰り返されるのではないかという憶測が流れた。
2001年6月、ハリウッド映画『パール・ハーバー』が公開された。真珠湾神話にアメリカと世界の大衆を慣れさせ、新たな "パール・ハーバー "ムードを醸成するためである。ウォーターゲート事件の調査官、ボブ・ウッドワードによれば、ドナルド・ラムズフェルドは、国防長官に就任した直後の2001年1月から2月にかけて、ロベルタ・ウォールステッターの著書を、出会ったすべての人の手に押し付けることをすでに始めていた。
もしこれが、対外戦争が始まる前の、自国民や世界各国民に対する心理戦でないとしたら、真珠湾攻撃という偽のカードを使い続けることに、他にどんな目的があるのか教えてもらいたい。すべては、9月11日の出来事を前にして、である。
今、9月11日の大惨事が実際に起きた。
ボブ・ウッドワードによれば、ブッシュ大統領はその日の夜、日記に何と記しているのだろうか?彼は、「今日、21世紀のパール・ハーバーが起こった」と記しているのだ。
20世紀のパール・ハーバーがアメリカを世界的な大国に押し上げたとすれば、"21世紀のパール・ハーバー "はその世界的な大国をきっぱりと固めるためのものである。
ブッシュのこの比較を、この次元で理解してほしい。この比較は、世界的なアメリカの権力への意志と、9月11日の出来事の説明における本質的な欺瞞の両方を表現している。この比較そのものが、9月11日に関する他のすべての嘘の母なのである。
2001年9月11日の直後、真珠湾攻撃バージョンの嘘は、大衆に対して新たに、とてつもなく効果的なものにすることに成功した。この嘘のために長年にわたってさまざまなレベルで宣伝活動が行われてきたのだから、不思議ではない。『TIME』誌は9月11日の最初の特集号で、最後から2番目のページに太字で、まさに憎悪の呼びかけを掲載した。ドイツ語ではこうだ。「今必要なのは、統一された、団結した、パール・ハーバーのような、熱烈なアメリカの怒りである。」真珠湾攻撃に関する虚偽の記憶が、人々の心と体にきっぱりと植えつけられたのだ。そして実際、この真珠湾の虚偽の記憶は、9月11日の出来事の悲しみと恐怖を虚偽の怒りに変えてしまった。
間違った感情に間違った思考が続き、何も解明されないうちに、アメリカ政府への連帯を表明する愚かな集団が生まれた。こうした連帯の表明--ドイツは「無制限の連帯」とまで口にした--は、米政権に、長い間引き出しの中にあったイラクとアフガニスタンの計画に、望ましい青信号を与えた。間違った考えや感情は、今や世界の世論に公認され、抑制されることなく、間違った行為に続くことができるのだ。
あなたは驚かないだろう: もちろん、9月11日以降のいわゆる調査委員会の全仕事は、新たな真珠湾物語に向けられていたのだ。ローマー委員は、ロベルタ・ウォールステッターの著書を作業の指針として明確に取り上げ、その奇襲理論をアル=カイダと単純に結びつけている。言い換えれば、この委員会の任務は、1941年のロバーツ委員会の任務と同じであった。すなわち、日本の攻撃あるいはアル=カイダの攻撃の奇襲性を世界に納得させることであった。
こうして我々は、真珠湾攻撃の嘘が1941年から2001年、そしてそれ以降の出来事まで、赤い糸のようにたどることができることを知るのである。この糸の巨大な虚偽性を見抜く者は、公式発表や部分的な嘘に惑わされることはないだろう。漫画家は時として、ただの人間よりも真実に近い。ここに1940年代の真珠湾攻撃に関する漫画(上の左の図)と、『ヨーロッパ人』誌の漫画(上の右の図)がある。後者は2001年11月にすでに発表されたもので、当時はまだ多くの公式の嘘が推測されるだけで、それを立証することはできなかった。私たちは、文字通り国会議事堂の階段で、次のように触れ回っている日本人を見ている。「ショートとキンメル(ハワイの司令官)には言わないでくれ。」そしてその下には、「彼らは何もしなかった」と書かれている。ショートとキンメルは何も知ることがなく、それゆえルーズベルトとその一派とは違って、本当に驚いたのだ。『ヨーロッパ人』誌も、真珠湾攻撃と9.11の比較、アメリカ側の公式見解によれば、とんでもなくでたらめな、あるいは最も皮肉な意味では真実の比較であるゆえに、それに適したものを絵で示している。われわれの漫画家は、ブッシュは必ずしも正確に何が起こるか詳しくは知らなかったが、ともかく何か重要なことが起こるという考えを植え付けられていた、そしてアンドリュー・カード参謀総長が彼の耳元でメッセージをささやいた後で、完全に驚いた人のまねをしなければならなかったということに基づいている【訳注】。私たちは、同時に、アリ・フライシャー大統領報道官が部屋の後方で、高々と掲げたポスターを持って大統領に必要な最初の指示をしていたことをそのときは知らなかった。ポスターには 「今は何も言うな!」と書かれていたのだ。これは学生やアマチュアの公演のリハーサルの状況である。しかし、ここで私たちが見ているのは、全人類に影響を及ぼした、最も血なまぐさく、最も犯罪的な種類の田舎芝居の一場面である。
【訳注】これは、ブッシュ大統領が初めて9.11事件を聞いたとされる場面の情景である。このとき、ブッシュ大統領は、ある学校の授業を視察しており、そこに突然、件の人物が現われ耳打ちしたのだ。その時の動画が残されており、私も実際に見たことがあるが、その極めて重大かつ深刻な内容を突然聞いたにもかかわらず、報告を聞いたブッシュは、大きなリアクションもなく、あいまいな、不自然な反応を示しているのだ。「完全に驚いた人のまね」に失敗しているのである。
最後に、いくつかの基本的な視点を概説したい: 英米の政策計画は長期的なものであり、ヨーロッパ人はとっくにこのことを肝に銘じているはずである。第一次世界大戦の前、イギリスには、そこにはすでに20世紀のヨーロッパの形が驚くほど正確に予想されていた「戯画」があった: 旧来の君主制国家の代わりに共和制国家があちこちにあり、ドイツは分割されたドイツである。
ロシアの上には「ロシアの砂漠」という興味深い言葉がある。これはロシアの排水計画を意味しているのではない。むしろ「砂漠」とは、ヨーロッパと同じように、ここでも、ある種の政府形態が他の、しかしすでに馴染みのある政府形態(共和制による君主制)に取って代わられるのではなく、ここでは、まったく新しい社会共存の形態が開発されることを意味している。これは "社会主義的実験 "と呼ばれ、1990年代には、ロシアに関して、ある種の英国サークルで実証的に使われた表現である。同じ界隈では、ヨーロッパとロシアの状況を望ましい形に変える前提として、次のヨーロッパ大戦争の必要性が語られていた。
それから100年後--ブレジンスキーとローマ教皇が決定的な役割を果たした、ローマとワシントンの共同事業によって、社会主義の実験が頓挫した1年後--に、もうひとつ興味深い地図が登場する。これは『エコノミスト』誌、つまり真面目な雑誌に掲載されたもので、記事に埋め込まれている。そこには小さな注釈が添えられているが、ラテン語であるため、誰にでもすぐに理解できるものではない。ドイツ語では、「この世界地図はまじめに読むべきものではない」ということである。おそらく、特別な注意を払って研究する理由があるのだろう。この世界地図は、21世紀に対するある種の意図を明らかにしている。何が見えるか?ヨーロッパはもはや存在しない。旧ヨーロッパ」のすべての地点は、ユーロ・アメリカかユーロ・アジアのどちらかにある。つまり、この地図によれば、ここウィーンはユーロ・アメリカなのだ。続いて「イスラミスタン」。何とも興味深い表現だ!ハンチントンが『文明の衝突』というプロパガンダを発表する3年前に、私たちはここに「イスラミスタン」という空想の大陸を見たのだ。まともな調査も行われないまま、イスラム主義者アル・カイダのせいにされた9.11のおかげで、「イスラム主義国家」はほぼ現実のものとなった: 世界は、世界を脅かすイスラム主義暴力集団の存在を確信している。
これから起こることは、「儒教国」という空想の大陸として、すでにこの地図に示されている。中国との対決である。アメリカの政策は、常に世界における対立を必要としている。ロシアとの対立は1989年に棚上げされた。現在は「イスラミスタン」との対立が支配的だ。そして、中国との対立がその両方に取って代わるだろう。そしてそれが、私たちが向かおうとしている時代なのだ。このような敵対関係を作り出すことによって、英米の政策は自らの地政学的・経済的戦争目的を追求している。経済に石油が必要なように、この政策には嘘が必要だ。真珠湾攻撃の嘘や、9月11日の前、最中、そしてその後に果たした役割が特に明らかにしているように、嘘はまさにその本質なのだ。
最後に、ほぼ100年前にこうした動きを大まかに予見し、人生の形成期をこの街で過ごした人物の言葉を紹介したい。後に多くの研究分野や人生に影響を与えた人物であり、常に世界の出来事に対して明確で独立した判断を下すよう人々を鼓舞しようと努めた人物である。早くも1916年4月、20世紀最初の戦争のさなかに、彼はベルリンでの講演でこう述べた。
「2000年と記したなら、そう長くはかかりません。そのとき、直接的にではありませんが、あらゆる思考に対する一種の禁止令がアメリカから発せられるでしょう。それは、あらゆる個人の思考を抑圧することを目的とした法律です。」
2001 年 9 月 11 日に始まった今世紀最初の戦争の勃発に対して、疑問の余地のない、個人的で独立した思考をすべて抑圧しようとする試みが、公式メディアなどによって行われていることを、私たちがこの会議で聞いたことすべてが示している。私が読んだ予言的な文章は、オーストリアの哲学者であり、自然科学者であり、現代の精神科学の創始者であるルドルフ・シュタイナーによるものである。私は、残念ながら成就の過程にあるこの予言を特にここウィーンで指摘することが適切だと思う。このような会議がここで開催されることは、より重要なことである。ヨーロッパの人々が大西洋の反対側にいる「友人」との同盟に幻想を抱くことなく、明確な意識を持つようになるために、このようなイベントが特にヨーロッパで頻繁に開催されることを願っている。ご清聴ありがとうございました。
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上の文中に、「EU、NATOは米国の利益のための属国軍である」というような指摘があるが、それは、現在のウクライナ問題において如実に表れているだろう。
掲載済のメイヤー氏の論考で指摘されてきたが、EUやNATOは、そもそも、英米によるヨーロッパ支配の道具という側面をもっている。それは、また英米による世界支配を視野に入れた戦略の中に位置づけられる。今回のウクライナ問題は、この勢力と、それに従属することを拒否するロシアなどの国々との戦いという性格があるのである。
シュタイナーによれば、英米=アングロサクソンの支配層の背後には、影のブラザーフッドが存在しており、その意味では、クライナ問題には、さらに人類の未来を巡る霊的戦いという側面もあると思われる。
残念ながら私たちの日本は、ヨーロッパと同じ英米の属国である。アジアにおける、その支配の拠点として位置づけられているのだ。そこには、未来を巡る霊的戦いという視点では、シュタイナーによれば、さらなる理由が考えられるが、それは後日に譲ることにしたい。