k-lazaro’s note

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「科学的気候コンセンサス」の嘘

 12月2日、UAEで気候変動対策を話し合う国連の会議(COP28)の首脳級会合が終わり、2030年までに世界全体の再生可能エネルギーの発電容量を3倍に引き上げることに110か国以上が賛同したという。このうち有志の21カ国は、その「3倍」に原発を含めるという声明を発表したとも報道された。日本もこれに加わっている。もう、福島の原発事故は風化してしまったようだ。

 さて、この会議は、もともと二酸化炭素による温暖化への対策を世界中で進めるために開催されてきた。
 ここ何年か「異常気象」というような言葉を聞くことが多く、もはやこの異常な事態が常態化しているのも確かかもしれない。その原因は、一般に、人間の活動による二酸化炭素排出による地球温暖化であるとされている。このため、世界を挙げて、二酸化炭素をゼロにすることが目指されている。

 そのため、工業だけでなく、農業すらもターゲットにされてきている。オランダでは牧畜を制限するようになったが、一方で、人工肉や昆虫食を推進する動きもあるようだ。

 またそもそも人間の活動が原因なのだから、その「過剰な人間」自体が問題だ、人口を減らすべきだという主張すらもはや「極論」ではなくなっているようだ。

 

 気候が「変動」してきていることは、勿論,私も感じている。だが、その原因が二酸化炭素というのはどうだろうか。私は疑問に思っている。

 先ず、気候が変動するのは、むしろ自明のことであり、かつて氷河期というものがあったのは誰でも知っている。逆に温暖化というなら、日本でも「縄文海進」といわれる海水準が上昇(海が広がり陸地が水没)した時期があり、ピークの時には、気温は現在より1、2度高かったという。

 このように変動するのが当たり前なのに、なぜ現在の変動ばかり異常視され、それを止めなければならないと主張されるのかが、分からない。

 そしてまた、その原因が人間の造り出す二酸化炭素だということで、それをのみ問題にすることには、全く納得できないのだ。

 素朴に、変動を生み出す要因としては、太陽活動など他にも沢山考えられるだろうに、なぜ、二酸化炭素だけが悪者にされるのかと思うのだ。確かに、森林の破壊や砂漠化、酸性雨、オゾンホールなど人間活動が原因とされる自然破壊は少なくないが、この大自然の中で、ちっぽけな人間の活動が、太陽活動を上回るというのだろうか。

 このようなことから、二酸化炭素原因説にはうさんくささを感じていたので、この説が盛んに取り上げられるようになった頃に、その根拠となった研究がねつ造であったというニュースを聞いて、やはりそうかと納得したことがあった。それが、今から10年以上も前のいわゆる「ホッケースティック論争」である。

   これは、当時の二酸化炭素原因説に批判的な科学者が、それに疑問を持って、その研究の作為を曝露したということである。

   この時、私は、これで二酸化炭素説はやがてなくなると思ったのだが、ここ数年、どうしたことか、その様なことがあったのを完全に忘れたように、二酸化炭素原因説が復活し、以前に増して声高に主張され、いわんやこれに異議を唱える者は非科学的とされ、世界中で、二酸化炭素ゼロに向けた施策が強化、具体化されるようになってきたのである。

※勿論、現在でも二酸化炭素原因説への批判は科学界で止んでいない。以下の文章にもあるが、世界中の多くの科学者がまとまって批判の声明をだしている。2022年に量子力学での研究によりノーベル物理学賞を受賞したジョン・F・クラウザー博士が、この声明(世界気候宣言)に署名したという記事もある。

 なぜここまで、強行に推し進めるのか?勿論表向きは、それほど世界的な緊急の課題ということだろうが、コロナと同じで、様々な問題が指摘され,矛盾をはらみながらも、有無を言わせないその進め方を見ると、その背後には別の思惑があると思わざるを得ないのだ。

 

 今回は、いつもの『ヨーロッパ人』誌から、この二酸化炭素原因説の欺瞞を告発する記事を紹介する。

 結局、都合のいい論文ばかりを拾ったものであり、それらも、答えありきでコンピュータ・シミュレーションした結果であるということである。

――――――――

「科学的気候コンセンサス」の嘘とIPCCのコンピューター・シミュレーション*1

 

 「気候変動に関する政府間パネル」* IPCCが主張する世界的な科学的権威は、このテーマに関する前回の記事**で解体された。IPCCは独立した科学組織ではなく、国連の政治的機関であり、科学的成果として発表されるべきものについては、政治家が最後の決定権を握っている。数え切れないほどのデータの改ざんや流用が、参加した科学者の発言によって証明されている。しかし、IPCCとそのために働く少数の「科学者」たちによって使われるトリック、欺瞞、嘘は実に多様であり、以下にさらに明らかにする。

 

"97%の科学者のコンセンサス"

 気候変動に関する政府間パネル」の "権威 "は、地球温暖化の主な原因は人為的なCO2排出にあるというIPCCの論文に97%の科学者が同意しているという主張によって繰り返し裏付けられている。「コンセンサス」は科学的な議論ではなく、真実の証明でもなく、多数決ではなく、個人の認識によってのみ決定されるという事実から見て、この主張が誤りであることは、何度も証明されている。科学者ジョン・クックの研究にさかのぼる。彼は、1991年から2011年の21年間に1,980の科学雑誌に掲載された、合計29,286人の著者による11,944本の気候関連論文を分析した。この異例の大規模な調査範囲は、気候研究者全体をカバーすることを意図していた。そして、その97%が人為的な地球温暖化という論文に同意している。

 しかし、フリードリッヒ・ホーマンが「telepolis.de」で指摘しているように、クックが分析したのは、要約の選択基準として「地球規模の気候変動」または「地球温暖化」という言葉を含む論文だけである。しかし、7,930の要約= 全要約の66.4%、18,930人の名義上の著者によって書かれた要約は、人為的な地球温暖化というテーゼについての態度表明を完全に避けていた。このテーゼへの明示的あるいは含意的な同意は、全総説の3分の1(32.6%)でしかない。

 

* 2023年8月18日、Fassadenkratzer誌に「『科学的気候コンセンサス』の嘘と詐欺」というタイトルで掲載された。

 

 クックは、18,930人の著者のうち、人為的地球温暖化に関する見解を持たない7,930人の寄稿を単純に除外し、人為的地球温暖化に関する明確な声明を含む寄稿のみを評価することによってのみ、世界で報告されている97%のコンセンサスに到達したのである。残りの4,014本の論文のうち3,896本がこのテーゼに同意したため、論文における97%のコンセンサス、ひいてはその背後にいる(選択後に残った11,286人の科学者のうち)10,188人の科学者のコンセンサスも得られたことになったのだ。クックはここから、人為的気候変動というテーゼは、気候科学における支配的な意見により完全に優勢であると結論づけたのだ。

 この不正は、リンク先の記事に言及されている他の矛盾に加え、科学的研究が出版された「論文」に限定され、書籍、議論、手続き文書、その他の種類の文書が含まれていないという事実によって、さらに悪化している。この理由からも、気候科学における議論の状況について代表的な結果を語ることはできない

 クックが公表した29,286人という公称著者数も、批判的に見る必要がある。この数字からは、1991年から2011年までの21年間に書かれた論文のいくつかが、同じ著者によって書かれたものであるかどうかは明らかではないが、その可能性は高いと思われる。29,286人という公称著者数に比べ、実際の総著者数はかなり少ない可能性が高い

 

気候モデルの問題

 2022年6月、1,100人の科学者や専門家からなる世界的なネットワーク(クイリンテルCLINTEL)は、-その後その数は1,500人以上に増えタ-IPCCが拡げてパニックを起こしているような人為的地球温暖化の危機に異議を唱える署名入りの「世界気候宣言」***を発表した。彼らの抗議はまた、科学的コンセンサスに疑問の余地はないという事実を文書化している。-

 

 ハーバート・ルートヴィヒ氏のご好意により、「IPCCのコンピューター・シミュレーション」を転載させていただいた。                           

** 2023年8月11日付のFas-sadenkratzer紙と2023年10月号のEuropean誌に掲載された「Der 'Weltklimarat' - Dirigent der Klimatäuschungen」。

 ***  1,100人の科学者が世界気候宣言を発表:『気候に非常事態はない!』」(2022年8月24日付ファッサデンクラッツァー紙およびユーロペーア26巻12号(2022年10月)6ページ)。

 

 このことは、私が個人的に知っている海洋生物学者で気候研究者の発言によって補強された。彼はまた、IPCCの理論に一人も賛同していない同僚の大きなネットワークとつながっていると断言した。

 IPCCはむしろ、国連の名で箔を付けた世界政府の傘の下で、その政治的目標のために、怯えた国民に必要な抜本的対策を遵守させる目的で、偽の科学的気候データを世界政府とまだ権力を握っている政府に提供する、腐敗した科学者の急進的少数派であるように見える。

 クリンテルの科学者たちは、"世界気候評議会 "が "科学的 "と銘打ったその結果は、結局のところ、入力されたデータをもとに気候がどのように変化するかを計算するコンピューターモデルを使ったシミュレーションに基づいていると非難している。したがって、最終的に何が出てくるかは、すべて「仮説、仮定、関係、パラメタリゼーション、安定性制約など理論家とプログラマーが入力したデータに」依存する。「そして残念ながら、これらのインプットのほとんどは、主流の気候科学では公表されていない」のだ。

 気候モデルの結果を信じたいのであれば、モデルを造った者が入力したものを信じるしかない。

 これこそが、気候モデルが中心的な役割を果たしている今日の気候に関する議論の問題点である。気候科学は、確固たる自己批判的な科学ではなく、信念に基づく議論に堕している。今後、気候研究は、実証科学をより重視しなければならない。

 「世界は、モデル化された人為的影響に基づいてIPCCが予測したよりも温暖化していない。現実の世界とモデル化された世界とのギャップは、気候変動の理解への道のりが遠いことを示している。」

 “地質学的アーカイブ "は、地球の気候が、その誕生以来、自然の寒冷期と温暖期の変動にさらされてきたことを示している。そして「小氷河期」が終わったのは1850年のことだ。したがって、現在温暖化期を迎えていることは驚くべきことではない。気候モデルには多くの欠陥があり、その実態は地球規模の政治的道具である。CO2のような温室効果ガスの効果を人為的に誇張し、CO2による大気の濃縮が有益であるという事実を無視している。

  CO2は汚染物質ではなく、地球上のすべての生命にとって不可欠なものだ。大気中にCO2が増えると、地球上の植物バイオマスの成長が促進される。また、世界中の作物の収穫量を増加させるので、農業にとっても有益である。また、地球温暖化がハリケーン、洪水、干ばつやそれに類する自然災害を激化させたり、頻発させたりするという統計的な証拠もない。

 「気候に緊急事態はない。したがって、パニックや警戒の必要はない。我々は、2050年に向けて提案されている有害で非現実的なCO2ネットゼロ政策を断固として拒否する。」

 2022年11月9日の報道(4:43~)で、オーストリアオルタナティヴ・チャンネルAUF1は、2007年にRTLが制作した40分のドキュメンタリー「気候詐欺」に言及している。その中で、多くの批判的な科学者、とりわけ本物の気候研究者が発言している。

 例えば、NASAの気候研究者ロイ・スペンサー博士は、気候モデルが誤りを犯しやすいことを指摘している。気候モデルは、その基本的な仮定と同程度のものでしかない。たった一つの仮定が間違っているだけで、予測は完全に外れてしまう。モデルには何百もの仮定が入り込んでいる。これらのモデルはすべて、気候変動の主な原因はCO2であり、太陽でも雲でもないという仮定に基づいている、とスペンサー博士は言う。

 エルサレム大学のイスラエルアメリカ人物理学者ニル・シャヴィブ教授は、地球の歴史上、CO2が現在の3倍、10倍という時代があったことを明らかにしている。つまり、もしCO2が気候に大きな影響を与えるのであれば、その当時は地球が大量に温暖化しなければならなかったはずだ。-

 アラスカ大学フェアバンクス校の国際アークティス研究センターの創設者である赤祖父教授は、(主張されている氷の融解について)次のように明言している。「極地の氷冠は常に動いている。それは、膨張と収縮を繰り返している。南極から離脱する氷の塊は常に存在する。衛星がこのような画像をとらえるようになったのは最近のことだ。氷は常に流れている。流氷の崩壊は今に始まったことではない。氷床の崩壊は毎年起こっている。いわゆる春の大崩壊だ。気候の破局は存在しない。」

 放送局のアナウンサーは続ける。:「我々が気候変動の崖っぷちにいることを明らかに信じていない他の科学者を何人でも引き合いに出すことはできるでしょう。」

  コロナ・デマの演出と同様、気候デマもまた、事実をごまかし、操作することに組織的に基づいている。こうした体制側のメディアの典型的な手法の印象的な例が、オーストラリア沖のグレート・バリアの変化である。2021年11月、ARDは「気候危機の子供たち」と題するドキュメンタリーを放送した。オーストラリアで、11歳のサビアが生態系全体の突然の崩壊を目撃する。世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアは、すでに半分以上のサンゴを失い、おそらく永久に失われるであろう。

 しかし実際は、グレートバリアはかつてないほど成長している。

 残念ながら、それについてのソースをAUF1【オーストリアの放送局】は示していない。おそらく2022年8月9日のZDFの報道を引用しているのだろう:

 「オーストラリアのグレート・バリア・リーフの大部分で、サンゴの成長が過去36年間で最高となった。この増加は、世界最大のサンゴ礁の北部と中央部における長期モニタリングプログラムによって記録された。」

 

ロシアの撤退

 2023年5月30日付の記事で、オーストリアのブログtkp.atは、ロシア科学アカデミーが最近の研究に基づき、人類は地球温暖化を引き起こしていないという結論に達したと報じている。ロシアは、気候変動が実際に人為的なものであるかどうかという問題に関して、これまで国連のラインにあった。ロシア連邦は2015年から、気候保護に関するモントリオール議定書京都議定書、パリ協定に署名し、批准した。

 科学アカデミー科学評議会のセルゲイ・グラジエフ議長は、テレグラムでこの決定を要約した:

 「我々は、地球温暖化の原因とメカニズムに関する我々の考えを根本的に変える2つの科学的発見について議論した結果、ロシア科学アカデミー科学評議会の決定を公表する。特に、海洋温暖化と地球温暖化の主な原因は、地球内部からのカリウム同位体の崩壊であることが示された。この熱流のパワーは1平方メートルあたり1ワット、つまり太陽放射の熱流の4分の1である。これは温室効果よりも桁違いに大きい。人類は多大な努力を払って温室効果に立ち向かおうとしているが、これといった成果は上がっていない。

 局地的な気候破局の主な原因は、やはり月と太陽の重力の変化による、オゾンホールを引き起こす自然の水素の放出量の増加であり、これが。その結果生じる気温の上昇とオゾンと水素の混合が、森林火災や草原火災の主な原因である。これは最近の事例のひとつである。それに基づく転換により、化学産業の全下部産業が破壊さ、オゾンホールの大きさには何の影響を与えることがなく、単にオゾンホールが増加しただけであるモントリオール議定書の考えを、この知見は否定する。我々は、理事会の決定と報告書を公表する。」

 

 テレグラムでロシア語の報告書を見ることができる。

 ロシアは、「ネットゼロ」のCO2排出目標を達成するための世界的な努力から手を引くことになるだろう。

 

結論

 人為的な地球温暖化の主張は、圧倒的多数の科学者によって支持されているのではなく、高給を得ている少数派によって支持されている。この少数派は、気候変動に関する政府間パネルIPCC)のコンピューターモデルに依存しており、将来、地球の気候が心配なほど温暖化するとシミュレートしている。しかし、コンピューターが作成した予測は科学的な結果ではなく、入力されたデータの質に依存する推測である。人為的(CO2)な原因というテーゼは、確立された事実として入力されているが、これは開かれた科学的プロセスの結果ではなく、また、ほとんどの科学者が異議を唱えている。

 しかし、このような推測は、詐欺まがいのものであるにもかかわらず、一般大衆が信じる科学的知見としての地位を得ており、社会生活に重大な影響を与える政府の施策を正当化するために利用されている。

 地球内部から公転軌道、太陽や惑星が地球に与える影響に至るまで、常に起こっている気候変動に考慮しなければならない原因が多様であることは、気候変動が、無機自然界で有効なような単純な単一因果律では説明できないことを示している。

  微生物学者のリン・マーギュリスや、化学者・生物物理学者・医師のジェームズ・ラブロックといった最近の科学者たちは、1970年代半ばに「ガイア仮説」を提唱した。

 「ガイア仮説」とは、地球とその生物圏を一つの生命体、自己調整システムを持つ生命体とみなすべきだというものである。(ウィキペディア

 つまり、これは、科学的見地から見れば、地球は生きていて、生気【魂】に満ちた巨大な有機体であり、それを形作り、組織している力-それは物質的現象に現われる-からしか理解することができないという、ルドルフ・シュタイナーが精神科学的研究から提示したことと一致する、

 科学的方法論において、無機的自然の単純な単一原因の因果法則を生命体に移植するのは根本的な誤りである。

 

 ヘルベルト・ルートヴィヒ

 

注釈

 気候変動に関する議論において、ますます多くの著名な科学者が発言し、現在のシナリオやそれに対応する規制を否定している。例えば、2023年8月14日付のエポックタイムズ紙は、ウィリアム・ハッパー名誉教授が次のように報じている。 

 

 プリンストン大学物理学名誉教授ウィリアム・ハッパーとマサチューセッツ工科大学(MIT)大気科学名誉教授リチャード・リンゼンは、発電によるCO2排出を削減するための政治的努力を批判している。研究者たちはこう主張した:

 「破滅的な地球温暖化を予測するすべてのモデルは、科学的手法の最も重要なテストに失敗している。実際のデータに比べ、温暖化を大幅に予測しすぎている。科学的方法は、化石燃料二酸化炭素(CO2)が壊滅的な温暖化と異常気象を引き起こさないことを証明している。」

(https://www.epochtimes.de/etplus/ba-

siert-auf-schwindel-wissenschaftler-kritisieren-neue-kli- mavorschriften-a4372537.html)

 

 2022年のノーベル物理学賞受賞者であるジョン・クラウザー博士は、7月初めにすでに気候危機を明確に否定し、「気候緊急事態」説話は「世界経済と数十億の人々の幸福を脅かす危険な科学の堕落」であると宣言していたが(2023年7月25日付ディ・ヴェルトヴォッヘ参照)、今度はそれに続き、科学者のネットワークであるクリンテルによる上記の地球気候宣言にも署名した:

https://uncutnews.ch/nobelpreistraeger-legt-nach-un- terschreib-erklaerung-es-gibt-einen-klimanotstand/

――――――――

 文中に"97%の科学者のコンセンサス"ということが書かれていたが、これは、大多数が賛同しているということを見せるための詐欺的数字である、という。確かに、今マスコミで二酸化炭素原因説を言うときは、このように紹介されている。
 これは、コロナワクチンでも同様ではなかろうか。最近、ワクチンの効果が95%と宣伝されてきたが、これは相対的評価であり、本来の絶対的評価は0.84%にすぎないというツイッターの投稿をよく目にするのだが、ここでも統計のレトリックが利用されていたということである。
※ただ、このこと自体は、ワクチン接種が始まった頃に、既にトマス・コーワン氏などが主張していたことであった。最近、さすがに余りにもワクチンの効果が無く、むしろ超過死亡等も問題視されるようになり、さすがにその有効性に目が向けられるようになった結果であろう。

 さて、今回のような記事を読むと、二酸化炭素原因説の疑わしさが良く分かる。しかし、年がら年中マスコミで、二酸化炭素が原因、二酸化炭素が悪いと伝えられると、これが頭にしみこんで常識化し、他の意見を寄せ付けなくなってしまうのだ。

 だが、よほど愚かでない限り、その道の専門家であるなら、この説の問題点は知っているはずである。だからこそ、クイリンテルの学者達は行動したわけだが、依然として多くの学者は、反対することを控えているようにみえる(特に日本では)。先頭に立って二酸化炭素原因説を主張している様な学者は、良心を捨てて、直接金銭を含む利益を受けているのかもしれないが、その他の多くの者はどうして沈黙しているのだろうか?

 キンドルで、このような点に関しても触れている、日本人による二酸化炭素原因説に対する同様な批判本を見つけて購入したので、若干こちらも紹介したい。

 それは、『気候科学者の告白地球温暖化説は未検証の仮説』という本で、著者は、中村元隆という方である。経歴は、「大気・海洋・気候専門の科学者。1989年に米国ノースキャロライナ州立大学に入学し、物理数学科学学部、海洋地球大気科学科を卒業後、マサチューセッツ工科大学、地球大気惑星科学部の博士課程で1995年に理学博士号を取得。大気科学全般と物理海洋科学を学びながら気候力学(大気・海洋力学、大気・海洋による熱と物質輸送、雲プロセス、放射プロセス、氷プロセス)に関する研究を行い、1995年から2014年までは、マサチューセッツ工科大学ジョージア工科大学、ゴダードスペースフライトセンター(NASA)、ジェットプロパルションラボラトリー(NASA)、デューク大学海洋研究開発機構で、異常気象や気候変動に関する研究を行い、HNKにも出演。」ということである。

 気候変動を語る上での専門家中の専門家と言うことが出来るのではなかろうか。

 

 さて、この本の中で、中村氏は、二酸化炭素原因説の問題点について次のように述べている。

 

 「第一線で気候 研究を続けた専門家の視点から、いかに“二酸化炭素増加による 危機的地球温暖化”が科学的根拠に欠ける馬鹿騒ぎかという事実を、世の中に広く発信しておきたいと思ってきた。・・・

 自然界の多くのプロセスや現象は現実には非線形であり、それらを線形理論で理解・表現 できる範囲は非常に限られている。それにもかかわらず、科学研究で用いられる統計分析・解析手法は殆どが線形理論に基づいており、そういった手法で得られた知識は現実像の一部に限定される。・・・

 本来、科学者とは、完璧に立証されていない説や理論に対しては、仮にそれが自らの主張 であったとしても、いくばくかの懐疑的な見方を保つべきである。その意味で、二酸化炭素 増加による地球の危機的温暖化を信仰する人達に真の科学者は居ないと言える。・・・

 1980年以前の「地球表面平均気温変化」は信用できない。・・・

 地球温暖化を議論する際に、あたかも「確実にわかっている事実」かの様に受け入れられ ている「地球の平均表面気温の過去百数十年の変遷」が、実は1980年以前は全く信用でき ないという現実を指摘しておこう。・・・

 地球全体の表面気温変化は、上記の限定的地域の気温変化に正確に代表される、という 考え方である。これがいかに馬鹿げた考えかというのは、長期間の気温観測が行われてき た 地域だけを見ても、気温が上昇した地域もあれば下降した地域もあるという現実を直視 すれば単純明解である。・・・

 地球表面の平均気温変化は、そうした地域的平均気温変化の誤差程度の大きさである。… 

 1980年以前の至極限られた地域の気温観測に基づいて地球全体の中長期的平均気温変化 を正確に推定できる、という考えは、中長期的な大気と海洋の熱力学的・力学的変動が気温 に与える影響が、19世紀以降の二酸化炭素増加が気温に与える影響よりも圧倒的に小さい という考えであり、呆れるほど 浅はかとしか言いようが無い。…

 おまけに近年は、過去の気温データに新たな「調整」処理が施され、地球平均気温上昇が ずっと続いていると見える様にデータ改竄が堂々と行われる様になってしまった。

 シミュレーションモデル全てが、地球に到来する太陽エネルギーを不変として扱っている点である。現実には、太陽エネルギーは変動し、ほんの僅かな変動ですら地球に大きな影響を与える。…

 気候システムにおいて非常に重要な役割を果たしている海洋の流れとそれに関わるプロセスが、気候シミュレーションモデル内では除去されているか著しく歪められているかし ており、モデル中の海洋の振る舞いが全く信用できないという事実がある。…」

 

 このように、中村氏は、二酸化炭素温暖説の問題を様々な観点から鋭く指摘し、その欺瞞性を暴いている(その説明はもちろんもっと続くが省略)。

 そして、このような欺瞞が行なわれている背景については、世界銀行IMFが温暖化対策を推進しており、結局「欧米の大手銀行とその友人達が膨大な権益を享受してきた事実、 …を考慮すると、欧米金融業界主導の、金融業界と国連関係団体の利権増大を狙った世界 規模の炭素税徴収が主目的ではないだろうか」と述べているのである。            

 またさらに関連して、「世界規模で炭素税を導入する事で、世界政府樹立に一歩近づける、 という考えも根底にあると指摘する欧米の政治・経済・社会分析家も多い。 例えば、第一 期ブッシュ政権で閣僚メンバーであったが、後にアメリカ政府・経済界の腐敗と違法行為 を指摘してアメリカ政府・経済界から弾圧を受けてきたキャサリン・オースティン・フィッツ Catherine Austin Fitts 氏【このブログで彼女のインタビューを取り上げたことがある】 らが指摘している。つまり、「地球温暖化は地球全体の問題⇒地球規模での対応(炭素課税) が必要 ⇒地球規模の政府が必要」という売りである。…」

と、このように世界政府へ向けた意図が隠れているというのだ。

 この後、現在のウクライナ問題でも指摘されている欧米によるロシア包囲網について述べられているが、これも省略する。

 

 さて、以上のように中村氏は、二酸化炭素温暖説の欺瞞を暴くと共に、それが学者の世界で通用している背景を次のように説明している。

 

 「日本国内外で、温暖化説推進派の研究者達は、懐疑派科学者に論理と事実では勝てない から、潤沢な温暖化関連の研究費をバックに数で圧倒して懐疑派科学者を黙らせようと し てきた。それだけではない。懐疑派科学者に対して、政府やマスコミから様々な圧力がかけ られてきた。この傾向は、アメリカで特に強い様に感じた。 …」

 

 そして2つめの理由は、学者の能力の問題あるいはその専門性の不適格(気候変動シミュレーションに適していない)の問題とするが、これも省略する。

 そして3つめとして次のように続く。

 

 「三つ目の可能性は性質が悪い。研究者が温暖化説の問題点を知りながら、自らの利益 の為に問題を無視・軽視しているという可能性である。これには、この20年ほどで急速に 大幅増加した気候関連の職業研究者と、日本政府が導入した大学教員や若手研究者達への 研究費提供システムのあり方が強く関連している。日本政府による気候研究費提供 、大きく分け 、研究機関という組織に対する資金提供と、大学や研究機関に所属する研究者個人 や研究グループに対する資金提供という二つの形で行われる。当然、…政府の方針が強く 反映される。日本の気候関連研究費の大部分は地球温暖化が前提となっており、「本当に温暖化するのか?」 や「現存の気候シミュレーションモデルで意味のある予測はできるのか?」などの、重要かつ有意義な疑問を追究する様な研究には研究費は提供されていない …また、個人や研究グループに対する資金提供においては、資金提供是非の決定過程において、同じ分野の研究者達による研究プロジェクトの匿名審査が行われる。研究機関の組織的 研究活動には政府の方針が直接明確に反映され、研究者個人の研究活動には政府の方針に 加えて同業者多数派の意向が反映されるわけである。 この為、大学を含めて、研究組織内 では政府方針を推進するのに都合が良い人事が行われ、独自の研究費が欲しい研究者は、 なるべく同業者と仲良くする必要に迫ら れる。この様な仕組みの気候研究業界で生き残り、 昇進するためには、潤沢な資金提供に繋がり易い政府方針を積極的に推進する…」

 

 また中村氏は、温暖化懐疑論の研究者への政府による実際の圧力についても語っているそれは、中村氏が他の研究仲間から聞いた話であると共に、実際に本人が体験したことであるという。中村氏が新聞で懐疑論を述べたところ、環境省の役人から電話がかかってきて、「圧力を掛けるかのように「インギンで高圧的な調子で」、「記事は間違っているのでは?」と語ってきたというのだ。そしてその後、中村氏は、「海洋開発研究機構」のプロジェクトから降ろされてしまったというのだ。

 

 結局、政府の方針が二酸化炭素温暖説に基づいているために、科学者がその道で生きていくあるいは名声を得るには、それに異議を唱えることが出来ないとい事であろう。

 これは言うまでも無く科学自体を歪めることである。ここにあるのは、科学ではなく、政治なのだ。そしてその政治を動かしているのは、一部の勢力の欲望なのである(原発やコロナでも同じ構造が想像できる。)。

 ちなみに、中村氏は、今回のコロナ騒動について、ワクチンを含む政府の対応にも疑問を感じているようで、その問題点についてもこの本で触れておられる。

 一つの嘘は、他の嘘とつながっている。一つの嘘を見破る者は、他の嘘も見破ることが出来るようだ。