k-lazaro’s note

人と世界の真の姿を探求するブログです。 基盤は人智学です。

栄養の真実の基礎 ②

 「 栄養の真実の基礎」の後半である。

 この後半には、「エーテル技術と塩化銅生体内結晶化法」で既に触れられた未来のエネルギーについてのプファイファー氏とシュタイナーの対話の言葉が出てくる。

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ミネラル代謝

  しかし、他の代謝過程、例えばミネラルの代謝もあるのです。一般的な塩はすぐに体内に吸収されますが、この吸収された一般的な塩に同位体を付けて、1分以内に髪の毛の先、足の指の先、皮膚の一番外側まで、全身で検出することも可能です。一方、例えばカルシウムやマグネシウムの塩類は腸内に保持されています。それは、科学的な想像力のために存在するのではありません。私たちがまったく知らない体の中の循環があるのです。ルドルフ・シュタイナーの言うところの、この塩の「幻影(ファントム)」が、1分間で全身に広が広がっていきますが、その仕組みは不明です。1分以内に塩が全身に行き渡ります。一方、例えばカルシウムやマグネシウムの塩類は腸内に保持され、体が欲するときだけ吸収されます。体外にまったく排泄されず、体内にとどまっているのです。そして、体が「今、炭酸カルシウムが必要だ」と判断すると、肝臓だけでなく、血液からも吸収されます。これには、とてつもない知恵が働いているのです。

 カルシウムの話をしたことがあります。また、カルシウムは骨の成分でもあります。私たちには骨のシステムがあり、骨の一部は大部分が炭酸カルシウムとリン酸カルシウムの結晶で構成されています。骨に至る代謝回転は非常に大きく、1分間に血液中の全カルシウムが骨に結晶化し、同じ1分間にそれに相当するカルシウムが骨から溶け出して血液に戻ります。繰り返しますが、これは身体のシステム、骨格、物質の死と復活についての想像力につながることですから、皆さんは毎分、血液中のカルシウム分が骨に結晶化するのです。

 さて、興味深いことに、骨の形成は、3層になっています。このうち1層は死んでいる[?] そして一つは、生化学者の間では「生命圏」、「バイオスフィア」と呼ばれているほど活発です。そして、結晶化も溶解もできる一つの層がそこにあります。その細胞構造は、いわゆる巨細胞と呼ばれるもので、これが体の他の部位に現れると、がんの基となります。しかし、骨では、これらの細胞は、自我と血液の有機体の構造物であるため、健康なのです。(訳注)したがって、結晶化や溶解を引き起こすこの巨大な細胞は健康なものなのです。これらのプロセスでは、私たちは完全に3次元空間から導かれています。ある人が、私たちの中にあるこの鉱物-この鉱物はアパタイトというフッ素-カルシウムの炭酸塩で、その形はまさに結晶のように見える-、この結晶の表面をわざわざ顕微鏡で調べて、体のどこかにある1グラムの骨の中に、そこにできている結晶面をすべて隣り合わせにすると、約100平方メートルもあることがわかったのです! つまりは結晶の海になるのです。ということは、ここスイスでは、かなり広い農地があることになります。


(訳注)シュタイナーによれば、血液は自我が物質的に現われたもの、自我の器官である。

 結晶化や溶解に至るプロセス、これらのプロセスは全く3次元的に動いておらず、空間から抜け出ています。今日の生化学者は、そう言わざるを得ません。ルドルフ・シュタイナーは、何年も前にこれらのことに注意を促しました。この研究に対して、大きな敬意を抱くようになりました。つまり、長年、運動の周辺に身を置いていれば、いろいろな接点があるわけです。ルドルフ・シュタイナーのように、栄養素は空間を出ると言うと、笑われるかもしれません。そう、それでは何も知らないで言っていることになるからです。一方、自然科学者は、次のように語っています。 今、そのまま引用します。これらのプロセスを見て、想像してください-とシカゴの研究者は言っています。シカゴの研究者によると、結晶化するごとに光の点が輝き、人間の骨格を見ると、その骨格がクリスマスツリーのように、さらに言えば、きらめく星空のように見えると、いうのです。

 化学の唯物論から来た人が、そういう想像をせざるを得なかったとしたら、私はその人に大変な尊敬の念を抱きますね。もし今、私たちアントロポゾフィーがそのような人物に対抗しようとするならば、つまりこの手間のかかる仕事をしようとするならば、実は少なくともそのような人物と全く同じようにプロセスを理解し研究するという義務があるのです。そうすれば、霊的なものを認識し、人智学を広めることにつながる会話が生まれます。そういうことだったんですね。このような生理的なプロセスは、内面的な体験になることが重要なのです。

 

呼吸

 この分野で、もう一歩踏み込んでみましょう。私たちにはもう一つのプロセスがあり、このもう一つのプロセスも、健康、老齢になっても若さを保ち、安定した年齢を重ねるために非常に重要なものなのです。病気は、カルマによって、あるいは自分自身の不完全さや誤りによって、あるいは時にはキリストが癒しの中で言うように、神の知恵を明らかにするために、この自然な身体の構造に入ってくるというのが、病気のケースです。病気は常に先生です。生物学者にとって病気は教師であり、痛みはその点では最良の友です。なぜなら、痛みを通して私たちは意識の覚醒を促されるからです。それが生物学者としての立場、見解となれなければなりません。

 もうひとつ新陳代謝の問題があります。それは、最も奇妙なことの一つです。食べ物からタンパク質、糖質、脂質の形で取り込まれ、これまで述べてきたように変化した炭素化合物の一部は、肺から吐き出されます。生理実験では、タンパク質の分解物の中には、体の中で排泄されずに呼気として排出されるものがあることがわかったのです。この部屋にいる皆さんは、昼食や朝食の一部を吐き出しているわけですが、これは生理的な過程で、炭素化合物の一部が分解されて吐き出されるからです。これはある意味、社会的な問題で、みんながお互いの消化に参加しているわけですから。生物学者として言わせてもらえば、これは社会的な問題なのです。ルドルフ・シュタイナーは、まさに同情と反感といった関係がそのようなものに基づいていると指摘しています。一方の人は、他方の人にとって心地よくない消化された炭素化合物を呼気として吐き出すのです。そのとき、相手に対する体験は、反感や共感として登録される。そこから人間についての知識が始まるのであり、真の人間愛が始まるとも言えます。

 さて、呼吸の話でしたね。私たちは呼吸、特に呼気から全く異なるものを得ています。しかし、吸入の際にもプロセスは行われます。最近、肺や鼻だけでなく、たとえば目も呼吸していることが発見されました。日中、目を覚ましているとき、目は酸素を取り込んでいるのです。起きている目にとって、酸素は空気からでは全くなく、目の白い強膜から直接呼吸していることが発見されたのです。夜、目を閉じて眠っているときだけ、この過程が逆転し始め、酸素の吸入が行われずに、ある物質が血液から目の各部位に浸透し、目の酸素供給を引き継ぎます。昼間に目が見るために酸素を使い切ると、それは、暗闇の中で、使用した酸素を視紅に補給します。

 これらは、ルドルフ・シュタイナーが何年も前に指摘していた、目が呼吸しているという非常に神秘的なプロセスです。35年間の科学研究を振り返ると、私たちの人智学的自然科学において、これらのことをすべて自分で発見していないことは、ただ残念なことであり、今日では、いわゆる外の世界から、ルドルフ・シュタイナー発言を確認する内容を一つ一つ教えてもらうしかないのです。このことを指摘できれば、長年このアントロポゾフィーによる自然研究を担ってきた人間にとって、計り知れない満足感が得られるでしょう。この作業は、私たちの研究所でも行っています。これは、ルドルフ・シュタイナーが「それがないところに現象を作り、現象について思索するのではなく、実験しなければならない」と言ったことと関係があります。それは、私たち自然科学者にしかできないことです。

 

光と闇のプロセス

  私は今、別のことを指摘する役目を担っています。私たちが口にするこの食べ物は、自然の中で準備されたものであり、それは、動物界のものであろうと、結局植物界で最初に準備されています。緑色植物の樹液の中には、光合成と呼ばれる過程があり、そこで有機物質が作られます。光や熱と物理的な物質、水素、炭酸、酸素、窒素の内的な相互作用で、有機物質はタンパク質、脂肪、糖に作り上げられるのです。私たちの食物や身体的物質の源である植物の光合成には、「暗黒の過程」と「光の過程」の2つの過程があることが分かってきました。この暗黒の過程で、でんぷんと糖が生成されます。糖は、植物による夜の形成の産物です。黒砂糖が分解するときに熱が出るのは、黒っぽい熱、つまり純粋な熱の素によるものです。つまり、科学的にカロリーエネルギーや熱と呼べるものは、まさにこの糖で表現されているのです。熱が放出されるから、つまり炭水化物で分解できるようになったから、体内で光が放出されるのです。植物の光の形成により、タンパク質が形成されます。脂肪は、糖の過程が過度になることで植物に形成されます。糖のプロセスが宙返りをすると、それ、この糖がいくつかの化合物をくっつけて、いくつかの水をはじくと、脂肪酸ができます。

 しかし、タンパク質は光から形成されます。植物にこのような光の力を実質に結合させ、タンパク質を作り上げる能力を与えているのは、酵素と呼ばれる物質で、主にリン化合物を含んでいます。アデノシン、トリプトシンなどですが、これらではすべて、リン、そして少しマグネシウムがある役割をします。錬金術師がすでに光の担い手と呼んでいた「リン」。現代科学では、糖質が燃焼して炭水化物となり、その熱エネルギーが体に与えられることでカロリーが発生すると言われています。しかし、食べ物の中にある光のエネルギー、つまり、ある種の酵素の影響を受けてタンパク質を消化するときに出る光エネルギーについては、まだ語られていないのです。まず--これは今日すでに証明されていることですが--光が吸収され、その光が消化器官で放出され、私たちは光を受け取ることができるのです。私たちの体内でタンパク質が熱の影響を受けて消化されるとき、ほとんど同じ酵素が関与しています。人は、タンパク質を変換すると光を受け取り、この光は体の中で自由となり、非常に強く、貫き照らす作用を持っており、それが、身体の生命を維持し、特に神経物質、脳物質に運ばれ、そこで意識のプロセスに奉仕するものとなるのです

 ルドルフ・シュタイナーは言っていますが、酵素というのも一つの言葉です。社会的な有機体の中では、お金を「お金」と呼んでもいいし、「ヴィッツ・リ・プツリ」と呼んでもいいし、何でもいいのです。この言葉も同じです。酵素といえば、膨大な変換量と驚異的なスピードが特徴です。このような代謝反応を利用して、1つの細胞で1分間に1万回もの代謝が行われている。それがひいては新陳代謝につながるのです。これが私たちの生命の基本であり、この代謝が早く行われる限り、健康であり、そして若々しいということを意味するのです

 さて、この光の代謝は、本来はタンパク質の消化や感覚器官の活動、脳内の意識形成の活動に表れるはずであり、今日の人間におけるこの光の代謝、リン酸酵素代謝は大きく乱れていることがわかります。昼間の姿、あるいは息を切らして山を登ってくる姿、疲れている姿を見れば、人間の態度で、どれだけの光が体内で放出されているか、あるいはどれだけの光が影響を及ぼしているか、直接わかるはずです。また、自然界でも、特に植物が弱っているように見える年がありますが、これは今の自然界がいかに光量不足であるかということを表しています。

 私は、ヨーロッパにはもう何年も戻っていません。一度は10年間離れていましたが、その後、間隔を空けて戻ってきました。青春時代の光あふれる風景は、今でもよく覚えています。それに比べて、光の不足、大気中の生理的な光の不足、植物の光の不足(これは生化学的に研究できる)、人間の自我-光の不足など、これは今日、目を凝らすと強く見えてくるものです

 

粗悪なタンパク質

 ここで私たちは、1956年、57年、58年の今日、人間のある機能が、もはやかつてのようには進行しないと言わなければならない問題に直面しています。なぜ、なぜ?どうしたんでしょうか?まず第一に、この食物は、その成長の仕方によって、品種の選択と強力な量的生産の強要によって、細胞内での光変換、水素変換、酸素変換を完全に行うことができなくなり、劣ったタンパク質をもつようになっていると言わざるを得ません。この30〜50年の間に、地球上の全人類は、タンパク質を構成するアミノ酸のバランスが崩れ、栄養価の一部が低下した粗悪なタンパク質を手にすることが多くなってきたのです。現代の食生活では、さまざまなタンパク質化合物が常に弱体化されています。

 麺類やスパゲッティ、シュペッツレを食べるのであれば、それを食べるだけで、リジンと光の欠乏が人間に起こっています。ルドルフ・シュタイナーの非常に大ざっぱな提案に基づいて、私が最近取り組んだ新しい方法によって、人間の排泄物におけるこれらの現象を認識し、証明することができます。彼は、人々の尿をその組成から研究すべきだと言っていましたが、それは、その中に自分の友人や同僚の精神状態について一定の情報を得ることができるからです。当時は、その方法がわかりませんでした。このように、人の精神状態や生理状態を正確に把握し、どのような障害があるのかを知ることができるようになったのです。

 健康な人と病気の人、約1,700人を対象にした実験では、実に90%で肝機能が正常でなくなっています。自然界における穀物やタンパク質の実験では、タンパク質の成分が広範囲にわたって減少していることが明らかになっています。この分野で働く生化学者は皆、「正常とは何か」という疑問を抱いています。

 自然界に放射性物質が降り注ぐようになってから、かつて正常であったものが消し去れて、何が正常なのかが曖昧になり、一方的な鉱物肥料、殺虫剤、農薬などの使用により、地球上で育つものはもはや正常ではなくなってしまったのです。最初に比較する基準がなくなってしまったのです。1937年、南極探検の際、非常に賢い博物学者が、缶に入った食料をそこに置いておくことを思いつきました。現在は氷に包まれ、高さ数メートルの氷の層に覆われているため、現代の影響から守られているのです。1937年当時、何が正常だったかを知ることができる、地球上で唯一の植物性食品、食品素材です。今、これらの缶が掘り起こされ、20年前の普通の食べ物が何であったかが研究されているのです。

 

種子の品質問題

 私たちは、ここで最も重要な文化的問題に直面しているのです。なぜなら、それは人間のタンパク質の質、光代謝、熱代謝の乱れを発見し、認識するための、そして、ある状況下では、それらを予防し、治癒する問題だからです。これらの乱れが、種子の品質と関係していることが明らかになったのです。ルドルフ・シュタイナーは、私たちのバイオダイナミック運動の分野では、タンパク質ー種子の品質は、自然と結びついたものにする必要があると指摘しています。だから:バイオダイナミック種子を生産しています。私は今、本当に絶対的な客観性を持って、設定された基準に対応するものとそうでないものを、完全に客観的にお伝えしています。バイオディナミが良いというのが、私の感想です。

 今や、かなり意外なものが助けとなっています。私たちは、種子の中にさまざまな種類のタンパク質があること、そのタンパク質がアミノ酸に分解されることを突き止めることができたのです。そして、これらのアミノ酸を測定したところ、日によって変動があり、例えば、バイオダイナミック小麦の工場では小麦粒の発芽後7日目に最大で42%のタンパク質があるのに対し、他の工場ではせいぜい22〜23%であることがわかりました。その結果、種子のタンパク質の質を純粋にすることが可能であることがわかりました

 そして、友人のゲルハルト・シュミットに話を聞き、ある実験を見せてもらいました。彼は、バイオダイナミック小麦を30分かけて100℃に加熱しました。すると、この小麦が-30分かけて100℃に加熱されたこの荒療治の後-水が沸騰する温度である摂氏100度になっており、「調理」されたのですが-なんと発芽したのです。一方、人工的に肥料を与えた小麦は発芽せず、死んでしまったのです。教科書によれば、タンパク質は100℃で凝固し、酵素は死滅しているはずです。発芽したこのバイオダイナミック小麦は、タンパク質が凝固したり、酵素が破壊されたりすることはありませんでした。バイオダイナミック農法、人工肥料、無肥料、原土、有機農法だがバイオダイナミック農法ではないものなど、さまざまな種類の種子をアメリカ全土から集め始めたのです。バイオダイナミック農法の種子は熱処理後に発芽し、その他の多くの種子は、ミネラル肥料を与えたものはごくわずか発芽しましたが、ミネラル肥料のみを与えたものは全く発芽しないことが何度も確認されています。だから、一種の等級です。面白いのは、タンパク質の構成要素であるアミノ酸を分析すると、発芽するものは自然なバランスで、発芽しないものは非平衡という、異なるバランスが見いだされたことです。その結果、「もしそうなら、私たちそれから利益をえるかもしれない」と思ったのです。現在、発芽した種から苗を再播種し、そこから新しい苗を育て、今年の夏には新しい小麦を収穫しています。ところが、この新しい小麦、つまり熱処理を施した穀物は、まったく別の小麦であることがわかりました。1つ目のオリジナルは、黄白色で肉質が良く、タンパク質は10%でした。この夏に収穫した新麦は、ほとんど半透明のガラス質の粒で、いわゆるグルテン小麦で、タンパク質は17〜18%でした。透明でガラス質の粒で、タンパク質は17〜18%。この選別により、タンパク質が10〜11%ではなく、最大18%という栄養価の高い小麦ができあがりましたので、これを食べればほとんど肉を食べなくても大丈夫なくらい栄養価の高い作物といえます。

 それが今、実現されたわけです。つまり、ルドルフ・シュタイナーのアイディアがここで実現されたのです。実際に植物を元の状態に戻したこと。なぜなら、かつてはそのような小麦には15〜18%のタンパク質が含まれており、良い組成であったからです。つまり、新しい食のクオリティを生み出すための第一歩となるのです。さて、これはほんの始まりに過ぎません。いつか商品化されると思いますが、それが可能になるのは10年後くらいだと想定しています。

 そんな思いが、実は元気を与えてくれるのです。個人的な感想ですが、目の前に新しい目標があると、かつて病気だったことを忘れてしまうほど、元気が出る、実際に人生に立ち向かう新しい勇気が湧いてきます。(...)

 

生命のエネルギー...

 1919年、1920年1921年に私がドルナッハに来たとき、研修生や見習いとしてここですべての仕事をしたのですが、そのとき私は、ルドルフ・シュタイナーに非常に具体的な考えた質問を持ち込もうと努めました。その思いはこうだったのです。今日の文明がエネルギーの応用によってもたらされるとすれば、物理的なエネルギー、すなわち電気、磁気、その他のエネルギー-原子エネルギーはまだ発見されていなかった-を応用することによって、これらのエネルギーの本質が、分解、崩壊にしかつながらないので、技術においても、これらのエネルギーの応用が崩壊にしかつながらないことから、技術の中に生命のエネルギーを導入することが必要であろうと思われます。そうすれば、構築の法則、生命の法則を運ぶこのエネルギーが、人々の思考、感情、意志の衝動を自然に誘発し、技術的に破壊、分解、砲撃する代わりに、平衡させることを学び、構築、合成、成長、発展することを学ぶようになるでしょう。

 破壊への、解答として、構築として、破壊への対抗として、ゲーテアヌムから世界へ持ち込むことができるエネルギーがあるのかどうか、それが私がルドルフ・シュタイナーに投げかけた質問だったのです。ルドルフ・シュタイナーは、このエネルギーは人体のある物質変換に学ぶことができると指摘しました。このエネルギーは一般にエーテル形成力、エーテル体、熱エーテル、光エーテルなどと呼ばれるものであると指摘しました。今、私が言っているのは、講座や講義のことではなく、この問題に対する直接的な答えのことです。そのエネルギーを発見し、応用することで、社会技術や社会秩序を創造することができないだろうか、というのが私の考えであり、疑問でした。ルドルフ・シュタイナーの答えは、彼がごく簡単な実験をいくつか提案し、それを私が彼のために実行したのですが、その経過から、彼は実験を通して霊界の答えを受け取ったと言いその答えは、このエーテルエネルギーが知られ導入されるのはまだ時期尚早だ、というものだったのです。私はその時、ルドルフ・シュタイナーの指示に従い、この地域全体について絶対的な沈黙を守ることを余儀なくされ、今日もそうしています。しかし、私は、次のように質問しました。「この新しいエネルギーの知識を研究し、知り、場合によっては応用することができると精神世界が同意する条件は何でしょうか?」ルドルフ・シュタイナーは言いました。「このエネルギーが悪用されないための一つの条件は、社会3層の思想の意味での社会秩序が起こること、少なくとも地球上の小さな領域では、霊的な意味での一貫した社会秩序が実行されなければならないということです。そうならない限り、霊界はこのエーテルエネルギーが発見されることにさえ同意しないでしょう。」

 ルドルフ・シュタイナーは、第二の条件として次のように語りました。「ある種の霊的指導者は地上に転生し、人類の指導権を引き継ぐことができるが、現在の知的教育システムではそのような指導者が肉体を持つことは不可能です。ヴァルドルフ教育が一般化しない限り、自分を現わする可能性はなく、こうした霊的指導者たちはおそらく今世紀中に全く肉体を得ることができないだろうと予想されます。そのような教育によって、ある種の霊的指導者が生まれ、その指導者がリーダーシップをとるようになり、誤用に対して保証する社会秩序ができたとき、初めて実際にこの問題に取り組み続けることができるのです。」これによって、当面すべての未来が封印されたのです。

 これは、親愛なる友人の皆さん、7つの封印をもった書物です。私たちが、生命、建設、創造の力だけを担う新しいエネルギーの創造者として出せる答え、つまり原子力エネルギーに対する答えを、私たちは[まだ]出せません。これは、私たち全員に重くのしかかる大きな義務です。(...) としか言いようがありません。

  ルドルフ・シュタイナーは、1965年に、今世紀のこの暗い時代に、新しい時代の夜明けを見ることができるだろう、と言いました。親愛なる友人たちよ、私たちにはまだ7年あります。この夜明けを迎えるために、私たちはまだ達成できていないことを補うことができるのです。

[編集部による小見出し追加]

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 光が人間のエネルギーとなり体を造るといっても、普通の人間は、やはり食べ物を食べて生きていくしかない(確かに、断食自体は健康にいいとされるが)。シュタイナーは、どのような飲食物が人間の心身にどのように働くかについても具体的に説明している。本文にもあるように、心身の健康にとって食べ物の質はやはり大変重要なのである。無農薬・有機栽培の作物や食品添加物のない加工食品が望まれるのだ。

 講演の最後では、霊的指導者達がこの地上に転生できなくなっていると語られた。霊的指導者達が受肉できる体、成長できる環境がなくなってきているのである。
 化学物質や放射能、電磁波等により進む環境汚染、遺伝子操作食物等は、人類一般の心身の健康を蝕んでいる。それは、霊的なものを指向する人間の本性への脅威でもあるが、人類を本来指導すべき霊的指導者達を人類から遠ざける手段でもあるようだ。
 大企業による食の支配も進んでいるが、それは、大企業による利潤の追求という目的だけでなく、おそらく、人類の進化に敵対する勢力の思惑もあるように思われる。
 シュタイナーは、このようなことも見越して、バイオダイナミック農法やヴァルドルフ(シュタイナー)教育を後世に残していったのだろう。