k-lazaro’s note

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エーテル体とは ①

 

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  ワニに乗るキリスト(グノーシス的宝石)

 シュタイナーは、人間を構成する実質には、肉体の他に「エーテル体」、「アストラル体」そして「自我」があるという。肉体の他は、霊的実質なので肉眼で見ることはできないが、霊視能力のある者には見ることができる。

 鉱物は物質的体のみもち、植物は物質的体に加えて「エーテル体」をも、動物は、さらに「アストラル体」をももっている。自我までもっているのは人間のみであるという。
 人間がこのように肉体の他にいわば霊的な体を持っているという考えは、勿論、シュタイナー特有のものではない。シュタイナーがかつて属していた神智学協会においても同様の考えが語られている。あのデヴィッド・オーヴァソンも、『二人の子ども』の中で、「現代の秘教では、人間の霊的鞘は4つあるとされる。人は、物質体、エーテル体(時々生命体と呼ばれる)、アストラル体(感情の身体)、そして自我である」と述べている(ここでオーヴァソンは、肉体も「霊的鞘」に含めているが、実は、やはり見えない「ファントム体」というものが肉体を支えていると言われるので、これを示唆している可能性もあるが、真意は不明)。
 また、当然これらは、近代になって初めて唱えられた説ではない。いにしえからの秘教の伝統の中で伝えられてきた教えである。
 オーヴァソンは、『二人の子ども』のなかで、「最も低次の鞘、あるいは『エーテルの包み』のエジプトのシンボルの一つは、ワニのようであると言われている。これは、最下層の霊的身体は、人の感情に従属するというサインであったようである。キリストについての初期のグノースティックなイメージは、頭の上に魚を持ち、ワニの上に立っている救世主として描かれている」と、上の図について解説している。
 また、「古代の深遠な文献では、物質体の構成物を統合するエーテル体の力は『第5の元素、エッセンシャル』と認識されていた。エーテルは、物質体を構成する、炎、水、空気、大地の4要素の分裂しようとする衝動を一緒に保持する、第5のエッセンス、第5の力だからである。多くの錬金術の文章では、第5の元素、第5の力はエーテルと同じである。古代の秘教システムにおいて、エーテルは「生命の力」と呼ばれる(人間の有機組織に関する限り)。成長の状態において物質体を維持しているからである」とも述べている。

 人のオーラが見えるという人がいるが、オーラとはこれらの「霊的体」が霊眼によって捉えられた姿に他ならない。仏像の光背や、キリスト教絵画における、聖人の頭に付けられた光輪もこれらを示すものであろう。

 人間がもっている「霊的体」は実はこれだけではない。それらは未来の可能性としての体でもある。未来に人類がそれらを発展させるということである(詳細は後日に譲る)。実は、天使等の霊的存在は、これらの霊的体を既に発展させており、それらをもっている者たちである。例えば、天使の最下層の体はエーテル体なのでる。つまり、天使は、人より一段階先を歩んでいる存在と言える。

人間存在は実に複雑である。「エーテル体」や「アストラル体」が肉体に影響を及ぼし病気となる場合もある。従って、健康や病気を考えるにも、肉体のみを見ていては駄目なのである。「病は気から」ということわざがあるゆえんである。