k-lazaro’s note

人と世界の真の姿を探求するブログです。 基盤は人智学です。

プロパガンダと大晦日の火事のオカルト的黒幕たち

 このブログもすっかり「陰謀論」系の記事が多くなってしまった。しかし、さすがにこれまでコロナやウクライナの問題、そしてそれに関連してグレート・リセット周辺を客観的に観察してきた者なら、従来言われていた陰謀論を全く否定することができなくなっているのではなかろうか。

 私もこの系統の話は昔から好きで、いろいろと本やネットの記事を読んだりしてきており、全ては信じられないにしても、そこに少しは真実もあるのだろうなくらいの認識であったが、今は、「少し」どころではないと思うようになったのである。

 そこで語られていることがそのまま直接正しいというのではない。意識的なミスリードもあり、実際には誤った解釈がされているものが多いとは思う(その意味ではやはり間違っているのだが)。だが、見えない力が、世界をある方向に導いており、それが世界的に今具体的に現われてきつつあるというように感じるのである。
 それは、実は、シュタイナーが語っていることでもあり、そうした彼の主張が、最近の出来事により裏付けられてきていると思うのである。実際に海外の人智学派の中には、こうした危機感を訴える人は少なくないようである。

 

 さて、今回は、またトマス・メイヤー氏の『ヨーロッパ人』からメイヤー氏の2つの文章を紹介する。

 最初のものは、プロパガンダの問題である。

 湾岸戦争が起こされた1つのきっかけは、ある少女の証言(ナイラ証言)であったのだが、それは嘘であることが後日分かっている。それは広報宣伝を仕事とする民間会社の仕組んだヤラセだったのだ。その会社が、現在は、ウクライナで暗躍しているというのである。

 これを読み、私が驚き、また暗澹となるのは、アメリカはこの戦争で多くの命を奪っておきながら、このことが明らかになっても何ら謝罪もしておらず、その会社はその腕を買われて現在も暗躍しているということ。そして、世界は、こうした事実があったにもかかわらず、今回のウクライナ問題でまた同じ過ちに陥っていることである。

 世界の多くの人は、「何でも信じてしまう、何でも忘れてしまう。」のだ。

 二つ目の記事は、昨年末に紹介した、シュタイナーや人智学協会の人達が建設したゲーテアヌム放火の犯人についての補足記事である。

k-lazaro.hatenablog.com

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イラク戦争、WHO、ウクライナにおけるHill&Knowltonの音と煙

Der Europäer Jg. 27 / Nr. 4 / Februar 2023

 

 私たちが暮らすこの世界は、いったいどんな世界なのだろうか。2年前、筆者のアーノルド・サンドハウスは、次のように書いている(2021年12月/2022年1月)。

 

15歳の少女が米国議会に現れ、イラク兵がクウェートの“冷たい地面”に保育器の赤ん坊を投げ捨て、凍死させたと伝える世界。その後、アメリカはイラクとの戦争、湾岸戦争を開始する。後になって、あまりにも遅く、すべては嘘で、少女は広報局から役作りのために用意されたものだったことが判明する。担当者のクレイグ・フラーは、後にこの作戦をすべて成功させたと自慢し、彼は社内で高い地位を得ることになる。Hill & Knowltonというのはその会社の名前で、2020年5月にWHOから依頼されたCovid19の広報を担当したのは、まさにこの会社であった。Hill & Knowltonは、WHOに対して、3つのレベルの「インフルエンサー」を特定することを提案した。ソーシャルメディアに多くのフォロワーを持つ著名人を起用し、WHOのメッセージを増幅させるのだ。しかし、さらに、少数ながらも熱心なフォロワーを持つ人々や“隠れたヒーロー”もいる。

今回、Co-vid19の操作に成功したと誇らしげに語る人が現れるのは何年後になるのだろか。」*

 

  ヨーロッパでの重要な曝露である「Sandhaus」は、ほとんど聞かれることがなかった。WHOと、そうこうするうちにしっかりつながった「人智学」界隈でも。しかし、それが適切に広まれば、WHOの道徳的信用を奪うのに十分であろう。

100年前に、新聞の読者には2つの特徴があると主張した気の利いた観察者は正しかったのだろうか。

1.何でも信じてしまう、2.何でも忘れてしまう。

 

 いつのまにか、大変な成果を上げたあの嘘の企業もウクライナに拠点を置くようになっている。

 インターネット上では、「Hill+Knowlton Strategiesは、ウクライナカザフスタン、ロシア、CISを専門とする卓越した戦略的コミュニケーション企業である」と宣伝している。(ドイツ語では「ウクライナカザフスタン、ロシアなどを専門とする戦略的コミューニケーションファーム」)**。

 この会社は、安っぽいコメディアンのゼレンスキーに直接雇われたのか、逆にウクライナで正しい「報道」、つまり嘘を確実に伝えように依頼されたのか?ウクライナでは、この会社の存在を考えずに、戦場のニュースを追うことは許されないダボス会議に、自身がコメディ作家のゼーレンスー夫人を派遣したのも、会社の助言だったのかもしれない。スイスに中立を捨てて武器を提供しろと生意気なことを言ったところだ。

 WEFとそのアジェンダに一筋の光明 :[カナダの]アルバータ州のダニエル・スミス現首相は、ロックダウン条項の結果、WEFとの関係を一切断つことなどを決定した。それは、スイスがもっと前にそうすべきことだった。彼女は、昨年10月に就任すると、「億万長者が、政治家をどれだけコントロールできるかとハッタリをかますのは、不快だ」と語った。

 ちなみに カテリーン・オースチン・フィッツは、希望に満ちた代替的なAgenda 2030を想像力を駆使して構想し、起草すべきだと提案した***。注目に値する。

 

   トーマス・マイヤー

 

* Seehe Daily Caller - https://dailycaller.com, and Wikipedia zur Brutkasten-Lüge.

** https://yellow.place/de/pbn-hill-knowlton-strategies-kyiv-ukraine

*** 2030 Backcasting with Catherine and Solari Series Hosts and Allies /solari.com (キャサリンとソラリシリーズホストとアライアンスがお送りします。

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1922/23年大晦日の火事のオカルト的黒幕たち

12・1月号記事「灰からの不死鳥」の追記について

Der Europäer Jg. 27 / Nr. 4 / Februar 2023

 

 この放火犯については、これまでにもいろいろと発表されているが、ここでは実際の放火犯を取り上げるのではなく、そのオカルト的な背後の人間や黒幕に光を当てようとするものである1。 

 

 1922/23年の大晦日の火災から数ヵ月後の1923年、ルドルフ・シュタイナーは最後のオスロ滞在をした。5月18日か20日にここで秘教講義が開かれたが、残念ながら、この会については、ノルウェー人リーダー、ヘルガ・ギールムイデンの回顧録しか残っていない。彼女の報告書を引用します。

「そして、その会合で、彼は非常に印象的に神殿伝説を語り続けた。そして、神学者たちが新しい儀式を彼に求めることにより、アベルの息子たちは、カインの息子たちの中に身を置いていたという話を進めたのです2。

そのため、外の世界ではアベルの子らとカインの子らとの敵対関係が強まった。(イエズス会とオカルト兄弟団を意味していると、少なくとも私はそう理解しました)。

 そして、神学者に新しい儀式が与えられた同じホールで、ゲーテアヌムを破壊する火が灯されたと言い出したのです。」3。

 前号に掲載されたマックス・ケンドラーの発言を思い出す。彼は、ドイツのグランドロッジが彼に対する反撃の狼煙をあげたと、シュタイナーに伝えたのである。それは、まさに「メーソンがもはや和解できない」儀式のためである。オスロでのシュタイナーの発言は、ケンドラーへの直接の返事は書いていないにせよ、このようにケンドラーの書簡を確認したことを示している。

 スイスに戻ったシュタイナーは、ドルナッハで3つの秘教的なレッスンを行った。それについても、その直後にマリア・レッシュル・レーアスが「記憶から書き留めた」ものがある。

 ここでも彼は、神殿の伝説と、3つの精神的な流れ、真ん中の流れは生まれ変わったヒラムが持っていることを話した。だから次のように定式化される。

「2つの方向 – 中間にヨハネ」そして

「2つの方向から来るものを知ること。火災、両方が真ん中に対して団結しているからです。この中間の前進に対する憎悪」4.

 オスロ講義に関連して、2つの方向とは、メーソンとイエズス会の方向という意味しかない。

 この講義に関する別の記録では、キリストによってイニシエーションを受けた最初の人物であるヨハネ・ラザロについて、「カインとアベルの流れの間に立つ、中心の流れが始まった」と書かれている。「やがて、カインの流れはF(フリーメイソン流)にその主な代表を見出し、アベルの流れは(カトリック)教会の司祭達の流にその表現を見出した。人類の両潮流は、互いに厳しく敵対し合ったままであった。ただ一度だけ、中央の流れを憎むことで一致団結したことがある。このように、互いに敵対する傾向が一致した結果、ヨハネスバウ(ゲーテアヌム)は破壊されたのである。」5

 私の知る限り、1923年のシュタイナーのこれらの発言は、今日に至るまで真剣に調査されていない。ハンブルグフリーメーソンに関する人智学の専門家は、ケンドラーの手紙は本物ではないと断言したほどだ。

 シュタイナー自身、オスロ声明がなされた1923年5月にイエズス会の反対運動とその起源に注目した。この敵意は、本質的には1911年10月に行われたカールスルーエの講義サイクル「イエスからキリストへ」(GA131)にまでさかのぼる、と彼は言う。

 このサイクルの中で、シュタイナーはイエズス会の意志修練の原理をありのままに明らかにした。これは、イエズス会の活動を大規模に暴くものであった。12年後、シュタイナーは次のように述べている。「そう、ある側面から(正確にはイエズス会側から。 TM)人智学に対する敵意は、まさにこのサイクルから始まったと言うことができる」.6。

 

  トーマス・マイヤー

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 先ず前の記事について補足したい。

 ヒル アンド ノウルトン ストラテジーズ(Hill+Knowlton Strategies)は、ウィキペディアによれば、「アメリカ合衆国ニューヨーク市に本拠を置くPR(パブリック・リレーションズ)・コンサルティング会社。52ヵ国90拠点にオフィスを構えて」おり、「世界3大広告グループといわれるWPPグループNASDAQ:WPPGY)の主要なメンバーカンパニーである」という。PR業界の世界的大企業なのだ。

 PR(宣伝・広報)と洗脳、扇動は紙一重であり、クライアントの利益を第一とすれば、このような会社は、嘘も平気で垂れ流すということだろうか。日本でも、巨大広告会社の、オリンピックでの醜悪な姿が明らかになっているが、マスコミにも大きな力を持っているだろうこのような会社が、もし良心を失っているとすれば、大きな問題である。嘘を使えば、国民を戦争に向かわせることも可能だからだ。 

 嘘がオカルト的力になることについては、既にこのブログで触れている。

k-lazaro.hatenablog.com

 そこには、次のように書かれていた。
 

 シュタイナーは、人類は現在の第5次ポスト・アトランティス文化時代は「基本的に商業的性格をもっている、すなわち、経済が、肯定的にも否定的にも行なわれまたは利用することができる強力な霊的潮流に担われている、と述べている。同時に、このような霊的衝動を集団エゴイズム的な策略に利用しようとする、政治的事件の背後で活動する同胞団(ブラザーフッド)や秘密結社に対して、警告を発した。・・・

 真実でない多くの考えには、人々がそれを信じるという事実を通じて、強いオカルト的な力がある。・・・

 今日の印刷機で印刷技術を通じて生み出されるものが、商業主義的な集団、つまり、彼等が新聞で語っていることとまったく異なることを望む人々に強く依存していることに、来るべき悪い事態の予兆を感じる。・・・

 オカルト同胞団が望んでいるのは、これらすべてを抑制するのではなく、重要な秘教的な手段として促進することである。それは彼らに役立つからである。そして、何が語られようが重要でなく、ある方向を目指す集団に役立つものが、人々に影響を与えさえすれば、そのようなオカルト同胞団にとって重要な目標が達成されたことになる。・・・」

 真実のように見せかけた嘘で人々を圧倒する方法が、ある種のオカルト同胞団が暗黒面の力をさらに増大させるためのオカルト的方法であるということなのだ

 

 西側の商業主義、洗脳的広告の氾濫の背後にこうした闇の勢力が実際にあるのだろうか?

 

 後半の記事が示しているのは、ゲーテアヌムの放火、焼失の犯行の背後にあるのは、フリーメーソンイエズス会(に潜む闇の勢力)であるということであるが、この両者は、アベルとカインの霊的潮流に属するというのである。

 アベルとカインは、旧約聖書『創世記』第4章に登場するアダムとイヴの息子たちで、兄がカイン、弟がアベルである。ある日、カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子をヤハウェに捧げるが、ヤハウェアベルの供物に目を留めカインの供物は目を留めなかったため、これを恨んだカインはその後、アベルを殺害したとされるのだ。この時以来、2つの流れは分裂し、互いに争うようになったというのである。

「神殿の伝説と、3つの精神的な流れ、真ん中の流れは生まれ変わったヒラム」という文章だが、アベルとカインを両極としてその中間にヒラムが存在するということで、このヒラムとは、フリーメーソンの「神殿伝説」に出てくる、エルサレム神殿建築を指揮したマスター、つまり、もともとのフリーメーソンの霊的始祖なのである。「もともと」というのは、本来フリーメーソンは、人類の霊的進化を進めるために生まれたのだが、いつの頃からか、悪の勢力が侵入し変節してしまったからである。

 従って、このヒラムは、今のフリーメーソンとは相容れない霊的指導者であり、分かれてしまった2つの霊的潮流を統合する役割を担っているというのである。このヒラムこそ、シュタイナーによれば、イエス・キリストにより死から蘇ったラザロ、そして後のクリスチャン・ローゼンクロイツらしいのである。

 イエズス会に対するシュタイナーの批判についても解説が必要だが、ここでは簡単に述べておく。シュタイナーによれば、今の時代は、人間の自由意志が最大限尊重されなければならない(地球期は自由獲得が課題となっている時代)。意志は、人間にとって神聖なものなのだ。しかし、イエズス会の修練は、その意志に介入するものであり、その目的は、人々を教会の下につなぎ止めておくことにある。このことにより、やはり人類の霊的進化を阻害するものとなるというのである。

 

陰謀論」という言葉は、もともとアメリカのCIAが、政府にとって不都合な言説にマイナス・イメージを与えるために造語したという話がある。「陰謀論」という言葉自体が陰謀であったというわけである。

 今やその陰謀論にも、本来の狙いからそらすための「偽りの陰謀論」もあり、虚と実が甚だ錯綜しているようである。

 そして、追求者を陰謀論として批判する者、偽りの陰謀論を振りまく者自身は、その本当の意味を知らないのかもしれない。その背後の更に「奥の院」にこそ、本当の目的を知っている者が存在するのではなかろうか?