k-lazaro’s note

人と世界の真の姿を探求するブログです。 基盤は人智学です。

二人の子どもイエス

二人の子どもイエス-神殿の出来事 ②

『博士たちの間のキリスト』 パオロ・ヴェロネーゼ 磔刑で死んだイエスは勿論一人である。しかし、子ども時代、イエスは二人いた。同じ名前の子どもが二人いたのである。一人はルカ伝の、もう一人はマタイ伝の伝えるイエスである。それぞれの両親も、やはり…

二人の子どもイエスー神殿の出来事 ①

エクステルンシュタインの磔刑のレリーフ このブログでは「二人の子どもイエス」のテーマが、主要なテーマの1つとなっている。私がこのテーマを初めて知ったのは、大学生の時で、先にシュタイナーに出会って、彼に関連する本を色々物色しているときに見つけ…

「二人の子どもイエス」とは ㉕

ラファエロ「テラヌオーヴァの聖母」 本ブログは、「二人の子どもイエスがいた」とする秘教的キリスト教の教えを中心に、またそれ以外のシュタイナーにより明らかにされた人間と世界の真実を解説し、一般に広めることを主な目的としてスタートした。その後、…

「二人の子どもイエス」とは ㉔

タイナッハの教示画の全景 秘教的キリスト教に伝えられてきた「二人の子どもイエス」の教えを公に説いたり、表現することは異端とされ、それは死をも意味した。しかし、それを密かに描く絵画や彫刻等の美術作品も存在した。これまで、これを研究したヘラ・ク…

「二人の子どもイエス」とは ㉓

システィーナ礼拝堂天井画 久しぶりに「二人の子どもイエス」(ルカ福音書の伝えるイエスとマタイ福音書の伝えるイエス)のテーマに戻る。本ブログの目的の1つは、このテーマを多くの人に知ってもらうことであった。このテーマは、キリスト教の核心に関わり…

「二人の子どもイエス」とは ㉒

イエスとゾロアスター 「二人の子どもイエス」については、これまで、イエスの誕生の絵に二つの種類があり、それが異なる二つの家族を描いていることを述べてきた。二つの種類というのは、羊飼い達がイエスを礼拝するものと、マギ(王)達が礼拝するものの二…

クリスマスはいつか?

コレッジョ「キリストの誕生」 クリスマスとは「キリストのミサ」という意味である。イエス・キリストの誕生を祝う降誕祭ということである。多くのキリスト教宗派では、12月25日がイエス・キリストの誕生日とされ、この日に行われる。ただ、教会暦の上では…

「二人の子どもイエス」とは ㉑

アウレウス写本 芸術における系図 イエスの系図は、マタイ福音書とルカ福音書に記述されている。そして、そこに挙げられているイエスの先祖の名前が、ダヴィデ王の子(即ちソロモンとナタン)から異なっていることを⑯で述べた。それは、つまり、ダヴィデ王の…

「二人の子どもイエス」とは ⑳

聖セヴェリンのマイスター「王の礼拝」 子どもの中の子どもと王の中の王 これまでイエスの誕生の絵には、ルカ福音書とマタイ福音書に基づく二様の様式が存在することを見てきた。それは、二人の子どもの魂の本質の違いによるものである。 クラウゼ・ツィンマ…

「二人の子どもイエス」とは ⑲

アントニオのコイン ヨルダン川洗礼とキリストの誕生-蟹の象徴- 「二人の子どもイエスとは⑮」で、蟹座が、魂が地上へ誕生するときの玄関、入り口であることに触れた。それは、後のキリスト教哲学とシンボリズムに深い影響を与えた、3世紀のエジプト人秘教…

「二人の子どもイエス」とは ⑱

前に、「二人のイエス」の秘密は、聖書自体に根拠を見い出すことができると述べた。今回は、それについて触れていきたい。 上の写真は、現在はフライヴルクの近くのドナウエッシンゲンにある13世紀の美しいイラストのある「詩篇歌集」のものである。 デヴ…

「二人の子どもイエス」とは ⑰

羊飼いと王の礼拝(ヴァレリア城、シオン) 引き続き、『絵画における二人の子どもイエス』から1枚の絵に二組の聖家族が描かれている絵を考察する。 その絵は、シオン(ドイツ語名はジッテン。スイス)のヴァレリア城にあるカテリーナ教会に掛けられた、1…

「二人の子どもイエス」とは⑯

リベラーレ・ダ・ヴェローナの礼拝図 これまでクリスマスの光景に二つの様式があることについて、別々に描かれた二つの絵をもとに説明してきた。今回は、やはりクラウゼ・ツィンマーの『絵画における二人の子どもイエス』からであるが、一つの絵の中に二つの…

「二人の子どもイエス」とは ⑮

かに座 の ステンドグラス( チェスター大聖堂) 蟹座ー誕生のポータル 上の図は、イギリスのチェスター大聖堂のステンドグラスである。大聖堂は19世紀に修復されており、その際に制作されたもののようである。 「二人の子どもイエス」とは⑦で、デヴィッド…

「二人の子どもイエス」とは ⑭

彫塑作品に見る二様の誕生の光景 クラウゼ・ツィンマーは、『絵画における二人の子どもイエス』の中で、ルカとマタイに基づく「二様の誕生の光景」を描く作品を様々掲載しているが、今回は、彫塑作品を取り上げよう。 先ず、ヴェローナ〔イタリア〕のサン・ゼ…

「二人の子どもイエス」とは  ⑪

マイスター・フランケ「子どもの礼拝、王の礼拝」(英国船乗りの祭壇) マイスター・フランケと他の芸術家達 『絵画における二人の子どもイエス』から、再び二つの礼拝を別々の画板に描いている例を見てみよう。ハンブルグ〔ドイツ〕のトマスまたは英国船乗り…

「二人の子どもイエス」とは ⑩

ネルケンマイスター「羊飼いの礼拝」(左)、「王の礼拝」(右) 日本では、クリスマスは、クリスチャンであるないに関わらず多くの人が行う行事となっている。誰でも、それがイエスの誕生を祝う行事であることを知っている。 クリスマスは、「キリストのミ…

「二人の子どもイエス」とは ⑧

ベルナルト・ファン・オルリー(?)「聖家族」 今回は、ヘラ・クラウゼ-ツィンマーの『絵画における二人の子どもイエス』から紹介する。 上の絵は、ベルナルト・ファン・オルリーによるものと考えられる絵であるが、この芸術家は、ブリュッセルで1491年に生ま…

「二人の子どもイエス」とは ⑦

モセニゴ総督を伴う聖母子 引き続き『二人の子ども』から紹介する。 上の絵は、ロンドンのナショナルギャラリーにある作者及年代不詳の絵である。デヴィッド・オーヴァソンによれば、これはヴェネツィア派の絵で、聖母子の前でひざまずいているのは、中央の…

「二人の子どもイエス」とは ⑥

Hella Kruase-Zimmer "Die zwei Jesusknaben in der bildenden Kunst” 以前、「二人の子どもイエス」のテーマを扱っている本として、デヴィッド・オーヴァソンの本を紹介したが、今回紹介するのは、ヘラ・クラウゼ-ツィンマー(Hella Kruase-Zimmer)とその…

「二人の子どもイエス」とは ⑤

パチーノ・ディ・ボナグイダ「イエスの磔刑」 デヴィッド・オーヴァソンは、『二人の子ども』で先ず上の絵を論じている。 1320年頃に、イタリアの画家パチーノがモンティセリの修道院のために描いた絵で、磔刑のイエスの左右に聖書の物語をちりばめている。 …

「二人の子どもイエス」とは ④

"The Two Children"表紙 ③で触れた「二人の子どもイエス」のテーマを扱っている本の一つが上の写真の本である。発行されたのは初版が2001年で、副題には「A Study of the Two Jesus Children in Literature and Art」(文献と芸術における二人のイエス子ども…

「二人の子どもイエス」とは ③

ベルゴニョーネ 「 神殿 の12歳のイエス 」 これは、レオナルド・ダ・ビンチとほぼ同じ時代にイタリアのミラノで活動したアンロジオ・ベルゴニョーネの、イエスの12歳の時の出来事を描いた絵である。 中央に座っているのがイエスである。この絵で奇妙なの…

「二人の子どもイエス」とは ②

ラファエロ「聖母子と洗礼者ヨハネ」 ルネサンスを代表する画家ラファエロは、多くの聖母子像を描いた。この絵は、その代表作の一つである。 聖母子とは言うまでもなく、聖母マリアとその子イエスのことである。その二人の左側にいる子どもは、獣の毛皮を身…

「二人の子どもイエス」とは ①

キリスト教絵画には、イエス・キリストの生涯を描くものが多数ある。多くは聖書から題材がとられているが、中には聖典ではなく、外典・儀典の類いからとられたものもある。従って、描かれた内容はこれら聖書や外典に根拠があり、それにそって解釈される。しか…